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21.08.12_TAGOE活動記

漢字ビンゴフィールドワーク 

二週間に一度とは言え、第三期も回を重ねてきた。広大過ぎる、文字の海に、どのような船で漕ぎ出せば良いのか。実は、個人的にはそのことを決めかねている。これは結構、だめなことだと反省する。もっぱら最近は、コーチ的な立ち位置になってしまっていて、みんなのアイディアや制作力に驚きつつ激症するだけで、もちろん引き出し役ではあるが、まずもって自分が作らなければ、面白くならない。みんなはもう沖に向かっているのに、陸から大声を出しているだけでは、自己変容のない安定した場所にいては、システムとして機能はしても、芸術的活力は決して生まれない。

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今日は、第三期がはじまって室内制作が多かったので、行動と視点を変えるのも大事だろうと思い、外に出てフィールドワークをしようと思う。直前に、漢字ビンゴを思いつき、ある種ゲーム的にやってみるとする。街にある漢字を思い出して、それをマス目に書いていく。見事当たれば1点、縦横斜めの4つが揃えばビンゴでプラス3点。それを2チームに分かれて、合計点数を競い合う。若干、レクリエーションぽさがあるが、街にある漢字(その光景)を想念するという行為を基軸として、その想念、観念で生み出したものと、実際とがどう合って、どう違うのか、そういったことを体験してもらえれば良いのかもしれない。
グッとパーで別れましょを数回繰り返し、綺麗に男子と女子に分かれる。まぁこの際だから、僕も男子班に入る。今日は、ゲストサポート?で海の家Happy Go Luckyで働いているカサイさんも参加。TAGOEに少し興味があるよう。女子班に加わってもらう。2班に分かれて、それぞれ街にある漢字を想い出す。記憶をたぐるような表情が面白い。けれど、意外にまだ主体的に街を見ていないのかもしれない。いや、主体的というか、いわゆる社会生活的な情報を、自ら得る必要がまだないのかもしれない。よく前を通ったり、利用しているだろうお店などが、なかなか出てこない。(男子班のみの印象だけど)であれば逆に、何を記憶に留めているのだろうか。そのことに興味が湧くけど、それは今回ひとまず置いておく。さて、マス目を感じで埋めて、街へ出かける。おやつは、マックのシェイクにしよう。

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コウノスケ、サクタ、ソウスケの男子班。必然的に役割が決まる。コウノスケがビンゴシートを持ち、漢字が見つかれば◯を付けていく。真剣、真面目。やっぱり、最近ますます大人になったなぁと感じる。サクタは走り回って、お目当ての漢字を探す。魚屋の匂いがとても嫌いだそう。鼻を摘んで、おもしろい顔をする。ソウスケは見つけた漢字を、僕のiPhoneで記録していく。スマホ使いが大人顔負け。そりゃそうか。途中まで、僕も一緒に見つけていたけど、なんだか見つける楽しみを奪ってしまうようで、止める。しかし、街にいる人たちというのは、何かしらの目的があって、その目的やらはある程度一定なものだけど、それとは違った目的で、蝶のような気まぐれさで、(蝶にとっては合理的なんだろうけど)何かを探し求めている様子を見ているのは、なんだか愉快な気分がする。

残り4つだか3つだかの漢字をなかなか見つけれずにいると、マス目の漢字をすべて見つけたという女子班と出くわし、敗北が決定する。サクタはこっちの方が人数少ないんだから不利なんだよー、としきりに言う。「これからは、ますます女子の方が強い世の中になるよ、その中で男子は肩身狭い思いをしながら生きていかなくちゃ」という返答になっていないような事を言ってみる。3人とも、なんで?といった顔をする(笑)総勢12人でマックシェイクをのみつつ、ビルに帰る。まだ、終わりまで時間があったので、制作プランを練ったり、アサキやキホは、前回に引き続きまた自主演劇をやっている。ここでもソウスケはカメラマン。サクタは、手持ち無沙汰なのか小麦粘土をひたすら捏ねている。終了後にはみんなから嬉しいサプライズが。ありがとうー!

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神奈川県逗子市の小学生&映像作家の山根晋によるアーティストコレクティブ TAGOE(たごえ)です。2020年の夏より活動をはじめ、毎期ごと…

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