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2021 J2リーグ第20節 モンテディオ山形 VS ツエーゲン金沢 「試合開始前から負けている」

前節と今節の2週にわたってコラボマッチデープログラムをさせて頂いた。

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そして今節はRED TAGとしても久しぶりの観戦会を開催しました。

ご来場してくださった方、誠にありがとうございました。そして、来ていただいたのにお通夜みたいな雰囲気になってしまって申し訳ありませんでした。そのくらい、この試合は完敗でした。そういえば、この絶望感は去年のアウェー磐田戦に似ていました。その時から成長してないわ、俺。もっと強い気持ちで臨まなければ。。。

スタメン

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画像はSPORTERIAさんから。

山形は前節からの変更は無し。守備時は4-4-2だが攻撃の時には3バックになって半田くん國分くんと入れ替わったりインナーラップしたり、山田くんがトップ下というかかなり自由に動きボールに絡んでいく。全くミラーゲームとは程遠い配置。

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こちらも前節からの変更は無し。おなじみのスタメンで同じスタメンという事で私は勝手に「オナスタ」と呼んでいる。オナスタTも激安で絶賛発売中です(笑)

試合後コメント

Jリーグ公式HPから抜粋

柳下監督コメント
前半残り15分、後半残り15分は最後までプレーしてくれていたので、それは良かった。90分通してやり続けるのは大変だが、それをやらないと得点も取れないし勝点3も取れない。どこかで一つひとつ緩いプレーがあるので、こういう結果になっている。
--立ち上がり、はがされたりパスミスなどもあったが?
どっちか分からないけど、山形の選手が速いのか、動きが良いのか。それだけではなくて、守備のところで役割が理解できていない選手がいたので難しかった。
瀬沼選手コメント
--立ち上がりについて。
今週1週間、山形との対戦に向けて準備をしてきて、相手はスキのないまとまりのあるチームということで、90分を通してスキを作らないように戦っていこうとしていた。細かいところかもしれないし、相手のシュートも素晴らしかったが、早い時間帯に失点してゲームは難しくなっていってしまった。

前・後半残り15分が良かったという点と山形との対戦に向けた準備をしてきたという点について考えてみたい。

前半

まず、前半15分が良かったと言うのなら悪かった部分も見なければいけないだろう。

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試合時間6分39秒の場面。山形の選手達はいびつな菱形を形成してボールを前へと運んでいく。ちなみに僕にもそれの全容は理解出来ていないが、ポジショナルプレーと呼ばれる戦術の条件を見てもらえばこれに当てはまる事は分かる。

金沢は多くの時間帯で、相手センターバック(野田くん)がボールを持っている時にはプレスにはいかず、その隣の山崎くんや山田拓くん、もしくは山田拓くんを一列前に押し上げる為に下りてくる藤田くんにボールが入った時にプレスのトリガーが入る。

これは何を意味するのかというと、金沢にとっては完全なリアクションである。相手がボールを持った時点でプレスに行っているのが試合を見返してみればわかると思うが、山形の選手達は相手ゴールに対して前を向いてボールを貰う事はまず無い。

(今回からTACTICALISTAを使用させていただきます。理由は時間が大幅に短縮できるからです)。

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自分より前にいる選手がボールを持つと、後ろの選手は前向きになる。

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そしてまた菱形が形成されているのでワンタッチでボールを出す。基本的にはこの繰り返しでボールを前進させていく。上では山田康くんが南くんにパスしたが、それが難しければ山田拓くんに出せばいい。どこがパスが通りやすいか、それを瞬時に判断さえできればボールを失わずに済む。

金沢はボールが誰かに渡るとそこにプレスに行く「後追い」だった。山形は金沢対策をしたというより、この戦術の一番の「お得意様」と当たったというべき。パスを出す→後追いしてくれる→前のエリアが空く→そこに入り込む、の繰り返しでどんどんとゴール前に入り込んでくる。金沢は試合開始直後から奇襲を受ける。山形は試合形式でどんどん前にボールを運びポジションをチェックするような練習をかなりしていると思われる。

山形戦に対して準備をしてきたという成果は、この守備を見る限り無かった。

練習は試合に現れる

7無題

5分50秒くらいにGK後藤くんから瀬沼くんにロングパスが通りファイナルサードでボールをキープ。後ろから来たチットさんにボールを渡すシーン。瀬沼くんはPAアーク付近へ移動。チットさんはボールを後ろから来た渡邊くんに戻すしかなくなる。

そして大橋・渡邊・チットでサイドを崩しにかかる。この攻撃は成功せず相手ボールに。

言いたい事はお分かりだろうか。瀬沼くんにボールが入りチットさんがボールを貰いに行けたなら他の選手も来れたはず。瀬沼くんが中央に移動するより先にゴール前に入り込めるはずだ。しかし、そのイメージは金沢の選手には皆無だ。

左サイドを崩してPA脇からえぐるようにボールを中央へ。または一旦PAアーク付近に戻してシュート。といった練習しか出来ていないから、カウンターになった時の二次攻撃、三次攻撃が見られない。練習を見たわけではないからわからないが、明らかに数的不利な場面でのシュートが多いし、前への意識があれば、試合の中で何度かは単発の攻撃ではなく、文字通り「相手を襲う」攻撃が出来ているはずだ。

ワンタッチまたはツータッチでボールを前に運ぶ山形。それを出来るクオリティもある。金沢は崩しの場面を作りださないとボールを動かせない。それは、山形がリトリートするのに十分な時間だ。

どこに重点を置いて試合をイメージしていたのか

守備にあまり重点を置いていなかったのは、後追いの守備になっていた事からわかる。それで対応が出来ると思ったのならもう少し分析を慎重に行う必要がある。相手をもう少し見る事。

ヤンツーさんの言う、前半残り15分は完全に山形のペースが落ちた時間だった。あの運動量を90分、いや45分間だけでも続けられるわけが無い。奇襲で2点獲った山形が前半30分前から明らかにペースを落とした。後半残り15分に関しては、サブのメンバーが入ってきた事もありクラモフスキーさんのサッカーの完成度が少し下がってしまった。しかし、かなりピンチのシーンもあったけどね。

相手のパフォーマンスが落ちてきたから、「最後までプレーする事が出来た」というのが僕の見方であるが、それでも良いのだ。相手がガス欠になったその時に仕留められれば。ただ、仕留める事が出来なかった。監督には相手チーム・自チームを含めて評価をして欲しい。相手が見えてないように感じる。

それは攻撃から逆算した守備を考えていなかったからだ。攻撃の形は見せた。

渡邊・松田のライン間を狙ったクロス、それをポストプレーで折り返して嶋田くんのシュート、クロスと見せかけてマイナスに出して大橋くんのミドルやフライスルーパス。ただ、そこにはいつも戻りの早い山形のディフェンスがいた。

後追い守備で相手陣地の深い位置でボールが獲れない以上、相手ゴール前に人数を掛けられてしまうのは必然。もちろん、相手パスミスでカウンターになった場面もあったが、それは「計算外」。

山形の守備を想定しての攻撃練習はしてきたんだろうというのは分かる。ただ、この試合は守備と攻撃が繋がっているようには見えなかった。トランジションも金沢は切り替えが遅いと感じた。

給水タイムがなかったのも、山形の作戦だろう。給水タイムは両軍の合意があれば取らなくてもいいとされている。山形側から持ち掛けられたら、金沢は嫌とは言わないだろう。そこで半田・國分への対応の確認や山田康くんへ何処までついていくか、プレスの役割の確認など行えていれば少しは結果が変わったかも知れない。

結果・スタッツ ハイライト

まとめ

ボランチの動きが悪いのが気になった。1失点目が藤村くんがボールをロストした事も影響しているのだろうか。ボールを上手くコントロールする相手に対して、金沢で一番ボールを上手くコントロールする藤村くんがやられてしまった。その事が後々ひびいてしまったように思う。大橋くんもしかり。CBからのパスコースを作れていない事が多々見られた。その為、無理に前に強いボールを出してロストする。悪循環だった。

ポジショナルプレーなど言葉だけが先行して、実際のところ僕も十分に理解していない。ただ、そんな言葉はどうでも良くて、山形の攻撃を十分理解して守備をデザインし攻撃に繋げていたとは到底思えない。試合をする前から負けていた、そう思える試合だった。

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