ビルバオサムネ

スペイン ラ・リーガ 第17節 アスレチック・ビルバオ VS エイバル(15.Dec.19)強豪ビルバオにサン・マメスで勝ち点を獲れる?

どうも、メインストリームを嫌う習性のあるタギリストです。僕が何故エイバルを選んだかの理由と、エイバルの登場人物を下のリンクにまとめてありますので、よろしかったらご覧ください。

エイバルはここまで4勝9敗3分、しかも4連敗して敵地サン・マメスに乗り込んできた。オレジャーナとパペ・ディオプが出場停止でアルバレスなど主力4人がフィジカルの問題で欠場し、Bチームから3人を招集しなければいけないという、厳しい台所事情のエイバル。

ホセ・ルイス・メンディリバル監督は前日の会見で「ホームでの彼らは敵陣で積極的にプレスを掛けてくる。非常にスピードがあるし、サイドから多くのクロスを上げて危険なチャンスを作っている。ホームでは守備も非常に堅い」とコメント。直接対決でも勝ったのは4年前にまで遡り、相性としてはかなり悪い。

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しかしビルバオも前節・ベティスのレジェンド、ホアキン・サンチェスにハットトリックを献上。38歳と140日のリーガ最年長ハットトリックは、なんと55年前にかのディ・ステファノが打ち立てた記録を更新した。(試合は3-2でベティスの勝利)昔から大好きなサイドアタッカーだけに僕も嬉しい。

Enhorabuena Joaquín Sánchez!(おめでとう!)

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そんなビルバオもホームに帰ってきて相性の良いエイバルに勝利し、勢いを取り戻したいところ。両チームのスタメンとサブのメンバーはご覧の通り。(引用画像はすべてsofascoreより)

無題

前半 ホームでは堅いビルバオ

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このsofascoreのattack momentum(攻撃の勢い)のグラフを見てもかなりアウェーのエイバルが押していたことがわかる。(上がホームのビルバオ、下がアウェーのエイバル)

エイバルは普段右サイドのSBテヘロが左を担当しなければいけないという台所事情だった為に、ほぼ、攻撃の組み立ては右サイドハーフのペドロ・レオンを中心に行っていた。多分ビルバオのイニャキのスピードを警戒してあまり逆サイドの攻防をしたくなかったのだろう。

組み立てとしてはゴールキックからでもディフェンスの最後尾からでもFWのキケ・ガルシアをターゲットにしてその落としたボールをペドロ・レオンが拾うというパターン。ビルバオのハイプレスをかわす為でもあったのだろう。3節以来の出場という右SBロベル・コレアがやる気満々でペドロ・レオンのパスの出口になろうと前に顔を出すが、なかなかビルバオのディフェンスを突破出来ない。

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ビルバオは基本、4-4ブロックでセットしているが、ボールが来るとプレスをかけに前に出る守備をしていてエイバルはペースは握っているのだが、K・ガルシア、ペドロ・レオン、コレアの3人で右サイドの打開を図ろうとしてもコレアが普段はサブのメンバーな事や、アウェーのサン・マメスの独特の雰囲気からか、あまり上手くパス交換が出来ない。

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そこで17:10にセンターハーフのエスカランテが絡んで逆サイドの乾にパスして乾からペドロ・レオンへ。個人技でビルバオのダニ・ガルシアをかわし鋭いミドルを放つが、ビルバオGKウナイ・シモンががっちりキャッチ。

ちなみにビルバオGKウナイ・シモンはU-21のユーロで代表GKとしてスペインの優勝に貢献し、レアル・マドリ―もクルトワの後釜に狙っていると言われている。

一方のビルバオは、コルドバやR・ガルシアがエイバルの最終ラインの裏を取ろうとするが、さすがリーガのプリメーラともなると下位でもしっかりとラインコントロールがされていて、オフサイドになってしまう。エイバルのパウロ・オリベイラのライン統率力の高さが感じられた。

バスクの韋駄天・イニャキ

ビルバオは創立120年で初めて黒人として加入した右サイドのイニャキ・ウイリアムスのスピードを生かして、崩したいところだった。イニャキに関しては説明するより3年前の記事になるがこれを読んで頂きたい。

https://number.bunshun.jp/articles/-/825026

エイバルは左サイドバックにならざるを得なかったテヘロを攻撃に参加させるよりイニャキ対策として自由にさせないようにしていた。さらには乾のほうにボールがあまり来なかった為に、ビルバオの右SBのカパもイニャキのサポートに行く事も出来ずに乾にガードされていた。乾のディフェンスを外せないくらいだから、普段からあまり攻撃に参加していない感じのカパ。

ビルバオ3

数値を見たらその通りだった(笑)

ビルバオは左サイドをコルドバ、ベルチチェ、ウナイ・ロペスで崩そうとするのだが、何故かダニ・ガルシアとサン・ホセのボランチ勢がそれに加勢しようとしない為に数的不利になってしまいボールを失うシーンが多かった。

ビルバオ14

そんな中エイバルはR・ガルシアとボールを競り合ったビガスが頭突きをくらってしまい、試合続行不能となり21分に急遽ブルゴスと交代となる。ブルゴスはプリメーラデビューとなる今季2部からフリーで入ってきた選手。序盤から不安いっぱいのエイバル。

途中から右サイドにいたイニャキがウナイ・ロペスと替わって中央から左よりにポジションをとってR・ガルシアがトップ下のように下がってポストプレーをするようになったが、やはりサン・マメスでのビルバオは堅いというエイバル監督・メンディリバルのコメント通りディフェンスに重点をおいているからか、ビルバオのセンターハーフ、サンホセとDガルシアが攻撃に参加する事は稀でシュートを打てる様子すらなかった。

エイバルの組織的守備

一方のエイバルは相手がミドルサードに入ってくるまではプレスには行かず2FWでボランチへのパスコースを切ってミドルサードに入ってきたらプレッシャーをかけサイドへ誘導し数的優位で囲んで奪い取る。

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しかし、この日はビルバオのR・ガルシアの頭が藤原組長のようにHITを繰り返し、ビガスから交代したブルゴスの顔にもダメージを与えてしまう。

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イケメンなのにかわいそう・・・。すでに一枚交代カードを切っているので替えられないエイバル。ちなみに鼻は後半にR・ガルシアに肘打ちされて血が出ました。ナイスファイト、ブルゴス!

エイバルは他の試合はまだ見ていないのでわからないが、エスカランテが主に攻撃のサポートをする形で右サイドに顔を出し、エドゥが敵のパスをカットしてボールを配給するという金沢でいうとエスカランテが大橋エドゥが藤村のような役割でしっかりビルバオの攻撃の芽を摘んでいた。(普段はツエーゲン金沢の試合分析をしています)

右サイドでの攻撃に、エスカランテや乾が絡んでいくとチャンスが生まれかけていたエイバル。ペドロ・レオンが頑張ってはいたが彼頼みだけでは苦しかった前半。

ビルバオは前半終了間際に左サイドでボールを持ったコルドバがゴール前に走り込んだイニャキを囮にしてフリーになっていたR・ガルシアにパス。PA手前からシュートを放ったが、エイバルGKドミトロビッチがナイスセーブ。ビルバオ前半の唯一のビックチャンスだった。

後半 ゆっくりとシフトチェンジするビルバオ

後半も両チームとも攻撃・守備の形は変わらないが、ビルバオはR・ガルシアが1トップの位置に戻る。後半開始からビルバオは左SHがコルドバからI・ゴメスに交代。

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先ほどのグラフでもわかるように後半もペースはアウェーのエイバルが握る。乾のサイドである左からの攻撃が増えるが、しかしこちらには後ろにイニャキがいる為にSBのテヘロがオーバーラップ出来ない。FWのキケ・ガルシアとセルジ・エンリクとで左サイドの攻略を図る乾だが、あまり器用な方ではない両FWではコーナーキックを得るのがやっと。

65:12からにビルバオがビックチャンス。右ミドルサード深くからボールを持ったイニャキがエイバル2人を躱しPA近くまでドリブルでボールを運びフリーの左SHのI・ゴメスへパス。フェイントを入れてシュートを打つが、これもエイバルGKドミトロビッチが足でセーブしピンチをしのぐ。

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その後73分にR・ガルシアがハーフスペースを上手く使いエイバル3人を引き付けイニャキにパス。その隙にカパのオーバーラップを促してクロスを上げさせる。

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一斉に沸くサン・マメスの観衆。R・ガルシアさすがだな、と思っていたらカパがオフサイドをとられ、得点は無効に。

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この攻撃でも絡んでいたが、後半しばらくしてからビルバオはセンターハーフのサン・ホセも攻撃に関わるようになり、徐々にホームチームのペースに。奇しくもメンディリバル監督のコメントにあったようにクロスであわやというチャンスを作られた。

ビルバオはコーナーキックをR・ガルシアがヘッドで合わせるもエイバルGKドミトロビッチがガッチリキャッチ。

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ホームのビルバオには勝ち点1でも価値あり

エイバルは疲労の見えるペドロ・レオンに替えてデ・ブラシス、キケ・ガルシアに替えてシャルレスを投入するが、正直打開するというよりもビルバオのホームで勝ち点1を挙げられれば御の字という交代に。苦しいメンディリバル監督の心境は分からんでもない。結局、焦るホームのビルバオがファールを連発してエイバルに時間を与えてしまい、そのままスコアレスドローに。

試合終了 スタッツと感想

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エイバルはドミトロビッチが、ビルバオの枠内シュートを3つ全てブロックしていてMVPと言っていい活躍だった。逆にビルバオのMVPはやはりR・ガルシア相手を引き付けるプレーやここぞという時の決定的な動きは見事だったが、もう一歩得点には届かず。サン・ホセらCHがもう少し攻撃に関与してイニャキやカパらと右サイドを崩せればサン・マメスの観衆を喜ばせていただろう。

しかし、エイバルは噂に聞いていた通りの帰陣の早さで、特に前半はビルバオの攻撃をほぼノーチャンスに抑えていたし、パブロ・オリベイラのコーチングやライン統率も見事だった。

だが、エイバルは5試合得点無しとなってしまった。怪我人が多いのも原因としてはあると思うが、キケ・ガルシアがもう少しボールコントロールが秀でていれば打開出来たシーンもあったし、セルジ・エンリクに至ってはシュートすら打てていない。消えている時間が多かった。は後半から、ようやくボールタッチが増えてきたが、前半にチーム全体がペドロ・レオンに頼りすぎていた為に、もう少しセンターハーフがバランスを取ってパスを供給すべきだったと思う。後半は明らかにペドロ・レオンはバテていた。苦しいシーズンのエイバル。多分、スコアレスで普通に見ていてもつまらない試合だったと思うが、意外といいクラブに目をつけてしまったかも知れん。

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