#45 Part of You
「別れている間に思ったことがあるの」
僕たちが喧嘩をする時は、いつも車の中のような気がする。
彼女は、ずっと前を見据えたまま、話続けた。
「別れた時、少し気持ちが楽になった自分が確かにいたんだよね。仕事が忙しいし、週に一回会うのも、ちょっとしんどいな。って思うことが増えてきて。でも、別れてから、なんだかちょっと違うなって思った。一緒にいない時間の方が長いのに、一緒にいる時間の方が私が私っぽくて、、うまく説明できないんだけど、、あのーあれ、前にデートした時に言ってたヤツ。『パートオブミー』。」
泣き出しそうな彼女の顔を、僕は見るのが大嫌いだ。
僕は彼女に「右手、グーにして」と言った。
グーになった彼女の手を、僕は上に持ち上げた。
「我が生涯に一片の悔いなし」そう言いながら彼女は泣いて、笑っていた。
パートオブユー。
僕の彼女。
「」