欧州開幕3連戦でポイントどっさり〜24-25カーリング追いかけ日記#1
カーリングの2024-25シーズンも気づいたらもう始まっていて、北海道カーリングツアーの初戦が終わり、すでに第3週を迎えようとしています。6月にカーリングの1年を振り返るイベントを開催させていただいて思ったのは、昔のことはどんどん忘れていくということ。今シーズンは、忘れないうちに少しずつ感想でも書いておこうかと思います。
稚内みどりCHALLENGE CUPの雑感
先週の稚内みどりCHALLENGE CUPは、ちょこちょこ観戦できた程度でしたが、長いシーズンの初戦ですから、各チームがどういうペース配分で、どこにピークを持ってきたいのかな?と思いながら観戦していました。男子決勝で優勝した🇯🇵コンサドーレについては、PCCCで世界選手権の出場権を確保することが今季最初の目標だと思っていましたし、新加入の佐藤剣仁(はやと)選手もリードで出場していましたし、もう少しゆっくり仕上げる予定なのかなと思っていましたが、国内上位チームがそろう中で、早速優勝を飾りました。今季は2大会しかない男子の北海道カーリングツアーですが、コンサドーレがアドヴィックスカップでも決勝進出した場合は、グランドスラム初戦「ツアー・チャレンジ」のTier 2(2部)に出場できるかもしれません。(準優勝だったロコ・ドラーゴがアドヴィックスカップで優勝した場合も同様にチャンスがあるかも。)
女子の方は、🇯🇵中部電力 vs 🇯🇵フォルティウスという驚きの少ない決勝のカードにはなりました。結果的には中部電力が優勝しましたが、スキップの吉村選手の復帰戦で準優勝というのもフォルティウスにとっては、決して悪い話ではないでしょう。グランドスラム出場を目指しているであろう2チームですが、今年の北海道カーリングツアーは、アドヴィックスカップも、アルゴグラフィックスカップも、SFM4.0という比較的ポイントが多くもらえる大会になりそうで、そちらでの活躍次第でしょう。中部電力は、片方で決勝進出できれば、「ツアー・チャレンジ」Tier 1の出場確率はかなり上がりそう(確実までは行かない)で、フォルティウスは両方決勝進出するぐらいの好成績が必要にはなりそうです。「比較的ポイントが多くもらえる=大会に良いチームが多くて難易度が高い」という意味なので、その分、好成績を残すのは難しくなりますが、とりあえず成績のことは忘れて、自分たちの力を最大限に発揮してもらえればうれしいです。
🇯🇵北海道銀行には準決勝で勝ち切ってほしかったですが、良いパフォーマンスを8エンド続けるという意味では、経験の差があるのかとは思います。とはいえ、世界ジュニアの決勝で対戦した相手(🇨🇭X.シュヴァラー)は今季グランドスラムに複数大会出場することが濃厚で、そこに負けじと食らいついていってほしいというのが、私の勝手な希望です。北海道銀行も「ツアー・チャレンジ」のTier 2出場はほぼ確実でしょうし、今年はステップアップしたところを見せてくれることを期待しています。
欧州の男子開幕戦🇨🇭バーデン・マスターズ
カーリングシーズンは他の地域でも始まっていますが、その中でもスイス北西部のバーデンで行われる男子の大会「🇨🇭バーデン・マスターズ」(第3週)は、毎年のように多くのトップチームが参加し、それゆえ大きなポイントが動く大会として定着しています。
この時期にヨーロッパで行われる4人制の大会には、他に「🏴ユーロ・スーパーシリーズ」(第4週)と「🇳🇴オスロ・カップ」(第5週)があり、この3つを合わせて“欧州開幕3連戦”と勝手に呼んでいます(女子は2戦目と3戦目だけ)。また、大会に合わせて早い時期から氷が張られるため、シーズン前の練習に使うチームも多いようです。(🇨🇭チューリッヒから車で30分ぐらいの場所らしいので、トップ画像はチューリッヒです)
シーズンの開幕戦であり、欧州では同じ週に2つの大会があることは珍しいため、“強いチームが参戦する→獲得できるポイントが増える→さらに強いチームが参戦する→さらに獲得できるポイントが増える”というサイクルでどんどん大きな大会になっているようです。大会の難易度を表し、獲得ポイントの大小を決める”SFM”という数値は、一般の大会の上限でもある7.0となる見込みで、一昨年が7.0、昨年が6.0と毎年高い数値で推移しています。北米ではまだ大きな大会がないので、🇺🇸ドロプキンは3年連続で欧州遠征して参戦しています。チームによっては、ポイントが想像以上にもらえることもあり、2022年の優勝チーム🇳🇴ヴァルスタの場合は、思いがけず(?)グランドスラム出場ラインを超えてしまい、最終的に2022年グランドスラム初戦「ナショナル」を出場辞退したようです。
今年は、男子世界ランキングの欧州上位15チームのうち、14チームが出場しているので、🇮🇹レトルナス、🏴モウアット、🏴ホワイト、🇸🇪エディン、🇨🇭シュヴァラーなども出場しますが、個人的にはその下の順位で、グランドスラム出場を争うようなチームが気になります。現在のポイントが🇺🇸ドロプキン(154.8p)ぐらいなら、ベスト8の21.0ポイントでも大きく前進しますし、130ポイント台の🇨🇭フースリ(134.8p)や🇩🇪ムスカテヴィッツ(132.1p)でも、優勝(+52.5p)や準優勝(+38.5p)に手が届けば、グランドスラム初戦ではなくても、今季中にグランドスラムに出場できる可能性は上がるでしょう。シーズン開幕戦で上位チームもまだ調子が上がり切らないからか、一昨年の🇳🇱ホスフンスや昨年の🏴ブライスなど、ランキングが決して高くないチームも決勝に進出しています。今の世界ランキングのシステムだと、ランキングの計算に算入できる大会の数に制限があるので、“1大会あたりの獲得ポイントが大きい”のは、シーズンを通して有利な立場を与えてくれます。
韓国では久しぶりのツアー大会🇰🇷エリート8
韓国では女子の大会「🇰🇷エリート8」がカンヌン・カーリングセンターで開かれます。今回出場するのは、大会側が選んだ女子の国内トップチーム8チームだけではありますが、韓国で開かれる大会はカーリング協会などの公的団体が開く大会が主で、ツアー大会と呼べるのは2019年の「WCTウイソン国際カーリングカップ」以来(出典:Curling Zone)だそうです。
当時は欧米からもトップチームを招待していたようで、男子の優勝は🇨🇦マキューウェン(現在の🇨🇦カラザースの選手が2名)、女子の優勝は🇺🇸ロス(現在の🇺🇸ピーターソンの前身)だったようです。平昌五輪のレガシーでもあるカンヌン・カーリングセンターには、オフシーズンに🇯🇵北海道銀行の選手がカンヌンに練習に行っていましたが、“常設のカーリング専用アリーナ”とも言える施設です。もちろん観客が入ると環境が変わるのだとは思いますが、時差もない場所でアリーナアイスでの大会があるなら、日本にも出たいチームがあるのではないかと…。韓国のチームが日本の大会に出てくれることは、来週・再来週の北海道カーリングツアーを含め、よくありますが、逆に日本から韓国の大会に出るチームがあっても良いんじゃないかなと思います。今後、韓国でそういう機会が誕生することに期待したいです。
国内選手権をシーズン開幕前に行う韓国においては、韓国選手権が終わった今の時期はメンバー変更やポジション変更を含め、新しいスタートを切るタイミングです。現状では、まだキョンギ道庁(🇰🇷キム・ウンジ)、カンヌン市役所(🇰🇷キム・ウンジョン)、チュンチョン市役所(🇰🇷ハ・スンヨン)の3チームが頭一つリードしていると思いますが、他のチームはどこも大学生ぐらいの年齢の選手が多い若いチームです。個人的に注目しているのは、チョンブク道庁(🇰🇷カン・ボベ)ですが、現時点では、ソウル市役所やウイソン郡庁やキョンイル大学校などと国内4位争いをしている印象です。カナダ遠征を行うチームもいくつかあるようですし、今後の韓国女子チームの勢力図がどう変わっていくのか、まだまだ変わらないのかにも、注目したいと思います。
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