(vol.13) 『サポータータイプ』との効果的なコミュニケーション。
選手との関係性を深めるために。また、選手の潜在能力を最大限引き出すために。その効果的なコミュニケーションをタイプ別に書いていきます。
今日は『サポータータイプ(援助型)』についてです。
どのような人がコントローラータイプに多いかということと、コントローラーが好むアプローチについて説明します。
(※タイプを決めつけたコミュニケーションは逆に関係の悪化につながる可能性があります。「タイプ分け」は、あくまでコミュニケーションの判断基準であって、相手を理解し尊重することを助けるものです。人によってどんなコミュニケーションが効果的なのか常日頃から考えることが重要です。)
コミュニケーションタイプについて書いてあるのはこちら👇
1.どんな選手が『サポータータイプ』に多いか
実は4つタイプは行動パターンから推測できることがあります。
『サポータータイプ』の行動としては、
●リアクション → ややゆっくり
●話す速さ → ゆっくり
●話の長さ → 前置きが入る、すべてのことを話すので、長い
●声の調子 → 穏やか、温かい
●表情 → 優しそう
●姿勢 → うなづき、あいづち
●話の話題 → 仲間やチームワークについて
●スタンス → 期待に応えるように話す
以上のことが挙げられます。
また、初めての共に活動するチームでは、サポーターはもっぱら聞き手に回ります。相手の期待に応え、伝えることがアイデンティなので、
□「私はあなたの味方ですよ。」
と発信しています。
周りの様子をつかんでからでないと発言できないので、
□微笑みをうかべる
□誰をも非難しないように気を配り、くどくどと話す□話の内容より、その場の雰囲気に気を配る
などの傾向があります。
以上の行動があてはまる選手はサポータータイプの確立が高いかもしれません。
2.サポータータイプの特徴
以下特徴をまとめます。ざっと言うとこうです。
『人間関係がなにより大事サポータータイプ』
人を援助することを好み、協力関係を大切にするタイプ。俗にいう良い人です。周囲の選手や監督の気持ちに敏感で気配りに長けています。一般的に人が好き。自分自身の感情は抑えがちです。また、仲間や監督から認めてもらいたいという欲求も強いのが特徴です。直観力があり、人の心を読むことが得意です。結果よりも人優先で、リスクを冒すことは苦手です。決断に時間がかかる傾向があり、対立は避けます。ノーとは言えない選手です。人間関係のまとめ役を自然と担ってることがあります。無意識に仲間からの感謝や愛情を求めています。
チームにこのような選手を思い当りはしませんか?どのチームにも数名いるのではないでしょうか。
これからサポータータイプの選手が好むアプローチを説明します。
※ちなみにサポーターのキーワードは
感謝 合意 貢献 承認
ねぎらい 平和 調和
です。
3.サポータータイプの選手が好むアプローチ
サポータータイプが好むアプローチとして、場面ごとに説明していきます。コンパクトにまとめますので参考にしていてください。
〇情報提供○
プロセスから丁寧に、一つ一つ合意をとりながら伝えていく必要があります。伝えて、あとは自分で判断しろ、というスタンスでは、選手は迷い行動が止まることがあります。情報を提供したら、選手と一緒に解を考えたり、仲間と一緒に考えさせたりするといいです。
〇提案〇
あくまでも合意を大切にすることがサポーターですから、複数の選択肢を提案して選んでもらうより、指導者自身の意見をそのまま提案してもいいです。選手はできる限り意見を取り入れて、合意点を見つけようとします。「この方法なら、他の仲間も納得してプレーがうまくいくと思うよ。」など。
〇質問○
サポーターは、つい監督や仲間の期待に沿った回答をしてしまう傾向にあります。なので質問するときは、気遣いを先に示し、選手を肯定し、安心感を与えることです。「疲れてそうだな。いつも頑張ってるしな。休めてるか?」「今日、調子良さそうだな。どんな目標を立ててプレーする?」など。
〇要望○
サポーターは「Yesマン」です。そのことを念頭に置いて無理がないように要望しましょう。「こんなプレーをしてくれるとこのチームはとても助かる!」といった表現で要望されるとめったなことでは断りません。また、本当はできないのに「Yes」と答えることがあるので、確実に結果に結び付けたい時は、「そのために手伝えることはあるか?」など気を配ることも大切です。
〇任せる○
丸投げしないように。「自分に関心がないのではないか。」「何かまずいことを俺はしたか?」など思ってしまいます。なので、頻繁に声をかけながら「どうだ?今どんな感じ?」「挑戦してみてどう?うまくいってるか?」「プレーしてて難しかったら、いつでも力になるぞ!」など効果的。
〇目標の提示〇
目標についてどんなことを感じたり思ったりしているか、気持ちを丹念に聞きましょう。選手にとって「少しきつい」という思いが指導者にも言えると、貴重な経験です。「無理しなくていいからな?ちょっときついか?」「何か困ってることない?遠慮なく言ってな。」など。胸のつっかえが消えたサポーターは、コントローラーやプロモーターよりもエネルギッシュになります。
〇選手からの意見○
前置きがあり、意見として話が長いことがありますが、自分が考えたプロセスこそ聞いてほしいと思っているので、忙しくても手を止めてきちんと聞いてあげましょう。その時に選手の尽力と貢献を承認して「そうか!よく言ってくれた。助かるよ!」「なるほど。伝えてくれてありがとう。」など言うと、自分の貢献が確認でき、次もまた頑張ろうと思えます。
〇ほめる○
結果を誉めるより、過程から貢献に感謝すると効果的です。「すごい!」「さすが!」というより、「サンキュー!」「いまのプレーはチームにとってとてもうれしいよ」など、チームの役に立っているという言葉が良いです。
4.最後に
シチュエーションは様々なので、以上を参考にしながら、サポータータイプに応じたコミュニケーションを探ってみてください。
冒頭にも述べましたが、「あいつは〇〇タイプだから」などの決めつけは良くありません。このタイプ分けは一つの判断基準として選択肢に入れておき、指導者は選手一人ひとりに応じた効果的なコミュニケーションを見つけることをお勧めします。
それでは今日はこの辺で。
明日は『アナライザータイプ(分析型)』について説明していきます。