引き寄せの法則

スピリチュアル業界において、引き寄せの法則は自分の願望を引き寄せ、叶える手法であると言われています。

しかし実際は、良いことも悪いことも含めて、自分の心や状態に近いものが共鳴して引き寄せられてくるといった現象のことなんです。

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引き寄せの法則が日本でブームになったのは、少し前のことですね。

引き寄せの法則は、1993年に出版された「マーフィーの法則」や、1996年に出版された「7つの習慣」などの自己啓発本で温められ、日本に上陸しました。その後、2007年に「エイブラハムの引き寄せの法則」が登場し、「思考は現実化する」が続きました。

ちょうどこのようなスピリチュアルの著書が日本で発売され始めた当時、テレビでは「オーラの泉」というスピリチュアル番組が流行っており、その影響もあって引き寄せの法則は爆発的に日本へと広がっていったのです。

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しかし、テレビ放送される引き寄せの法則は、「願望が叶う」という一部にのみ焦点をあてたものでした。

本質的な部分に関しては、なんの説明もされていなかったのです。

そのため、引き寄せの法則が流行してから時間が経っても、未だに引き寄せの法則がなんなのかよくわかっていないという人が大勢います。

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この記事ではそういった人達のために、引き寄せの法則について色々な角度からわかりやすく、かつ本質的な部分を説明していきます。

引き寄せの法則に興味があるのなら、きっとあなたのお役にも立てるはずです。

1.引き寄せの法則の本質

引き寄せの法則とは、「自分の中にある何かが、それに近しい何かを引いて近寄らせる」という意味です。

ただ、いきなりそう言われても、なんのことだかわからないですよね。

実は世間一般で言うところの「願望を引き寄せる引き寄せの法則」は、3つの法則から成り立っています。

引き寄せの法則
意図的な創造の方法論
許容し可能にする術

まず「引き寄せの法則」は、似たものが引き寄せ合うといった法則です。

いわゆる類は友を呼ぶというやつですね。

そして「意図的な創造の方法論」とは、自分の願望を明確にイメージし、実現させることを言います。

最後に「許容し可能にする術」は、自分と他人を明確に分け、他人の言動に惑わされなくなることです。

これら3つのが合わさることによって、日本に広まっている願望を引き寄せる意味での引き寄せの法則となるわけですね。

この願望を引き寄せる意味での引き寄せの法則を説明するために、まず知っていただきたいのが「波動」というものの存在です。

この世界に存在するすべてのものは細かく振動しており、「波動」という固有の周波数が備わっています。

この波動は、人間や動植物、コップ、石といった物質的なものにはもちろん、思考や想念、現象、概念といった精神的なものにまで、ありとあらゆるものに備わっているのです。

いきなり「波動と言われても信じられない」と思われたかもしれませんが、引き寄せの法則を学びたいなら、まずはこの波動の概念を理解する必要があります。

よく「目に見えるものしか信じない」という方がいますが、引き寄せの法則を実践したいなら、その考え方は捨ててください。

なぜならこの世の中、「自分には認識できないけれど確かにある」といったものは数多く存在しているからです。

人間には、自分が見たいものしか見ないといった性質があります。

たとえばあなたは何かの集まりに行くことになりました。そして最近あなたは「彼女が欲しいなぁ」と思っていたとします。好みはショートヘアで活発な女性です。さて、会場に着きました。50人くらいの集まりで、あなたは色々な人と談話し、楽しく過ごしました。後日、同じ集まりに出た友人と電話で話し、友人が「そういえば、長い髪のあの子、とびぬけてかわいかったなぁ」と言いました。しかし、あなたは全然思い出せません。「そんな子いたっけ?」

そう、あなたはショートヘアの子にばかり目が行っていたので、ロングヘアの子は目に入っていなかったのです。

これが、人間誰しもが持つ、「見たいものしか見ない」という性質です。

そして逆に、強く意識していることについては、そればかりが目に入ってしまうこともあります。

波動についても同様で、「そんなものはないに決まっている」という意見の人が大多数を占めていたため、当初はただのオカルト的な扱いでした。

しかし、近年の研究によって、やっと少しずつ解明されるようになってきたんです。

量子力学というれっきとした物理学によると、この世のすべてのものは粒子できています。

そして、この粒子は常に震えている状態、つまり固有の周波数を持っているということが判明したのです。

つまり、物理学の世界で波動の存在が確認されたというわけですね。

ちなみに、この量子力学について詳しく説明しようとするとかなり難しい物理式などが出てくるのですが、そもそも引き寄せの法則をやるうえでそんなものを理解しておく必要はありませんので、安心してください。

さて、ここまでで、あらゆるものには波動があり、すべて振動しているとお伝えしました。

基本的に波動はそれぞれ違う周波数で振動しているのですが、中には、同じであったり非常に近しいものというのもあります。

たとえばラジオやテレビなどです。ラジオは周波数を合わせることで電波を受信し、放送を聴くことができます。しかし、1ヘルツでも周波数がずれてしまうと周波数が合わずに雑音が入ってきますし、あまりに周波数が違ってしまえば、受信すること自体できなくなってしまいます。

そして私たちが発している波動にも、ラジオと同じように、近い波動とは共鳴するのです。

これを「波動共鳴」と言います。

たとえば、「なんとなく気が合うなぁ」と感じるのは、波動がうまく共鳴しているからです。逆に「一緒にいるとなんとなく嫌だ」と感じる場合は、相手から発する波長とあなたの波長が合っていないことが原因です。よく「類は友を呼ぶ」と言いますが、この波動の関係性こそがまさにそれなんですね。

似たような人達が自然と集まってしまうのは、波動が引き寄せあっているからです。少し難しく言うと、「固有振動数」が同じである、と言えます。つまり、人は波動の影響によって、同じような思考をする人と共鳴し合うのです。

そのため、ネガティブな人はネガティブな人と、ポジティブな人はポジティブな人と引き合います。

また、お金持ちの人の周りにはお金持ちしかいません。

そして波動にはもう1つ、お互いに影響し合うといった特徴もあります。

たとえば、自分と違う波動を持つ人の近くにずっといると、自分の波動がその人の持つ周波数に少しずつ近づいていくのです。

では、あなたがお金持ちになりたいと思った場合、どうすれば良いのか?

方法はひとつ。なりたい自分(お金持ちという目標)をすでに手に入れている人と行動をともにすれば良いのです。

そうすれば、あなたの波長が成功者に合わせようとして動き出しします。つまり、「波動共鳴」を起こすということですね。

そしてこの「波動共鳴」は、必ずしも人との間に起こるわけではありません。

先にも言いましたが、波動というものは、人間の思考にも宿るものなのです。

つまり、思考をポジティブなものに書き換えれば、あなたやあなたの周りのものがポジティブな波動共鳴を起こし、どんどんと物事が良い方向に動いていきます。

この原理を利用して、脳に「願望」や「なりたい自分」を見せてあげる、つまり波動を合わせて、潜在意識(人の深層にある強い意識)でそのゴールまで連れていってもらうのが、引き寄せの法則の本質です。

潜在意識が目標まで連れていってくれて、欲しいものが手に入り、願望が叶った状態を「引き寄せた」と言っているわけですね。