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「生きてる」と「死んでない」の違いって

中国のおばあさんの言葉にうなずく

去年のことだが、テレビで”月曜から夜更かし”を見ていたら中国ロケをしており、どこかの公園にいた痩せたおばあさんが「長生き?もう、生きてるっていうより、死んでないだけだよ」と言って大笑いしていた。

さすが人生の達人は上手いこと言うなあ。「生きてる」も「死んでない」もどちらも生存しているという意味では同じなのだが、ふたつの言葉の間には深い深い溝がある。「生きてる」は自らの意思と力で生きており、「死んでない」は自分の意思とは別に残された命を全うしている感がある。

「生きてる」と「死んでない」の違いは3つ

まだ、年寄り扱いされる年齢ではないと思うが、人生すごろくのアガリが見え始め、老後を見据える年齢になると、どうしても「生きてる」と「死んでない」の違いを意識せざるおえない。非常に個人的な意見だが、その違いはだいたい3つに要約できると考えている。

①人と楽しく会話ができるか、できないか
②好きなものを飲み食いできるか、できないか
③行きたいところに自力で行けるか、行けないか

えっ、そんなこともできないの?と思われるかもしれないが、これがまあ年々難しくなっていくのだ。

①人と楽しく会話ができるか、できないか

私の場合、①は今のところまったく問題なく、会話を楽しんでいる。しかし、まわりには更年期などで元気のない人もいるのだ。
以前、私が通っていたスポーツクラブで言葉を交わすようになった人は、「最近何も楽しくないの。どうしても笑いたくて浅草の寄席に行って落語を聞いたんだけど、全然おもしろくなかった」と言うのだ。
笑うためだけにわざわざ浅草の寄席へ・・・。ドブロックの歌で腹を抱えて笑っているような私には想像もつかないことで、「古典落語より漫才の方がわかりやすくて笑えたかもしれませんねえ」と慰めにもならない言葉を返すのが精一杯であった。
とはいえ、私は問題ないと胸を張ってみたものの、年々記憶力が衰えており、あれも話したい、これも話したいと勇んで友だちとの飲み会に参加したはいいが、店に着く頃には何を話したかったかすっかり忘れている。または、固有名詞が出てこず「あれよあれ、あれ」となってしまい、「あーもういい」と話を続けるのをあきらめるというような、情けない事態に陥ることもしばしばである。問題なくないではないか。

②好きなものを飲み食いできるか、できないか

②については、これから深刻になる一方だ。健康診断で中性脂肪が高いと言われ「うーんお酒を控えなければいけないのか」と思い、血圧が高いと言われた友だちは「今日はラーメンやめとくか」と肩を落とす、そんな日々。

③行きたいところに自力で行けるか、行けないか

③については、腰が痛い、膝が痛い、50肩がと、やはり暗雲が立ち込めている。このままでは、恒例の友だちと行く温泉旅行に支障をきたすのではないか。ぎっくり腰でドタキャンなどと言うことは絶対に避けたい。そう思う。

LINEの締めはいつも「健康に気をつけて」

そんなことで、「死んでない」ではなく「生きてる」でいるためには、詰まるところ健康第一しかないのだ。同年代の友だちとのグループLINEがいくつもあるが、どのグループにおいてもいつも締めの言葉は「みんな健康に気をつけようね!」である。
うん、最後の日まで「生きてる」でいるために、今日もウォーキングにいってきます。




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