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「『中小企業診断士』って何をする人なんですか?」と聞かれたら…。

こんにちは。企業内診断士のタガックスです。

つい先日、診断士2次試験が行われましたね。
私が最後に2次試験を受験したのは6年前なので、そろそろ当時の記憶も薄れつつありますが、やはり毎年この時期になると、否が応でも受験生時代を思い出します。
思えば勉強を始めたのは、ビジネス系の資格をいろいろ調べていた時にたまたま人に勧められたのがきっかけで、それまでは資格の名前すら知りませんでした。
まさか数年後、こんなに自分の生活にとって大きな存在になるとは…と不思議な気持ちがします。

さてその頃に比べると、「中小企業診断士」という資格、ここ数年でビジネスマンに人気のある資格として知名度を上げてきた…ような気がします。
みなさんの周りではいかがでしょうか?

私自身は、あまり中小企業診断士とは縁のない業界に属していることもあり、今まで何度か「中小企業診断士って何をする人なんですか?」「なんの資格なんですか?」と聞かれたことがあります。
…これ、意外と答えに困るんですよね…。

同じ士業でも、弁護士なら法律、会計士・税理士なら財務会計、社会保険労務士なら人事労務と、ある意味「狭く深く」の分野特化型資格であるのに対して、「広く浅く」の資格である中小企業診断士の専門分野は「中小企業の経営支援」という、ある意味曖昧なものです。
また、独占業務を持っているわけではないので、資格がなくてもコンサルタントを名乗ることができます。(「コンサルタント」=「何をやっているかよくわからない人」=「なんだか怪しい職業」というイメージも、このあたりが原因かもしれませんね。)

いろいろな人に説明する中で試行錯誤して、私が見つけた現状でのベストな答えは
「百貨店のコンシェルジェ」みたいな仕事ですよ、というものです。

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その心は、以下3つです。

1)課題を見つけるのが仕事

買いたいものが具体的に決まっている時は、お客さんはわざわざコンシェルジュには立ち寄りません。
 「来週嫁さんの誕生日だけど、何かしたほうがいいかなぁ。」「友達に出産祝いを贈りたい。でもどんなものが必要か分からないし…」。そんなお客さんの相談に乗り、買い物のアドバイスをするのがコンシェルジュの役割です。
コンサルタントも同様に、「やりたいこと(困っていること)はあるけれど、どうすればよいかわからない」というお客様からヒアリングをして課題を整理し、解決策への道筋を示すことが仕事の本質だと考えています。

2)提案はします。でも決める&実行するのはお客様。


コンシェルジュはいろいろなアドバイスをします。でも、コンシェルジュ自身が買うものを決めたり、実際にお店に行って買うことはありません。決めるのも買うのもお客様自身です。
コンサルティングにおいても、方向性や選択肢を示すことはありますが、最終的にどのやり方を選ぶのかという決断、そして決めたことの実行はお客様自身が行います。

3)詳細は専門店へどうぞ。


百貨店のコンシェルジュは、どのフロアにどんな店舗が入っていて、どんな商品を扱っているのか…という情報を網羅しています。しかし、個々の品物について詳しく説明できるわけではありません。お客様がより詳しい説明を希望する場合は、それぞれの専門店に誘導することになります。
企業支援の場でも、ある程度やるべきことが見えてきた時点で、場合によっては社労士や弁護士などの専門家に繋ぐことがあります。大枠の方向性を決めるのが診断士、特定のテーマに特化した課題を解決していくのが専門士業というように、同じ士業でも役割が少し異なります。そして、支援の段階に応じてすぐ次に繋げられるように、他の専門士業との繋がりを持っていることもコンサルタントとして必要とされているように思います。

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「中小企業診断士」という資格、確かに他の士業と比べると若干地味でわかりにくい印象があるかもしれません。しかし、中小企業にとって一番身近な、なんでも気軽に相談できる相手である、というのが診断士の強みです。自分自身もそんな存在でありたいと思っています。(まだまだですが…)

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