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majority blues

以下最近体験した4つのことを通して感じたことなど。
①「みんなの学会」
②鈴木悠平さんのnoteを読んだこと
③戸田真琴さんのnoteを読んだこと
④幡野さんの写真展

①昨日「みんなの学会」を観覧してきた。
「みんなの学会」は聾者も健聴者も一緒に楽しめる学会で、今回が第一回目だ。
聾者の方の日常とその中で感じている生きづらさを少しだけだが感じることができた。

発表の仕組みは以下の仕組みだ。
発表者が健聴者の場合は、隣で手話通訳士の方が通訳を行い、発表者が聾者の場合は自信で手話を行いつつ発表を行い、さらに内容を聞いた方がキーボードを叩き文字で発表内容を入力し、スクリーンに映す。
そして、発表の前はライトを調節し、発表者だけにスポットが当たるようにすることで視覚的に伝わりやすいように工夫されていた。

研究発表の中で、特に筑波大学大学院の設楽さんが修士の時に研究されていた、陸上競技のスターティングブロック(スタートする際足元を置く装置)の研究が印象的だった。
通常、聾者にはスタートが、ピストルの光で分かるような仕組みになっているらしいが、スターティングブロック触角刺激を加えることにより、さらに分かりやすくなり、盲者(や四肢に障害がある方にも、だったと思う)にも使えるような仕組みを考えたとのこと。正にユニバーサルデザインだと思う。
ちなみに、聾者はパラリンピックには出場できず、代わりにデフリンピックというとのがあることを知った。

半数が聾者で構成されているパフォーマンス集団「きいろぐみ」のパフォーマンスも見ることができた。きいろぐみの方達が手話で歌っていた「手話はぼくらの」という歌が1番印象に残った。
みんなと居ても周りが何で笑っているのか理解できない、近くにいる愛しい人の言っていることが分からない、聞こえないけど恋したい…そんな気持ちが込められた叫びのような歌だった。

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あと、中心のキャストの中嶋 元美さんの表現力が素晴らしくて始まってからすぐに魅了されて終わるまでずっと釘付けだった。聞こえない声が聞こえてくるようだった。
手話通訳士/コーディネーターの南 瑠霞(るるか)さんの激しさは会場を盛り上げるのに一役も二役も買っていたと思う。

今はまだつくばだけだが、ここからどんどん拡がっていき、世界を変えていくだろうなと思った。


② 鈴木 悠平さんが書かれた、男性と女性の差異に関するnoteを読んだ。

https://note.com/yuheisuzuki/n/n51b8615d51b8

「82年生まれ、キム・ジヨン」を通して意識した、自分が、社会で優位的だとされる男であることについて感じたことが書かれてある。

僕も男が優位な部分は日常生活でも多分に多いと感じるし、というか、妊娠をしたら会社を休んだ後復帰しづらかったり、いつどこに潜んでいるか分からないセクハラの恐怖だったり女性を生きづらくさせることが溢れ返っているんじゃないかな、と思う。

自分が勤めている会社には有給休暇の中に、「生理休暇」というものがあるが、上司が男性だった場合、せっかく用意されていたとしても、当人にとっては使いやすいものではないだろうなと思うし、医学部の受験で公正に判断をしていなかったことがあったように、気付かない内に下駄を履いていることもたくさんあるんだろうと思う。就活やこれからのキャリアを考える時も、先のことを考える(必然的に考えなければいけなくなる)のは女性の方が多いのが現状だろう。

僕は昔から男が生きることの意味ってあるのかな、と思うことがよくあった。子どもを産むことができるのは女性だけだし、受精には精子が必要だと言っても、今は科学の進歩によって卵子から精子を人工的に作り出すことで女性一人でも受精できるようになりつつある。
そんな中で、人間が作った社会的システム以外に、男であることが役に立っていくことがこれからあるのだろうか。

少し話がずれるけど、将来子どもができたら、よくある女性に任せっきり、という形にはしたくないと思っている。その時に自分がどういう立場にいるか分からないが、間違っても子育てを「手伝う」という感覚には決してならないようにしたい。(自分の子どもを育てるのにイクメンっていう風潮もなんだかなぁと思う)


③戸田真琴さんが執筆された「あなたの孤独は美しい」という本に寄せて書いた、彼女がAV女優になることを選んだ理由についてのnoteを読んだ。

https://note.com/toda_makoto/n/n89e907f3d85d

戸田さんを知ったきっかけは別のnoteだったのだが、最初文章の書き方の上手さ/おもしろさから、普段物書きとして働いてる方だと思ったが、プロフィールを読んでからAV女優であることを知った。
彼女がAV女優になった大きな理由から始まり、人生において選択肢を選ぶときの理由は圧倒的なたった一つ、だけではなく、だんだんと色んな理由が重なっていくこと、そしてそれが自分の道を生きていくようになることだと述べられていた。
改めて人生の多様さと、そのおもしろさを知ることができた。

※余談だけど自分の中でこの世で1番尊敬できる職業の一つがAV女優だ。星野源も「よみがえる変態」の中で書いていたが、今やお金が稼げるからという理由だけで業界に入る人も少ないだろうし、世間の目も決して温かくはないと思う。そんな中AV女優として頑張っている方達は本当に尊敬する。


④幡野さんの写真展「幡野 広志のことばと写真展」に行ってきた。
雨が降っていたが、最終日だったこともあり、会場はお客さんでいっぱいだった。優しいことばと写真の数々で目の前の世界が一気に温かくなった。言葉を読んだ時にすぐに涙が出てきたが、同じように涙を浮かべている人が何人もいた。

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ぼくは写真のことは全く分からないが、よく見かけるかっこつけた写真ではなく、嘘のない写真であるところがいいなと感じることはできた。
正直、今までカメラが趣味だという人があまり好きではなかった。けど、幡野さんを知ってから、僕が嫌だったのは写真を撮るという趣味や高額のカメラを押し付ける人だったことが分かった。「カメラが趣味な人」ではなく「カメラが趣味な嫌な人」が嫌だったのだ。

前回「優しい写真展」に行った時は話しかけられなかった幡野さんにサインを書いていただいた際に少しだけお話できた。自分も含めたくさんの人が並んでおり長い時間書いていたと思うけど、それでもそれぞれの人と話をしていて、画面や言葉を通して想像していた通りの暖かい人だなぁと感じた。
あと、はたの喫茶のメロンクリームソーダがとても美味しかった!人気すぎて、アイスクリームが切れ、店員さんが急いでアイスを買いにいっていた。

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今回発売された「なんでぼくに聞くんだろう。」は、がんを患ったことをSNSで公表したところ、人生相談が来るようになり、それがほぼ日の企画になったものが、今回本になったものだ。
Cakesでも見ていたので、知っているものもあるけど、改めて本でまとめて読もうと思う。

幡野さんは僕の中にいつの間にかけられていた呪いを今まで言葉の銃でいくつも解き放ってくれた。
詳細は覚えていないのだが、幡野さんが以前仰っていた(cakesかnoteか定かじゃない)中で印象的だったのが、ある日公園でお子さんと遊んでいたとき出会った4歳の女の子の話。
病気により亡くなられたその子のお父さんが、亡くなる前、これから天国で見守っているよと(その子に)言っていたんだよ、という話を女の子がしてくれたのを聞いて、「そうだね。きっと見守っているよ」と返された、というものだったと思う。(正確ではないので、判明したら修正する。)
「否定の言葉が来た時に負けないよう、肯定することが大切だと思う」とおっしゃっていたことが心に響いた。


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この話を聞いてから、人のことはもちろん、できるだけ自分のことも意識的に否定しないようにしている。いつの間にか自己肯定感が低くなったことを自覚しているので、他人の言葉に負けないよう、意識的に自分の言葉で自分を認めたい。


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世の中は広くて本当に複雑で、人の在り方も様々。それに比べて僕は僕の辿ってきた人生しか知らないし、僕の知っている世界はあまりにも小さい。
元来、自分は人とは違った意見を持つことがよくあったが、会社を辞めて大学院に進学しようとしている今、自然とマジョリティとマイノリティの見えない壁を意識するようになった。
僕達は普段どうしても自分本意で考えがちだけど、自分の考え方だけでは恐らくこの世界のことは理解できず、問題も解決できないようになっているんじゃないかと思う。
それぞれの人生にそれぞれの生き方、幸せ、生きづらさがある。そして生きづらさは目には見えないことも多い。それぞれの生き方や幸せを否定せず、生きづらさを解消できるよう少しでも優しい世界になるように貢献したい。そういう意味でも、会社を退職して大学院に進学することを考えて良かったなと思う。

とりあえず感じたままに書いた。ちょっと長い^^;

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みらい
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