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JAPAN XV マオリ・オールブラックス戦 第1戦レビュー

マオリ・オールブラックス 36-10 JAPAN XV
         (前半 17-5)

【試合内容】
JAPAN XVは幸先よく先制トライを挙げるも、その後は再三の好機をスコアにつなげられず。
ループや階層を使ったアタックで序盤からラインブレイクを生み出し、反則も誘って好機を得るも、エラーもありトライを積めず。
好機でのノットストレートや18分のWTBヴィリアミ・ツイドラキ(トヨタV)のプレーは物足りない。

逆にマオリ・オールブラックスは決定力をみせ、敵陣深くに入れば着実にトライをつなげてスコアを重ねる。
結果的にJAPAN XVが取りあぐねている間に連続で6トライを挙げて突き放した。

JAPAN XVは後半も敵陣でフェイズを重ねる時間を得たがエラーが目立った。ようやくの追加トライは80分だった。
スクラムは素晴らしく、相手を押し込むなどこのゲームの軸となった。
ディフェンスは好機をスコアにつなげられた感は否めないが、一定の対応力は披露し、ブレイクダウンターンオーバーをみせるなど局面では光った。

【AT】
イングランド戦同様に序盤から勢いのあるアタックをみせた。ハーフからのループや細かいショートパスを使った階層のある素速い攻撃で片鱗をみせた。試合開始からSO山沢拓也(埼玉WK)、FB矢崎由高(早稲田大2年)が連続でラインブレイクに成功するなどいいかたちをつくり、前半6分に敵陣深くのラインアウトを起点にHO原田衛(BL東京)が先制トライ。
しかし、その後は敵陣に入っても、再三の好機を活かせず、課題の決定力不足が露呈。
敵陣深くでのラインアウトのノットストレートやWTBヴィリアメ・ツイドラキ(トヨタV)の防がれたシーンなどトライにつなげられず。相手がシンビンを出した時間帯も、数的優位を生かせなかった。
相手がペナルティを15数えるなか、チャンスを活かし切れず、ようやくの追加トライが生まれたのは80分だった。
後半だけみても、敵陣でのフェイズアタックでは自らのハンドリングエラーで6度もマイボールを失った。

【DF】
ラインを狭く揃えてダブルタックルで止めるディフェンスは8分のシーンなど大外でのブレイクはあったものの、総じてしっかりとした対応をみせた。49分にはタックルからジャッカルといった素晴らしい局面もみられるなどターンオーバーも披露。ディフェンスラインを完全に突破されたのは69分のトライにつながったシーンくらいだった。
それでも、22m内への進入を許すと相手の力強さにトライを許し、好機を確実にものにされた感は否めない。また、ボールを失ってアンストラクチャーからトライを許した61分の場面や、キックミスのペナルティからトライにつなげられた43分のシーンなどはそこまでの過程も問題だ。

【セットプレー】
スクラムは非常に素晴らしく、5回も相手の反則を誘うなど高い出来を示した。まさにこの試合の軸となり、この点差に終わったのもスクラムの貢献が大きい。後半にフロントローが代わっても質が担保された点も高評価。
一方でラインアウトはまずまずも、5度のロスト。また、終了間際にはトライにつながる働きを披露したものの、試合を通してモールを押し切れず、ターンオーバーをくらうシーンもあり機を逸した。

【その他】
アタックにおいて様々な場面に顔を出したWTB根塚洸雅(S東京ベイ)は印象的な働きをみせた。
また、攻守に光る働きをみせた矢崎を筆頭に大学生4人が登場するなど可能性を秘めた選手が経験を積んだ点は大きい。

試合後、エディー・ジョーンズHCは「フラストレーションが溜まった、悔しいといった声を選手たちから聞いた。最終的にはわれわれの力が及ばなかったことに尽きる。敵陣22m内に11回入ることができたが、フィニッシュまでに至らなかった。マオリ・オールブラックスは7回しか侵入していないにも関わらず、すべてのチャンスを生かしてポイントに変えたことが勝負を分けた。アタックでうまくいったシーンもたくさん見られ、自分たちがやりたいスタイルのプレーを良く学んで、実現できたシーンもあった。今後はトレーニングでクオリティを追求し、時間と共に精査されると信じている。選手たちの努力はとても誇りに思うが、同時に負けたことがとても悔しく、残念で、怒りも感じている」と話した。

試合を通してのスタッフを比較しても見劣りはない。
好機を創出するアタックは一定みられているが、スコアにつなげる決定力は課題として大きい。攻撃の終わらせ方が非常に重要だ。
次戦に期待したい。

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