ドノバンミッチェルのトレードとRJバレット
みなさん、お久しぶりです。へそのゴマです。
前回の記事書いた時から、時間空きすぎてもはや新しいシーズン始まっちゃいそうでしたが、なんとかその前に更新できました(笑)
ということで、今回はニックスのオフシーズンについて(というか、ミッチェルのトレード話とRJの延長契約について)、僕なりの見解を3つの観点から書いていきたいと思います。
観点1: そもそも昨シーズンのオフを思い出す
まず、今オフの話をする前に昨シーズンが始まる前のことを考えたいと思います。
前のシーズンに予想外のプレーオフ進出を果たしたニックスの昨オフの大きな目標は、「スタメンPGの獲得」でした。これは、大きく飛躍したニックスにおいてPG(?)のペイトンだけがいまいち微妙で、年齢も高く怪我がちなローズにかなり無理をしてもらわなければいけないという台所事情からでした。
しかし、この目標には大きな疑念があったことを忘れてはいけません。それはプレーオフでホークスにボコボコにされてしまったこと。たしかに、プレーオフにホームコートアドバンテージを持って出場できただけで大健闘ですが、正直勝てる気はあんまりしませんでした。
「可能性は感じたけど、本当にこのまま全ベットでいいのか?」
おそらくあのプレーオフが終わった後、ニックスファンが心のどこかで思ったことではないでしょうか。
そしてそれはおそらくフロントも同じだったでしょう。
「ほんとにこのコアでいいのか?できることならもう1シーズン、真価を確かめたい」
そこでフロントは次のような手に出ることにしました。
ニューヨーク出身でオールスターではあるもののクエスチョンマークの大きいケンバをミニマム契約。そして、フォーニエを安くはないものの放出できなくなるほどではない額で契約。
こうすることによってニックスは、
「うまくいけばこのままのチームで成功でき、もしうまくいかなくなってもいつでもこの時に戻ることができる。」
という状態を確立させました。
そして今シーズンが終わり、結果としては言うまでもないと思いますが、うまくいかなかったということになりました。
観点2: 今オフの目的とは
では、昨シーズンの結果をもとに今オフの目的とはなんだったのか。
それは「スタメンPGの獲得」
去年と全く同じ。というより、もう一回去年した判断をし直すという感じ。
ここだけ読むとめちゃくちゃネガティブに思えますが、そもそもフロントとしては去年からこうなることも見越してたわけです。
その証拠にフロントはシーズン中の早い段階から今オフの目的を見定め動き始めていました。
ジェイレン・ブランソン獲得に向けて。
そして、それらの行動が功を奏し(?)実際に獲得に成功しました。僕は個人的に現フロントのこの一貫性ある動きをとても評価しています。
そしてそこにきてミッチェルのトレードが盛り上がりました。
なにをここまでこんなに長々書いていたかと言うと、この状況においてミッチェルがいらない理由を明確にしたかったからです。大きな理由は2つ。
①そもそもピュアなPGではない。そして、そのポディションとしてはブランソンを獲得したため枠が埋まっている。
②そして、そのブランソンとのフィットがイマイチそう。特にDF。サイズのない2人をカバーできるほどニックスのDFはよくないし、そもそもそんな作戦はカルチャーにフィットしない。
つまり、追加で急にきた魅力的なものに惑わされず当初の計画通りに遂行させたというわけです。よくスターバックスなんかでコーヒーを頼むと追加のフードを提案されますが、ニックスはあれをしっかり断ったことになります。そもそも勉強するつもりでスタバに来たのに、お腹いっぱいになって眠くなってしまったら本末転倒。
もちろんドノバンミッチェルのスター性を完全に無視するわけではありませんが、そういった意味ではかなり賢い選択だったのではないかなと思います。
観点3: RJの延長契約が意味すること
そして最後。今回のオフシーズンで僕が最も嬉しく感じたのはやはりRJの再契約でした。
僕は彼と同級生ということもあり、かなり贔屓目に見ていますが、彼の可能性や現状どうこう以上に、今回の契約の意味は大きかったのではないかなと思います。というのも、今回の延長契約はフランチャイズとして一貫性を持った方向に進みだしたファーストステップだと思ってるからです。
ここで、一般的に考えられている理想的なフランチャイズをまとめます。まず、ドラフトで有望な若手を獲得。そしてその選手を柱として、優勝のために必要なものを付け足していく。
ここで重要なのは、あくまでも柱となる選手(必ずしもエースでなくてもよい)はドラフトし、自前で育てた選手である必要があるということ。過去の優勝したチームはほぼこれに当てはまります。これには選手のロイヤリティやファンの一体感、はたまた契約の問題などいろんな理由があると思います。
ニックスはここ20年間パッとしないシーズンを送ってきたわけですが、僕は1番の理由は「一巡目選手の延長契約をしないことによって、いつまでもチームとしての柱ができなかった」ことにあると思います。
もし今回のミッチェルとRJのトレードが成立していたら、また同じことが起こっていました。そういった意味でも、僕はRJやミッチェルの実力がどうのこうのという話以上に、この再契約は大きな意味があると思っています。
最後に
ちなみに言っておきますと、僕は今回のミッチェルのトレード、キャブス側から見てもかなりうまくいったと思っています。でもそれはあくまで、自前でガーランドやモーブリーなどの柱になれそうな若手をドラフトし、育てたからという前提があっての話です。ニックスもまずはその確実な柱を作ることが大事なんでしょう。
最後に、慶応義塾大学の塾長であった小泉信三の言葉を引用させていただきます。
「すぐに役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」
自分たちの柱は気長にゆっくり育てていきたいですね。
GO Knicks!