自分自身の専門性、市場価値とは #55
株式会社ミーミルの川口さんから紹介を受け、「NewsPicks Expert」に登録しました。
この「NewsPicks Expert」とは、「株式会社ニューズピックスと株式会社ミーミルが共同で展開する経済領域専門家のマッチングプラットフォーム」のことです。
「業界や業務における専門性のある方々の承認制のエキスパート・ネットワーク」で、「個の専門性をより広く社会に活かす」ことを目的としているということです。
登録した理由は、3つです。
まず、1つは、単純に素晴らしいコンセプトだなと思い、趣旨に賛同したことです。
これまでは、特に企業に勤めている人はその企業の中でしか自分が得た「知識・スキル・経験」などが生かされることはなく、ごく限られた世界の中に止まっていました。
それって、よくよく考えたら、ものすごくもったないことだと思います。
確かに、その企業の中で得た「知識・スキル・経験」は、その企業の資産でもあるから、その企業のためだけに使うべきという考え方にも一理あります。
しかし、一方で、それはその個人の中にあるものだから、その個人のものでもあります。そして、それが世の中に役立つものであるにもかかわらず、十分に活かされずに狭い世界の中だけに埋もれてしまっていたとしたら、それは社会的機会損失でもあると思うのです。
僕は常々、例えば、比較的大きな企業で、役員まで務め上げて、それなりに社会的地位も経験も得て来た人が退任後、隠居生活に入り、家に閉じこもっているのは本当にもったいないな、と思っていました。
こういう人は身体が動けるうちは社会に出て、どんな形にせよ自分がこれまで得た「知識・スキル・経験」を世の中に還元すべきだと、そう思っていました。
インターネットが社会的インフラとなり、全ての個人が誰でも自由に意見を述べ、情報発信ができ、世界中と容易に繋がることのできるこの時代においては、様々な手段があることから、その個人の「知識・スキル・経験」はもっと広く世の中に発信され、活用されるべきだと思うのです。それがまず1つ目の理由です。
もう1つは、自分の「専門性」とは何かということについて、これを機会に一度棚卸しをしてみようと思ったことです。
今は損害保険会社にいて、その中で保険の商品開発に長く従事して来ましたので、保険理論やリスク分析には一定の知識・経験があります。
また、今は大学でも非常勤講師として学生の皆様に保険の理論や実務をお話しさせていただいていますので、その講師としての経験もあります。
一方で、中小企業診断士の資格もあるので、経営理論やマネジメントの知見も持ち合わせています。
そして、今は併せて日本CFO協会の会員として、FP&Aの勉強もしているので、経営管理や管理会計についてもある程度は知見があると思っています。
こうやって一つ一つ自分の「知識・スキル・経験」を改めて整理してみるのにとても良い機会だなと思ったのが2つ目の理由です。
そして、最後の理由が自分にとってより重要だったのですが、こうやって棚卸しをしてみたものの、この自分の「専門性」、つまり、これまで培って来た「知識・スキル・経験」って、どこまで「市場価値」があるのだろうか、と疑問に思ったことです。
確かに保険会社や大学での経験、中小企業診断士や日本CFO協会での学びなどはありますが、それら一つ一つは、僕よりも遥かに詳しく、経験豊富な人は世の中にたくさんいると思います。
そう考えると、それって本当に自分の「強み」と言えるのだろうか改めて疑問を持ちました。
そして、それらを「市場価値」として世の中に認めてもらうとしたら、何が必要なんだろうかと考えました。
恐らく、それら一つ一つではなく、それらを掛け合わせたところにきっと「希少性」が生まれるんだろうな思いました。
つまり、
保険理論(リスク分析)× 経営理論(マネジメント)× FP&A(経営管理)+ 講師経験 = ???
ということです。
これを機会に「???」の部分を自分自身でもはっきりと明らかにしていきたい、そして、それを世の中のために使えるようにしたい、と思ったのが3つ目の理由です。
川口さんに声を掛けていただいたこの機会を活かして、自分の「市場価値」を高めるための努力と経験を積み重ね、世の中に貢献できる人間になれるよう改めて日々精進していきたいと思います。
誰しもその人なりの「専門性」あるいは「強み」があると思います。「市場価値」という表現は一つの例えですが、その人なりの社会への貢献の仕方があると思います。
皆がそのように前向きな気持ちになるといいなと思っています。