プロブレム・ソルバー #34
変化の激しい現代においては、マニュアル通りに動ける人よりも、自ら考え、判断し、行動できる問題解決者、「プロブレム・ソルバー」が求められていると思います。
そのための基礎的スキルとして、クリティカル・シンキングがあります。クリティカル・シンキングは論理的思考力を含みますが、その中でも帰納法の思考力が問題解決には有効だと思います。
つまり、物事を抽象化する力です。様々な事象または事実について共通項を括り出して整理する力です。数学でいうところの因数分解みたいなものです。これが問題の本質に迫る有効な思考法だと思います。
そして自ら考えたことを提案する力、コミュニケーション力も大事になります。どんなにいい考えでも、それが相手に伝わり、説得力を持つものでなければ、組織内で成果を上げることは難しくなります。
ところで、ある人の話ですが、先日国際通りにあるお店でランチを食べようと思い、ラーメンセットを注文したところ、店の表のメニューにキュウリの漬物がサイドメニューとして記載してあったのを思い出し、それを食べようとして注文したそうです。そうすると、店の店員は、それは夜のメニューだからと断ったそうです。
それを頼めていたら、ビールを注文しようと思っていたその人は、そのお店はこれで客単価を2倍にするチャンスを逃したと言っていました。
そして、このお店の目的は単にお客さんに「メニュー通りの料理を出す」ということで、お客さんに「料理を楽しんでもらう」ということではなかったというのが原因だろうと分析していました。
この話を聞いて、多くの企業、組織でこのような対応になっていないかと思いました。上の人間に勝手なことを許さない風潮があり、良かれと思って自分で考えてやったことを後で咎められると、自ら主体的に考えて行動しようと人は思わなくなってしまいます。いわゆる指示待ち症候群です。
アルバイトでさえもお客さんのために自ら考え、行動することを奨励し、またそれを賞賛しているTDLやリッツ・カールトンのような企業を見習う必要がありますね。
そういう企業では、自ら考え、判断し、行動できる「プロブレム・ソルバー」であることが求められているのでしょう。
大きなものから些細なもので、ビジネスは問題解決の連続です。
「プロブレム・ソルバー」としての人材力。そこを競争優位の源泉とできたら強いです。