バルサ1

19-20 ラ・リーガ第25節 FCバルセロナ VS エイバル(23.FEB.20)

さあ、場違いな所にやってきた。イプルーアの収容人数は7083人。カンプ・ノウはこの試合フルハウスでは無いが約10倍のキャパシティ。なにもかもが違う規模で、同じように11人づつがピッチに散らばる。

乾には感慨深き場所。3年前に2ゴールを決めてバルセロニスタ達を黙らせた。再びその快感を味わう事が出来たのか。

スタメン

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バルサは前節からジョルディ・アルバ、ウンティティ、セルジ・ロベルト、デ・ヨングを変えてジュニオル・フィルポ、ラングレ、セメド、ラキティッチがスタメン入り。水曜日のナポリ戦を考えると、早い事勝負をつけて主力を交代させたいところ。

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一方のエイバルは大気汚染の為24節のソシエダ戦が延期となり久々の公式戦。ビガスの替わりにテヘロが入りビガスの位置にはアルビージャ。チーム一のテクニシャン、ペドロ・レオンがベンチに。写真では4-3-3のようになっているがディオプとエクスポシトがCHで乾とオレジャーナがSH、エスカランテがセカンドトップでエンリクが頂点の4-4-2の陣形。

ディオプを出すならエクスポシトとエスカランテのCHでオレジャーナがセカンドトップでP・レオンを出してもいいのにと思ったが、よほど調子が悪いのか。なぜか一見考えると不思議な采配も、うちの将軍(金沢の柳下監督)とそっくりなのだ。

どっちをとるか

それにしてもカンプ・ノウの試合中のカメラアングルは見やすくてありがたい。他のどこよりも選手個々の位置が分かりやすい。J2やリーガの地方クラブの中継ばかりを見ているから尚更感じるセレブ感。まあ、バルサあまり好きではないから珍しく見えてしまうのだが。

こういう強豪チームに対する下位のチームの戦い方には、僕が思うに方法は2つある。一つはリトリートして終盤までもつれこむ。バルサ相手に勝ち点1でも取れれば勝ったも同然。そしてもう一つは相手が油断して様子を見ている前半10~15分くらいまでの間になんとか点を獲る事。強豪が最初からフルスロットルで来る事はほぼ無い。やはりメンディリバル監督は後者の方を獲った。

まぼろし~

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バルセロナは4-3-3で守備時はビダルが一列降りて4-4-2で対応するいつものスタイル。それに対してエイバルはインテンシティ高く、前線からマンマーク気味にプレッシャーをかけて、エンジンのかからないバルセロナにボールを前進させない。

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ボールを持つと、エイバルはエクスポシトがフリーの右サイドのテヘロへボールを展開。すぐさまクロスを入れて、エンリクがスルーしたところにエスカランテがボレーで合わせるがテア・シュテーゲンが弾く。

そのセカンドボールを拾ったエクスポシトが、4人に囲まれながら針の穴を通すようにクロスを放ちそれをエンリクがドンピシャでダイビングヘッド。バルサから気持ちのいい先制点を入れたかと思いきや、判定はオフサイド。

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これは言い訳出来ないくらい出てますね。

メッシのゴールショー

さて、試合自体は5-0というホームのワンサイドゲームになり、カン・プノウに集まったバルセロニスタはメッシのゴールショーを見て喜びましたとさ、チャンチャン。

という感じなのですが。エンリクのヘディングゴールが認められていたとしても負けていたと思います。

個々の能力が抜きんでているバルセロナに対抗するためには、よほど連携した守備が必要になる。それが全く出来ていなかった。

前プレ無効化

メッシのゴールを分析していると僕のバルサアレルギーが爆発してしまうのでそれは置いておいて、バルサの11対10でのビルドアップに、いつもの前線からのインテンシティ高いプレッシャーで対抗したエイバル。

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ゴールキックをまずピケかラングレに蹴らせ、GKにパス。前からのプレッシャー(前プレ)を無効化させます。そしてテア・シュテーゲンがジリジリ前に出ていくと前プレを発動させ

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エンリクが前へ出ます。そしてどちらかのCBにパスを出す。ここではピケに。すると乾が前へ。それに合わせて周りも移動します。

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そして近くのセメド・ブスケツ・ラキテッチがパスを受けに来てオーバーロード(密集・負荷のかかり過ぎた状態)状態になります。

そして結果的に自陣ゴール前で同数になるリスクを許容するという、バルサならではの状態を作り出すのです。

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ご覧のように、前に釣り出されたエイバルの右サイドには3対2という状態を作られています。

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ゴール前は同数と言いましたが、結局挟み込んで奪い獲りたいエイバルはGKにずっと付いているわけではありません。

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極地で数的有利を作るエイバルに対して早いボール回しで、結果GKに戻しフィルポやビダルにフィードパスを出して前進させるというやり方でした。

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ただ、エイバルも前プレが強かった為、極地でボール回しをしているうちにボールロストしてしまう事も多かったバルサ。それでも無失点だったのは極地で固まってポールを回していたので、すぐに奪い返しに行けるという点です。ただ、ゴール前でそれをやっているので、ボールを奪われた時のリスクは大きいというのはあります。

ライン間がグチャグチャ

あとは解説の水沼氏も言っていたのですが、エイバルが自陣で陣形を整えている時の守備(ポジショナルな守備)の時について。ブスケツへのプレッシャー、エンリクやエスカランテのプレスバックが無い為に、簡単にラキテッチやアルトゥールにパスが入ってしまいます。

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図では陣形が整っている感じがしますが実際がMF・DF間にボールが入ってしまえば陣形はグチャグチャです。しっかり連携出来ていれば多少ライン間にパスが入っても問題無いのですが、挟み込んで奪い取ろうというエイバルは、陣形を崩して奪いに行くので自分達で密集を作り出し、逆サイドが疎かになるといった状態でした。

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しかも一人一人が質の高いプレーヤーなのでボールホルダーを疎かにはできません。実際メッシがギアを上げたら簡単に密集を突破して、点を入れられてしまいました。

エイバルのディフェンスは簡単に崩れてしまいましたが、全員がコンパクトに陣形を保とうとすればまだ失点は抑えられたかもしれません。ただ、チームの原則として、ボールホルダーに強くプレッシャーにいく習性があるので、仕方の無いところもありますが。

「パルプンテ(仮)」

という事であんまりし過ぎると、僕のバルサアレルギーが爆発しそうなのでこの辺で。バルサがこのやり方でCLなどで結果を出せるのか、そんな事は知りません。ただ、前プレ無効化の呪文はある程度効果はあるという事は分かりました。「パルプンテ(仮)」とでも言っておきましょう。それではまた。

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