オペラ「トスカ」 ジャコモ・プッチーニ

初めて大人のオーケストラに入った曲
バンダ(舞台の裏側)でチャイムやったり効果音やったり楽しかったけど、本当に訳もわからず手伝いに入っていっぱいいっぱいだった。笑

まずオペラってどんなの?から入るレベルの超初心者に、今まで見たことがないくらいの最低音のチャイムの音をキーボードで出せという。
下の五線譜を突き抜ける勢いのEの音は、実際にその音をチャイムで借りようとするとそれだけで30万は下らないレベルの希少なチャイム。
それをキーボードで出せと言う。用意したのは団員くん。
チャイムは叩いたらそのあとは減衰するけれどキーボードは押してればその間ずっと音が鳴りっぱなし。
音と言うよりもはやノイズ。なんでこんな音を指定したのプッチーニさん。

今ならわかるけど。その音が、冥界からの合図。
トスカの死を、不穏を、聞こえなくてもわからせる為のものだったんだなあって。

私の出番は4回くらい。
プロオケに所属していた打楽器の先生(お恥ずかしながら、私はプロオケの人を全く知らなかったのだけど、本当に気さくでずっと酒の話をしていた笑)
他県から引っ張り出された可愛らしい女の子の打楽器奏者ちゃん
二人に教えられながら、なんとかちゃんと自分の出番をまっとうできたけど
もうなんか、これは太鼓の達人的な
楽譜にこうあるからこう叩け、的な、音楽に入り込めない感じで

歌の方々のパワフルな歌に
オケピに入ってるみなさんに
ただただ圧倒されるだけの演奏会だった。


トスカってどんな話?(すっごく簡単に)

トスカは綺麗で有名な歌手のお姉さんで信仰心の強い人。
その恋人、カヴァラドッシさんは貴族で画家さんで無宗教の人。

カヴァラドッシさんは脱獄した政治囚の逃亡を手助けして死刑宣告され、その死刑宣告をする警視総監みたいなスカルピアさんがトスカさんの訴えを聞いて「俺の女になるなら明日の死刑やめてやるわ、空砲打ってやるよ」と言い
トスカさんはスカルピアさんの言い分を聞き入れるふりをして殺す

でもスカルピアさんは死刑をやめる気はなくて部下になんも言ってなくて
トスカさんはカヴァラドッシさんに「空砲だから倒れるふりしてね」なんて言ったけど
実は完全に実弾でカヴァラドッシさん死亡
最初は倒れるの上手って言って喜んでたけどほんとに死んでて絶望
スカルピアさんの部下が、トスカさんを殺人罪で逮捕しようとするけれどトスカさんはお城の屋上から身を投げる

っていう悲劇。


これを間近で見ていた初心者ゆきた
オペラの愛憎劇って蠍座的なーとか思ったり
昔の貴族の人たちは刺激が欲しくてこういう悲劇を求めてたのかなーとか思ったり、歌の皆さんの体から、魂から出るお声に震えた

チャイム(チューブラーベル)たちは
朝を告げる鐘の音であり
カヴァラドッシさんの死刑を告げる音
鐘は教会にあるもの、西洋でクラシックだからキリスト教の思想が根底にあるから
「合図」であり「区切り」であり「死」なんだよね
ってのに気づいた。

指揮者さんの「鐘の音は三位一体を表してるんだよ」と言う言葉が
頭から離れなかった
チャイムの音を3、4、5のリズムで表現するのだけど
それすらもキリスト教の教えと重なっていると言われ
音楽ってすげーーーーーーって思ったし
それからそれぞれの楽器の音の意味、ってのに気を使うようになった。

西洋占星術ともつながる、数秘術ともつながる何かだなー。
ってぼんやり思いながら
あっという間に本番は終わりました。

いいなと思ったら応援しよう!