J2リーグ開幕直前SP 金沢VS長崎戦スタメン予想&マッチプレビュー
ヤサガラス様・予定復活おめでとう記念
いや今回はマジメです。金沢の開幕の相手は昨年3位の長崎。1位と2位がもう居ない訳ですから、現時点でJ2最強と言ってもいいのではないでしょうか。ん?待てよ、という事は開幕戦で勝てれば金沢がJ2最強という事でしょうよ。間違いない。
J2に上がってから開幕戦は1回しか勝った事がないだと?2021年の開幕戦は一度しかないんだよ。てか、最終戦と開幕戦とで長崎と2連戦なんだから2回とも負けるわけにはいかんのだよ。最初からギアをトップに上げて臨めよ!それが挑戦だ!ジーク、ジオン!それではいってみよう!
地味目な奴らがイッキに派手に
確認のような作業になりますが振り返りを。昨年の途中まで、長崎は順調に勝ち星を重ねていた。2019年からの継続性が身を結んできたのはいうまでもないが、より敵陣でのポゼッションを高めつつも、カウンターの鋭さも増し、攻撃には厚みが、守備には安定が生まれた。
しかし、9月の8試合では1勝も出来ず、このブレーキが結果的に昇格を目前で逃す事になったわけだが、9月の不出来を取り戻そうとレンタルしてきたのが庄司くんとエジガルさん。庄司くんは出場はあまり出来なかったが、エジガルさんは587分で5ゴール1アシスト。1試合と少しの時間出れば1得点に絡んだ計算に。
目立ったスコアラーが居なかった長崎にJ1級FWが加入し、他サポの誰もが「反則だ」と騒ぎたが、まだ長崎がその手を緩める事はなかった。2019年に呉屋大翔という22得点を稼いだスコアラーが居ながら、12位に終わった過去を忘れるはずが無い。
横浜に帰るのではと思ったエジガルさんが完全移籍で加入したのをはじめ、セレッソから都倉くん、レイソルから山崎くんというJ1でも実績のあるFWを獲得。中盤・守備陣の主力を残留させ、新里(涼)を放出し、新里(亮)を獲得するという荒業をもやってのけ(笑)、万全のメンバー攻勢で今シーズンを迎えた。
長崎の攻撃
吉田コーチが監督に昇格し、手倉森前監督のサッカーを踏襲するのなら手の打ちようもある。一番気を付けたいのが中盤のワンタッチで繋いでいくパスだ。外→中→外といった具合にボールを動かし、相手の空いているところを探していく。一旦スイッチが入ると何人もダイナミックに攻撃を仕掛ける迫力は見事だ。
ただ、前回対戦の2020年最終節は少しやり方が違った。金沢相手にやり方を変えてきていた。一本ディフェンスラインの前に縦パスが入り、そこにレイオフを仕掛けてPA内に進入していくような攻撃。高安くんが磯村くんを倒してPKを与えてしまったシーンもまさにそれだった。
ゾーンディフェンスを敷いてくる他チームとは攻め方が違うが、最終ラインの前でボールを受けるというところは同じ。中に入っても狭いところでボールを動かせる連動性を持ち合わせているので、金沢最終ライン前でボールを受けさせないようにする必要がある。ただし、距離を取ってマークに付いているとすぐにミドルシュートを打たれてしまう。
昨年の長崎のデータを見てもシュートの約半数をPAの外から放っている。積極的に打ってくる事は頭に入れながら、ボールをラインの前で受けられないような守備を心掛けたい。
長崎の守備
攻撃以上に継続性が考えられるのが守備のフェーズだ。新加入したディフェンダーが新里亮くんだけというのもあるが。2020シーズン終盤の長崎は複数失点をしたゲームが極端に少なかった。
データとしては攻撃回数が21位、被攻撃回数が2位とどちらも少なく、ボール支配率が1試合平均53.6%と高かったのでボールを保持して隙を探しチャンスと見るとゴールを狙うというイメージになりがちだが、リーグ後半の試合を見ているとそこまで支配率の高い試合は多くなく、逆にカウンターを仕掛けている場面も多かった。
その起点はやはりチームの心臓、秋野くんだ。フレイレさんもそうだが、二見くんから出るビルドアップのパスは、多くの場面で秋野くんに出ているし、秋野くん自身のボール奪取力もリーグ前半戦よりも確実にパワーアップしていた。
長崎というチーム自体も相手のボール保持・非保持に関わらず、相手に応じた振る舞いが出来る集団に変わったという点では、ただボールを持たせておけば金沢のペースだと変な安心感は抱かないほうがいい。
上記の事を考えると、攻撃から逆算して最終ラインを高く敷いてコンパクトな陣形で4-4ブロックを敷いて守っている。その方がボールを相手から奪った時にCB→秋野→前線へのカウンターが決まりやすいからだ。なので引いた長崎相手に中央突破はやらないほうがいい。
サイドから崩してクロス
長崎の失点の20%はクロスから生まれている。対人にはめっぽう強いCBの二人。加えてフレイレさんは空中戦にも強さを発揮する。しかし、アーリークロスをワンタッチで折り返されるような、横への揺さぶりには対応が遅れる。二見くんは179㎝。そこに185㎝の瀬沼くんを当てセカンドボールを押し込むような得点が出来ればイッキに勝機が見えてくる。
今季、カギのセットプレー
クロスより多い30%の失点はセットプレーによるものだ。守りが堅い相手からでも得点を奪うチャンスが生まれるのがこの局面。もちろん金沢のコーナーキックの得点パターンも楽しみではあるが、積極的にドリブルを仕掛けてファールを貰う事もセットプレーへの道。
エイバルの乾貴士くんが重宝されるのは足元の技術が高く、相手がファールをしないと止める事が出来ないからだ。エイバルもセットプレーのパターンはかなり練習していると見える。大谷・嶋田の新戦力がカギを握るかもしれない。
ヒントはヴィニシウス
2020シーズンの第39節、長崎VS山形にて二見くんがヴィニシウス・アラウージョさんに裏へ抜け出されるシーンや、同じくヴィニシウスさんが二見くんの前を斜めに進入し、二見くんを抜き切る前にシュートを打ってあわやという場面を作り出している場面がある。いずれもショートパスからのチャンスメークだったが、守備から攻撃へ移行するポジティブトランジションの局面で、金沢のCBやボランチから前線へのボールを供給し裏抜けを狙う。そんな場面で丹羽くんがゴールを決めるのが目に浮かぶ。
スタメン予想
以上の事を踏まえて考えたスカッドがこちら。長崎はGKからのビルドアップに取り組んでいて4-3-3を試しているという情報から、足元の技術を買って高木和くんが出てくると予想。GKが徳重くんなら、4-4-2である可能性が高い。
プレースタイルを考えると秋野くんがアンカーでもなんら問題ないし、二列目のIHとなりうる2人の外国人パワーが活きそう。ただ、コロナの影響でその二人のコンディショニングは定かではないので責任では全く持たない(笑)
昨季の得点は少なかったものの、得点シーンだけを見れば富樫くんのFWとしての得点能力は疑いようのないもの。今年は二桁には乗ってくるのでは。ここもエジガルさんのコンディションに確証が持てないのと、開幕くらいは富樫くんに出て欲しいという願望(町田が好きな筆者は元町田の富樫くん推し)。
対する金沢は、石尾・庄司のCBと予想するが、サポーターズ出陣式で辻尾さんが言っていたように廣井・作田の両ベテランが若手を喰って出てくると嬉しいと思っている。左SBは渡邊一択。右SBは攻撃にまだ課題のあるという松田くんよりは高安くんをチョイスするのでは。
ボランチは藤村・大橋で堅いだろうが、ここはあえて本塚くんを推す。先程の二見くんの裏への抜け出しへのパスは、レフティである本塚くんのパスが長崎ゴール側へと通りやすいと思うからだ。GKの手前で落ちるパスなら大橋くんより本塚くんだ。
そしてSHは左に島津くん、右に嶋田くん。左はチットさんでも良いのだが、開幕の不安を考慮した。逆に開幕からチットさんが出られるのなら今季は相当期待していいだろう。
嶋田くんの技術に疑いの余地はない。ただ、長崎相手に開幕戦から得意とするカットインや間受けが効果的かという点では、ここが大谷くんになる可能性もある。
そしてFWは瀬沼・丹羽。ヤナ将の期待が大きい瀬沼くんの運動量で相手CBを疲労させ、丹羽くんが昨季金沢戦で決めたゴールの時のような抜け出しを決めると開幕スタートダッシュが成功する。
考えるだけでワクワクする。もうすぐ戦いは幕を開ける。下位予想を覆す絶好の機会は、昨年昇格に最も近かった長崎に勝つ事。期待と不安が交錯するが、開幕アウェー戦は雪国の宿命。ここで勝つ事こそ新しい挑戦の幕明けなのだ。
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