集客のプッシュ型プル型を釣りで説明している本があった、という話題から、釣り好きマーケ担当なりの持論を展開してみる
こんにちは。名古屋市でスクリーン印刷、そしてスクリーン印刷を応用した困りごと解決商品を展開している「人を助ける印刷屋さん®」太美工芸です。
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さて、今回のテーマは夏休みらしくちょっと遊びを加えてみて、「釣りを仕事にするくらい釣り好きな目線から見た集客のたとえに関する考察」です。本来は筆者の個人ブログで書くような内容ですが、たまにはこんなのも特色があって面白いかと企画しちゃいました。謎に熱量が高いですが、よろしければお付き合いください。
「会社をつぶさない社長の選択」
先日野田しゃちょーから、とある書籍に集客理論のプル型戦略、プッシュ型戦略を釣りに例えているところがあったとslackでメンションが飛んできました。
なるほど、「ニジマス釣りはプッシュ型」「へらぶな釣りはプル型」…。著者の方も釣りを嗜むようですが、私から見ても伝えたいことはなんとなくわかります。
それで、どんな本かと言うと、Amazonに書いてある紹介文を一部引用すると、こんな感じの真面目な本です↓。
うーん、なにやら難しそうだぞ??
なので、社長ではない私はひとまず一部抜粋の釣りに例えたところだけ拝読するとします。
どっちにしても魚のおるところに行かんとダメなんです
本では「ニジマス釣りは自分から居場所に近づいて釣るプッシュ型」「へらぶな釣りは餌で魚を集めて釣るプル型」と表現しています。確かに、そういう見方ができると思います。
たぶん、ここで言うニジマス釣りは自然渓流を、へらぶな釣りは管理釣り場をイメージしているのでしょう。もしへらぶな釣りも野釣りなら、ここで一日釣るんだ、という場所を決めるまではプッシュ型の行動を取ることになるからです。そんなことは釣りマニア以外どうでもいいか。
とにかく私はずっと昔から「水たまりで魚が釣れることは一生ない」と言い続けてきました。しかし一級ポイントはなかなか見つからないし、あっても入れてもらえないものです。この辺は後述します。
釣人はマクロでPDCAを、ミクロでOODAを動かしている
ともかく、戦略段階として釣れるであろう川や池を選び、その中で魚の居場所を想定し、戦術としての実釣に移行していくわけです。更にミクロに分解すると、仕掛けの調整や餌の見せ方流し方を一投一投考えていく、というOODAサイクルが延々と回っています。
そうして一日釣りをして、次回の釣りはどうしようかな、足りない道具はあったかな、場所はここで良かったのかな、となるわけです。ここでPDCAレベルの行動がつながるわけです。
プッシュ型プル型どっちが安定するのかという話
本の中では「プッシュ型のニジマス釣りよりプル型のへらぶな釣りが顧客を寄せてコツコツ釣っていくため安定度が高い」といったことがまとめられていました。
なるほど。確かに安定して結果が伸び続ける、まさに「PPM分析における金のなる木」です。
しかし、どんな商売でもプッシュ型とプル型の使い分けは必要なものです。最初から「仕上がっている一級ポイントで簡単に釣れる」場所なんてありません。隣のおじさんのほうが達者であれば、せっかく集めた魚は全部持っていかれてしまいます。一見おとなしい釣りに見えるへらぶな釣りではしばしばそんな残酷な展開があるのです。
ここからは釣りをモデルに表現します。
さて、魚が寄りまくっていて次々とアタリを出してくるような状況を目指して工夫していくのがへらぶな釣りでして、確かにそのような状況を作ることができればいわゆる「金のなる木」状態に持ち込むことができ、ある意味オートマチックに魚は釣れていきます。もちろん釣れ続けるように継続した工夫と変化への対応も必要です。
ところが、PPM分析でもそう言われるように、プル型で安定がずっと続くわけではありません。いずれ、PPMでいうところの金のなる木は負け犬に移行します。その前に手を打つ必要があり、新たなサイクルを生み出す必要があります。実は釣りでも同じことが起こっています。つまりですね、、、
私はここでいち釣人として申し上げたいのです。へらぶな釣りのフェイズはプッシュとプルの両方が存在していると、これは力を込めて全力で申し上げたい!!!!!
フェイズ1 餌の打ちはじめ
最初から魚を狙い撃ちにすることはできません。なぜなら、いない魚を釣ることは不可能だからです。
まずはここだと思った場所に釣り座を構え、餌を打ち始めます。匂いが強く、よく拡散する餌でウキが動き出すまで辛抱強く繰り返して餌を打ちます。
これってプッシュ型の行動だと思いませんか?
集客に置き換えて表現すると、ディスプレイ広告やチラシ配布などのCMのようなものです。まず存在を認知してもらうわけです。
フェイズ2 魚が寄ってきた
餌をいくらか打ち返しているとウキが僅かに動いたりもします。ターゲットにならない小魚などがまず集まってくるものです。つまりディスプレイ広告を踏んだオーディエンスですね。
ここから、よりメインターゲットであるへらぶなを集め、餌に執着させるために、あと、小魚を必要以上に騒がせすぎないように釣り方を工夫します。拡散しにくい練り餌の付け方にしたりするわけです。つまり除外フィルターを掛けつつターゲットに絞り込んでいきます。
ここまで進むと、最初の一枚が釣れたりします。つまり魚はまだまばらながらも餌を食いに来ているわけです。なので、ここから徐々にプル型の行動に切り替えていきます。そこにいる食い気のある魚に食わせに行くわけです。
フェイズ3 できるだけ釣れる状況を維持する
ヘラブナはちょっとしたことでさっきまでの連発が嘘のように釣れなくなったりもしますし、逆に集まりすぎてウキが暴れて釣りにくくなることもあります。上級者ともなれば、糸の長さを数センチ変えたり、餌の粘り方を調整したりして、少しでも釣りやすい状況の維持のための微調整を行い、釣り続けます。
更にクロウトになると、魚の集まり具合をみて釣るペースも考えます。いっぺんに釣りすぎると魚の寄りが薄くなって食いアタリが出にくくなる、遅すぎると密度が上がりすぎて釣りにくくなるから釣ってウキ下から間引いていく、といったことまでやるそうです。
食い気のあるへらぶなをできるだけ長い時間コントロール下におきつつ、食いに来た魚を次々釣っていくのです。
これがへらぶな釣りのハイライトで、パターンが決まったここがまさにプル型の領域になります。ポイントには餌をしっかり食べてくれるへらぶなもいれば、いつまでも離れたところをウロウロするのもいます。その日に一番狙い目になる距離感のへらぶなをあらゆるテクニックを駆使して釣っていくわけです。
しかし、やはり釣れ続かなくなる時が来ます。そんなときは思い切って釣り方を変えたり、餌を変えたりします。ミクロ的な領域ですが、ここは非常に繊細な調整の世界ではプッシュ的な行動になります。こんな柔らかさの餌はどうですか、こんな感じでゆっくり沈む餌はどうですか、などとプレゼンを繰り返します。つまりこのあたりのサイクルがOODAループなのです。
プル型集客ルートを育てるためにもプッシュ型集客に注力するフェイズは必要
ここまで説明してきたことはイノベーター理論で説明がつくと思います。
最初にウキを動かすのはイノベーターで、続けて釣れる数匹がアーリーアダプターなのです。その後から盛り上がっている餌場を見て次々群れが入ってくる、これがマジョリティなわけです。ラガードに移行する前にどれだけ釣果を拡張できるか、が数釣りジャンルのポイントなのです。
集客に話を戻しても、その成熟期が永続するのは至難の業。それをできるだけ長く保つ方法を模索することと、また新たなライフサイクルをスタートさせるためのプッシュ戦略の両輪を背景で進めていく必要があります。
常にプッシュ型でもパターンが作れず属人化し、やがて疲弊してしまうでしょう。ノウハウが蓄積しません。
ECとゲームフィッシングは似ている
特にECは表現の”品”はともかくとして、へらぶな釣りやチヌ釣りのように群れをおびき寄せて数釣りをするタイプのゲームフィッシングと非常に似ています。というか、エッセンスは同じだと思います。思い通りにならないことのほうが多いが何故かうまくいく「上級者」がいたりするところも。
もしECにチャレンジしている、あるいはチャレンジしようとしている企業の方がこちらをお読みでしたら、社内に釣り好きがいないか探してみてはいかがでしょうか。
まだまだ話は尽きないのですが4000文字とかになると怒られそうなのでこのへんで。。。あ、超えてますわ(汗
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(文・編集 |太美工芸ウェブマーケティングチーム 大林)