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成人式の思い出 ~知的障害者と各種セレモニー~

令和7年1月13日、「二十歳のつどい」が全国各地で開催されました。
ほんの数年前までは「成人式」と呼ばれていたこのセレモニーに息子が出席してからもう5年も経つのだと、SNSの過去記事検索機能で表示されたときは驚きました。息子の時は令和2年(2020)、ちょうど新型コロナが拡がる直前のことで、翌年の成人式は開催を見送られたりしたので参加できたことは本当にラッキーだったと思います。
今回は、知的障害者である息子が成人式や各種セレモニーに出席した時の様子や、出席する際の注意点などを書いてみたいと思います。




1 成人式

令和2年、息子は合計3回の成人式に参加しました。
最初に地元自治体の成人式、翌日は県庁所在地で行われた障害者成人式、最後は通っているB型事業所で開いてくれた成人式でした。
3回ともスーツにネクタイ姿で参加しています。
ハプニングと言えば、買っていたスーツが入らないことに数日前に気がついたことと、当日の付き添いのことでしょうか。

まずスーツについてですが、特別支援学校高等部を卒業した時点で黒とグレー、2着のスーツを買っていました。グレーは成人式用に、黒はブラックフォーマルを兼ねて着用できるように。作業所に通うためスーツを着用する機会はほぼないのですが、社会人となり学生服が着られなくなることと、本家で親族の各種セレモニーに出席することがあるのを見越してのことでした。実際に、卒業後すぐに行った法事にはスーツを着ました。
・・ところが、卒業後に太ったのかグレーの成人式用のスーツが入らないのです!
焦りましたが、幸い黒のスーツは何とか着ることができたので、成人式用にワイシャツとネクタイを新調し無事に着ていくことができました。

次に、当日の付き添いについてです。
私もうっかりしていたのですが、地元自治体で開催される成人式には通常、親が送迎することはあっても会場内に付き添うことはないのです!障害者手帳を見せると私も入れてもらえるかな、と考えていましたが、幸い地元自治体の成人式に息子の小学校時代の担任の先生がスタッフとしていらっしゃったので(人事異動で教育委員会に在籍しておられたため)、先生の口添えもありスムーズに後方の席を案内され付き添うことができました。面白かったのがもう一組、付き添いの方と一緒に案内されてきたのは紋付き袴を着た外国人の青年!ホストマザーが日本の成人式を体験させてあげたいと、ご主人の紋付き袴を着せて付き添っていらっしゃったのです。心がぽかぽか温まるような出来事でした。

もちろん地元自治体から付き添いを断られた訳ではありません。たまたま先生が気を利かせて下さったことで「すんなりと」付き添いができたのだと思います。

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