20241027 目的を決めて集中・熱中するということ
我々はなんとなく生きているとつい、「何かをやっていたけど結果的に何もやっていなかった」という過ごし方をしてしまう。
この理由は、外乱による興味の移行である。
例えば、趣味のAについて調べてまとめていたけど、ついパワーポイントの”最近開いたファイル”を見てしまったために、仕事のBが頭をよぎり、いつの間にかBについてネットで調べている、などであり、こういった事例は枚挙に暇がない。
そんな風にまるでマルコフ連鎖の状態遷移のようにやることを変更していたのでは、「何かについて頑張っているのに年月が経っても何も状況が変化しない」という始末になる。
いわば人間は何らかの制約によって、自分を縛らなければ何も残せない存在であると言えよう。その制約は、例えば仕事のプレッシャーであったり、他者との約束であったり、受験勉強などのコストをかけた短期・中期的な目標であったりする。
従って我々はどうすれば良いか。
それは目的・問いを決めてそれに答えるということである。
一度を目的・問いを決めてしまえば、それが終わるまではやめることが気持ち悪くなり、終わるまで集中してしまうだろう。もしその目的・問いが大きなものであるならば、分割することで数時間〜1日の単位で答えられるものにするのも良い。
このように目的・問いという制約を設けることで、明確に自分の歴史を積み上げることができるだろう。
それはトップダウン的な「何らかの明確な目標に対しての積み上げ」でもよいしボトムアップ的な「前までの自分にはなかった新しさの積み上げ」でもよい。
前者は「悪い状態から良い状態への変化」であるし、後者は「単純な状態から複雑な状態への変化」となり、どちらも自分の人生の充足度を上げるものとなる。[1]
目的・問いを決めてそれに答える。それ以外のことは敢えて排除しそれに答えることだけに集中して答えを作る。こうした特定の目的に準じたバイアスを持った情報収集(物の見方、情報圧縮的な写像、全射)を積み上げることが、やがて俯瞰した見方と実りのある歴史を我々に提供してくれる。
[1] : ALIFE | 人工生命 より生命的なAIへ, 岡瑞起, 2022, https://bnn.co.jp/products/9784802511261