2020 J2リーグ第22節 愛媛FC VS ツエーゲン金沢 レビュー 「見つめなおそう」
前回対戦のレビューはこちら↓↓↓
前回の愛媛との対戦で、4-3という大逆転劇を演じた金沢は直近5試合勝ちがありません。去年は5月から6月、小松くんが日本代表に呼ばれていなくなった時が、一番調子が悪かった。今回はルカオ・下川・大橋などがいませんでした。戦力が戻れば調子も上向くかもしれませんが、また誰かいなくなることもあるかもしれません。今いる戦力が何を出来るかも大事でしょう。
2回目の観戦会
ところで僕が代表を務めるツエーゲン金沢応援集団「RED TAG」の2回目の観戦会が行われました。
1度目の観戦会は磐田との対戦の時でした。6-0で大敗してしまいとてもドンヨリしてしまった会場でしたが、それでも一人で観戦しているよりも気持ちが落ち込む事も無く、仲間と観戦するって楽しいなと思えた会でした。
今回は、前回より少し多くの方が集まって下さいました。
初顔合わせの方もおられ、この輪が少しづつでも広まってくれればいいなと心から思いました。ただ、AWS障害というイマイチ理解できない問題が発生しDAZNが直前まで繋がらず、観戦会自体がちゃんと出来るのかと不安でしたが、何とか繋がりホッとしました。
そしてこの観戦会に合わせてくれたかのように、先発&ベンチメンバーに変化が起こっていました。
スタメン
金沢の変更は三点。作田→廣井、高安→長谷川、白井→石井。今季これまで全試合でゴールマウスを守ってきた絶対的守護神・白井くんを金沢に置いてきて石井くんが初先発。石井くんは怪我していたとの事だったが調子が上がってきたのと、白井くんの疲労回復の為だそうな。
なんにせよ、完全移籍で入った今季唯一の選手・石井くんがやっと試合に出られる。もっともっと実践経験を積んで欲しいものです。
ベンチには控えGKに上田くんが久々に復帰。そして前節、怪我から復帰し10数分プレーしたルカオさんも再びベンチに座ります。
全金沢サポが驚いた
ベンチメンバーの名の中に「山根永遠」の文字が。なんと第3節、新潟戦以来のベンチ復帰。「闘えない選手は出さない」と明言しているヤナ将の構想から外れ続けて3か月。「20ゴール獲る」とシーズン前に言っていた男の有言実行がいよいよ始まるのか。観戦会の雰囲気が期待で膨らみました。
一方の愛媛はターンオーバーで7人の入れ替え。4試合得点の無い愛媛はビルドアップに難を抱えていました。
試合開始
愛媛の立ち上がりは決して悪くありませんでした。
序盤の愛媛の陣形は以下のようでした。山崎くんが高橋になってる、ごめんなさい(´;ω;`)
CHの渡邊くんが最終ラインの右に降りてビルドアップに参加します。SBの茂木・前野が高い位置を取り金沢SHを外に広げさせ左サイドから攻撃するとすれば、金沢FW杉浦恭平くんの後ろのスペースが空いているので川村・忽那がそこに入りパスを受けに来ます。そのスペースを利用しCH・SH・SBの3人か場合によりFWの一人も加わってサイドを崩しにかかります。それは東京Vのそれと似ていました。
しかし、金沢がコンパクトネスを保ち、前からプレッシャーをかけるようになる14分ごろから愛媛のビルドアップは手詰まりに。
シュートの一つ前のプレー。躊躇する暇無し、だが状況を見ろ
そして15分13秒に窪田きゅんが右サイドから、相手を抜かないクロスを上げます。このクロスは愛媛CB山崎くんが難なくクリア。
この場面での問題点は
①窪田きゅんが前野くんに勝負を挑んだ時点でクロスを上げる事を決めてしまっている。
②窪田きゅんが上げる「抜かないクロス」はファーに飛ばす事が難しいのでニアに走り込まなければいけない。
③杉浦恭平・島津もクロスが上がると確信している為、二次攻撃の用意が無い
前にも述べたかも知れませんが、「研究されても結構、崩すところは出来ている」と自信を覗かせるヤナ将は、少ない手数でボールをゴールに入れる事を目指しています。その過程で躊躇している暇などないのです。だから急いでプレーの精度が落ちたり、決めつけのプレーをしたりしてしまいがちです。
このシーンで得点を獲る為には
ⓐニアに陸次樹くんが飛び込む。
ⓑ窪田きゅんが切り返し杉浦恭平くんにパス、陸次樹くんか(島津)頼盛くんにクロス。
のどちらかをしないといけません。多分、このシチュエーションの窪田くんのクロスは愛媛も想定内だと思いますから、それでもゴールをする為に必要な事に置き換えると
ⓐ=高いクオリティ(ボールの受け手と出し手の)
ⓑ=意外性(相手の裏をかく)
と言えると思いますが、この日の金沢の攻撃はこのⓐもⓑも無かったと言えるでしょう。
このあとすぐ14分37秒にまた窪田きゅんがクロスを上げるのですが、愛媛の西岡大輝くんがニアとの延長線上に立っていて阻まれます。ⓐもⓑも無い為に。
シュートは冷静に、あともう一つは
しかし、シュートは14本打てています。今までのお話はシュートを打つ前のお話しです。ではシュートを打てているのに入らないのは何故か。以下はヤナ将の試合後のコメントです。
選手たちは非常に攻守ともに良いプレーをしたと思う。ただ、決めるべきチャンス、決めなきゃいけないチャンスがあったので、それを決めないと勝点2を失ってしまうことになる。今日の試合と前節は決め切れずに勝点2を失った形になった。そのことを忘れず、今後はゴール前での落ち着き、自分の状況をしっかりと見つけてプレーしてほしい。
--多くの決定機があったにもかかわらず決め切れなかった要因は?
J1の攻撃陣だったら間違いなく決めていると思う。自分がフリーなのか、相手がどこにいるのかという状況をしっかり把握していることが大事。そこが分からないので慌ててシュートを打ったり、スペースがあるのにスピードを上げ過ぎたり。技術的というよりも、まずはそこの落ち着きがないと難しいのかなと思っている。(J’GOAL より抜粋)
確かにその通りです。先ほども触れた通り、周りの状況は刻一刻と変わっているのに、「クロスを上げる」「シュートを打つ」と決めたらそうするしかなくなってしまう選手達。落ち着いて冷静に状況を把握する事が求められます。
成功体験から得点の可能性をあげろ
もう一つ大事なのは、果たして「そのプレーが成功したことがあるか?」という事なのです。頼盛くんがダイレクトで難しいボールをミドルシュートしましたが、明後日の方向に飛んで行ったシーンがありました。本塚くんもミドルを意識して打っていました。
ああいう難しいボールを10回中1回でも成功させられた経験があるのなら、その事を思い出して身体の使い方・タイミング・立ち位置などを自分の中で具体的に再現できる形にして、反復して練習してからやるべきです。
気持ちだけが先行しているシュート。気持ちが入っていてもいいのですが、その中でも冷静にプレーする事が得点に繋がります。中西メソッドに通じる部分があると思いますが、色々な文献を読んでいるとメンタルのコントロールがいかに重要かを思い知らされます。
中西メソッドについては奈良クラブに指導に行ったという事を、監督の林さんと対談している動画がありますので、興味のある方はご覧ください↓↓↓
シュートだけでは無く
コーナーキック11本、フリーキック10本という絶好の機会を生かす事も出来ませんでした。
流れの中で点が入らない時でも、金沢はコーナーキックが強いという長所が昨季はありました。今季に関してはホームで愛媛と対戦した時以降、CKからの得点はありません。練習出来ない状況が続いているとは思いますが、今一度見直して欲しいところです。
一番盛り上がったのは?
山根永遠くんの登場の場面。ここでは観戦会の面々も、待ってましたと沸き上がりました。(同時にルカオさんもIN)
ルカオさんは79分10秒に強引にシュートを打つ場面が見受けられたり、84分40秒にカウンターからのドリブル突破を図ろうし、愛媛の川村くんに倒されたり、ロスタイムにタックルっぽく山崎くんを倒したりと持ち味は出しましたが、本調子はまだこれからですね。
永遠くんはロスタイムにカウンターの起点になる位置取りをして、2対2になる局面を作り出しました。試合勘がまだ戻らないかもしれませんが、ボジショニングと判断力の良さが見えました。
ところで
途中をかなり飛ばしましたが愛媛は後半途中から3-4-2-1にシステム変更。しかし問題はシステムでは無く、相手を動かすという事をしないという事でした。解説の方も同じような事を言っておられたと思いますが、空いたスペースを使うとか裏に抜けだすという意識が希薄で、金沢ディフェンスの前でボールが動いているので、危ないシーンはほとんど見られませんでした。
僕としては石井くんの動きをもっと見たかったのですが、石井くん自身も消化不良だったのではないでしょうか。まあ白井くんを休ませ、失点しないという目的は達成できました。
試合終了にしときましょう
結局、金沢は2試合無得点の6試合勝ち無しという事に。今月の頭は8位だった順位も15位に後退してしまいました。アウェーで最低限の勝ち点1は獲れましたが、得点に関しての課題が多く見えました。ただ、ここ2試合は失点しませんでしたが、相手の攻撃が整っていたとは言い難く、守備にも不安はあります。
観戦会も・・・
あれだけ攻撃出来て0点だったので、試合が終わった時の落胆はかなりありましたね(苦笑)しかし、スタジアムでも無く、自宅で一人で見るでもない。ソーシャルディスタンスは取らないといけませんが、色々言いながら見られるのはやはり楽しいですね!また来月も観戦会を行う予定ですので、どうか「RED TAG」のアカウントをチェックしてくださいね!
こんな遭遇もありめっちゃ楽しかったです(笑)ちなみにマスクONマスクで徹底予防しているのが僕です。左はパチガラスさん、ありがとうございました!!
ツエーゲン金沢応援集団「RED TAG」運営費用としてありがたく使わせていただきます