エディージャパン カナダ戦レビュー
日本 55-28 カナダ
(前半 38-7)
【試合内容】
エディー第2次政権でのテストマッチ初勝利。
連続トライを奪うなどテンポのいいフェイズ攻撃が機能してゲームの入りがよく、前半途中までは圧倒。
しかし、アタックでのハンドリングエラーが目立ち、特に後半は随所にそれが出て波に乗れなかった。
また、後半は相手に持ち味を出され押し込まれる時間帯も多く連続トライも許して我慢の展開に。
ゲームコントロールには相変わらず課題を残し、序盤で大差をつけながらも、難しい時間帯もあり、結果的に落ち着かない試合となった。
日本は序盤からテンポよくつなぎ、相手のセットより早くボールを出してゲインラインを切る。4分に連続アタックからWTBマロ・ツイタマがブレイクして先制トライを挙げると、7分にも勢いのある攻撃でLOワーナー・ディアンズがトライ。
22分にはWTBマロ・ツイタマのランを起点にFB矢崎由高からFL下川甲嗣がトライを奪うとPGを挟んで、28分、30分にもトライを追加。一気に38点の差をつける。
次々とスコアを重ねる日本だが、ブレイクダウンへの寄りやハンドリングエラーに課題を残し、37分には自らのミスから相手に走られて失トライを喫した。
前半は日本が38-7とリード。
後半も日本は早々に連続アタックからLOワーナー・ディアンズのオフロードにFL下川が突破して、最後はSO李承信がトライ。
しかし、そこからはカナダに押し込まれる時間帯となり、45分にはターンオーバーを起点に近場を力強く突かれてトライを許すと、50分にはラインアウトからきれいにブレイクを許して失トライ。その後もフェイズを重ねられるなど迫られるがなんとかしのぐ。
日本もアタックの時間帯をつくるがハンドリングエラーを連発し、好機を得られず。流れが良くないなか、68分にアンストラクチャーからWTBジョネ・ナイカブラがエッジをブレイクしてようやく後半2トライ目。
80分にはカナダにもう1トライ許す。相手が自陣からつないできた終了間際には途中出場のWTB長田がインターセプトからトライをマークして試合を締めた。
【AT】
自陣からつないで前進するなど、序盤からテンポのいい連続攻撃をみせ、各選手が鋭く走り込んで確実にゲインを創出。
前半は次々とスコアを重ねて圧勝ムードだったが、徐々に勢いを失うと、後半は特にハンドリングエラーが目立ち停滞。
前半はスキルとスピードで相手を上回ったが、勢いに乗れなかった後半は上手くゲームコントロールが出来ずに、相手に押し込まれるシーンも目立った。
【DF】
前半の失トライなど自らのミスからスコアを許すのは相変わらず。
ラインスピードを保ちながら、ダブルタックルで止めるディフェンスは一定の機能をみせるが、当たり負ける局面や簡単にブレイクを許した場面もあり、まだまだ安定感はない。取られるところは取られるという印象。
結果的に4トライを喫し、これまでのテストマッチ4試合はいずれも25失点を超えた。
【セットプレー】
スクラム、ラインアウトにおけるセットプレーは全体としてマイボール確保には一定の安定感があり、起点にはなった。
ただし、強さをみせる見どころはなく、特にフロントローが全員入れ替わった直後のスクラムでのペナルティは残念だった。
【その他】
10番を務めた李承信は被ターンオーバーが最多の4を数えた。敵陣でのアタックでエラーを繰り返したチームにおいて安定感を欠いた。前半の自陣での危ないキックパスなどプレー選択にも課題を残した。
後半は悪い流れで相手に持ち味を発揮された印象だが、日本はリザーブから投入された選手の機能感がなく、流れを変えられなかった点も痛かった。
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エディー・ジョーンズHCは、
「前半に関しては我々が目指しているラグビーがうまくできていた部分が多かった」「フィジカル面も見せられましたし、ボールを動かし続けることもうまくできた」と話したが、
「若い選手が多いこともあり、前のめりになるシーンが多く、特に後半はボールコントロールができないシーンが多く見られた」と課題も語った。
また、「前半は集団的なスピードを持ってプレーできていた。私は集団的なスピードで日本は世界一になれると思っている。後半に関しては集団的にプレーするには停滞した印象がある。これを80分間やり続けることが目標だが、80分間やり続けることは今後も難しい場面があるかもしれない。選手間のコミュニケーションをより深めていかないといけないし、よりコンビネーションを深めていかなければならない」
「後半フィニッシャーが入る時点である程度点差があると、選手たちは簡単なプレーをしがちになる。テストラグビーにおいては、基礎的な部分を丁寧にしないといけない。そういう簡単なプレーがつまらないペナルティにつながってしまう。若いチームにとっていい学びであり、今後修正していかないといけない。一貫性は課題。試合中どうしても興奮してしまうシーンがある。矢崎が無理にパスを通そうとつまらないミスをしたが、はっきり言えばテストラグビーではしてはいけないミス。今後学んでいかなければならない」と。
ゲームキャプテンを務めたHO坂手淳史は、「立ち上がりはハーフ団がいいリードをしてくれたが、不用意な反則がいくつかあって、流れを失ってしまった。これからは前のめりにならず、足をためることも考えていきたい」
主将のSO/CTB立川理道は、「前半は一人ひとりの役割も明確で、相手のフィジカリティに自分たちのスキルとスピードで対抗し、自分たちのやりたいラグビーができたと思う。後半は修正しないといけない点があったが、次に学びを生かして、80分通して自分たちのラグビーをできるように修正していきたい」と話した。
初勝利を挙げた一方で、またまた課題が多く見つかったゲーム。
次戦は9月7日、世界ランキング19位のアメリカとの第2戦。
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