21.12.02・16_TAGOE活動記
現在、新年あけております。いやはや、年末は展覧会をはじめ怒涛の忙殺日々を送っていました。12月2日と16日の活動記を書かなければいけないことを分かっていながら、一瞬も隙がなく新年を迎えてしまった。ので、今回は2回分を書きます。第四期「ゾンビ」の2回目と3回目です。
さて、2回目。まずは、ほんとに「ゾンビ」で良いの?キホ決まった日の夜、泣いたらしいじゃん?とか言いながら意思確認。自分もそうだったけど、怖いものって本当に嫌だったから。まぁ、でもみんないいんじゃん?みたいな感じなので、じゃあ、このままいくとする。もう引き返せないよ!ではまず、何をするか?まずは手を動かすということで、ゾンビのお面でも作ってみる?と提案。さっそく「紙ちょうだい」ということで、みんな手を動かし始める。今日は久しぶりにソウスケが来ている。ちょっと見ない間に、またお兄さんになったな。ところで今回は、ルアンが随分と乗り気だ。なぜだろう。テーマが良いのか、それとも前回の展覧会に向けてあまり積極的に動けなくて、結果自分の作品がでなかったことを悔しく思っているのか。ザクザクと紙を切り、べちゃべちゃ色を塗り、なんか作っている。こりゃ、嬉しい頼もしい。ゾンビ、良かったかも。
しかし一方で、ゾンビって結構むずかしいテーマだなと思う。いろいろ調べてみると、やはり病気や容姿の差別だったり、そういったところから端を発している。いわゆる妖怪や幽霊とはちょっと出自が違いそうなのだ。なのでゾンビをいわゆる既存のゾンビイメージのまま扱い、制作し、定着させてしまうと、それは知らず知らずのうちにそういった価値観のもと、誰かを傷つける、または将来的に傷つける可能性を生んでしまう。TAGOEのメンバーにも、これに無自覚に参加してもらいたくない。うむ、これはちゃんと考えなくてはならないな。そういったことに気づいていながらも、オモシロ系なエンタメに逃げるのもやりたくない。これは、とても倫理的なイシューであり、人と人との差異について問いかけのあるテーマだと、そうやって正面から捉えてはじめるべきだろうと思った。だけど、そこを真面目にやる動機がメンバーにあるだろうか。でも、今やらなくてはならないことのようにも思う。僕にとっても、きっとそうだ。
というわけで、12月16日の活動は表現活動に必要なインプットの日として、また前述の問題意識もあり、アニメ版のアダムスファミリーをみんなで見ることに。ゾンビを怖れて遠のけ、殲滅する内容のものではなくて、ゾンビ側の視点に立ってみようという微かな意図があった。しかし、アサキは映像狂のようで、まるでニューシネマパラダイスの有名なワンシーンを想い起こさせる表情で、映画にのめり込む。
サツキにはさらに難易度の高い、映画を見ながら絵を描いてみたら?と提案してみる。僕も初見の映画だったけど、いたるところに分かりやすく完成度の高い画が差し込まれていて、そういった描写が参考になりそうな気がした。だいたい物語に引き込まれてしまうものだけど、そうした視点、つまり美術的な視点からも映画を見てもらいたい。でもいちいち停止して、ここがさぁ!とか言うのも野暮だしなぁ。初回の「影」の時はもっとインプットしていたような気もする。あらためて共同インプットの時間を取りながら、制作していきたい。
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TAGOEサポーターマガジン
神奈川県逗子市の小学生&映像作家の山根晋によるアーティストコレクティブ TAGOE(たごえ)です。2020年の夏より活動をはじめ、毎期ごと…
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