22.03.17_TAGOE活動記
コロナに戦争。このやるせなさ、閉塞感、息苦しさ。日常のみならず、祝祭にも常にそ中身のはっきりしない影がつきまとう。人と人との接触に障害がある状態が2年も続くと、もちろんその身振りが身体のみならず精神の形成にも影響があることを感じる。いくらテクノロジーが進化しようが、それを賛美称揚し、恩恵を受けようが、いまだに戦争をはじめてしまう人類の文明とは、果たしてなんなのだろうか。
そうは言ってても、今日はTAGOEの日。みんなもぼくも未来を今日この日から作っていく。さて、今日は何をしようか。どうやら数人お休みのようで、小学校でもコロナが流行っているらしい。いっそのことマスクをキャンバスにしてみようかと思いつき、ゾンビマスクをまず作ってみることに。さっそくアサキがまさに!なマスクを作る。けど、どこか持続するgrooveが足りない。自分もアクリル絵の具でマスクに描いてみようとするけど、どうにも筆が進まない。ぼくだけかもしれないけど、なんかつまらないような。
そのうち、「ゾンビの英雄をかきたい!」ということでアサキは、もはや確立したスタイルすらある独自のゾンビキャラを白い紙に描きはじめ、余白に平安時代のかな文字のようなゾンビ語をスラスラとのせた。できあがった作品は、どこか日本的な雰囲気があって、掛け軸にすると良さそう。はからずも、「わび さび ゾンビ」に適したものができてしまった。すごい。
そうか、ゾンビ語というのを考えてみるのも面白いかもしれないな。学校が正を教えるところであれば、こちらは誤を見つけるところ、その可能性を探るところ。
前回、海へ出かけた際に、iPadでスナップ写真をバシバシ撮っていたコウノスケは、その写真を加工編集して、それを出力してみる。そこに、キホが即興で物語を当てていく。写真は写真で、わたしたちの普段の日常よりも重い重力があるような、しっかり触りのあるものだし、おそらく言葉に興味がありそれを上手に使いこなすことができるキホは、TAGOEだからできることを楽しみつつ、面白い物語を想像していく。壁に貼ってみる。これは作品になるなと思う。
そしてヒマリは、アサキの爆発を横目に、それを自分なりにリミックスをして紙に絵を描いている。ヒマリはこのリミックスに何か才能があるような気がしている。わかりやすく言ってしまうと、0から1を生み出すというよりかは、1は発展させたり、またその発展のさせ方が「気分」のような独特のゆるい感じを持っていたりと、とてもおもしろいと思っている。そこがもっと見えてくるように、今回は何を制作するか。
僕の手癖というか、選択するメディアによるというか、そういった偏りはもちろんあって然るべきだけど、もっと幅広い選択肢を見せてあげたい。僕は僕で、その偏りを深めていくしかないのだけど、みんなはそれぞれの身体と精神があって環境があって、未来があるのだから。やっぱりゲストをちょこちょこ呼ぶような設計にしようかな。どちらにせよ、どんどん変化をさせていかないとgrooveは保たれない。TAGOEは常にフレッシュでいたい。
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TAGOEサポーターマガジン
神奈川県逗子市の小学生&映像作家の山根晋によるアーティストコレクティブ TAGOE(たごえ)です。2020年の夏より活動をはじめ、毎期ごと…
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