コンデンサーのお話(駿台・東大模試の別解)

コンデンサの2つの電極の間に電荷を持った板を入れた場合の考え方を恋愛的なものに例えてみる


※本記事に男女差別の意図は全くありません。思いついた順に書いているだけです。


すでに電荷が溜まっている電極板AとBがあるとする。
Aの方には$${{CV_0}}$$、Bの方には$${{-CV_0}}$$の電荷が溜まっているとしよう。

ちなみに話をわかりやすくするために、電子一つ一つに名前をつけてみよう。
Aの方の負の電荷を$${{A_1,A_2…..}}$$Bの方の正の電荷を$${{B_1,B_2….}}$$という感じに考えてみることにする。そして、$${{A_1}}$$の電荷は$${{B_1}}$$の電荷と引き合って、というふうに同じ電荷ずつで電気的平衡状態になるようになっていると考えてみよう。
同じ番号同士で遠距離恋愛をしているものと思えば良い。とりあえず他意はないが正の電荷を男性、負の電荷を女性としよう。
つまり、Aが男子校、Bが女子校で遠くの学校同士で出席番号ごとに決められた人とメールだけで遠距離恋愛していると思えば良い。
導線で繋がってるんだからすぐ会いにいけよ!と思うかもしれないが、それぞれの学校に属してさえいれば恋人ができるのであればそれも悪くないのでそれぞれの電極板に集まっている状態だと考えれば良い。

そこに2個の負の電荷を持った(明美と芳子と名付けよう)同電体が真ん中に入ってくるとする。

そうすると、遠くの顔も見えない遠くの子よりも近くの女性、ということで$${{A_1}}$$が明美の虜になってしまう。

そうなっては$${{A_1}}$$と付き合っていた$${{B_1}}$$としてははたまったものではない。
もはやB校にいる意味もないので、学校を辞めて自由電子になる。

しかし、$${{B_1}}$$が退学して電極板から離れた、ということは、本来Bの電極板あった電子がなくなったわけだ。しかし、金属の中で電子がなくなった状態というのは単に0(不在)なのではなく、プラスの電荷が代わりに入った状況とみなすことになる。
そもそも、電荷の実態は電子であり、プラスの電荷というのは「電子が足りない状態」であり、実態としてプラスの電荷の粒子があるわけではないからだ。
無理やりこの物語に当てはめるとしたら、$${{B_1}}$$はやさぐれてしまって性転換して男になったと考えても良い。

となると、もう一人の芳子はどうだろう?芳子の方もお付き合いはしたいが、そもそも彼女がいる男に手を出すような真似はしたくない。というところに性転換した人がBにいるじゃん!ということで明美とは反対にBの方に寄せられる。

今回は明美と芳子の二人で考えたが、これが100万人いても、結局この理屈の繰り返しで左右均等に分かれることになる。

では、途中から挿入された電極版がAとBの中間ではなくAにもっと近いところだったらどうなるだろう?

明美は$${{A_1}}$$とくっつく。
そうするとやさぐれた$${{B_1}}$$が性転換する。
芳子は男になった$${{B_1}}$$か、近くの$${{A_2}}$$を略奪するかで迷いつつも、やっぱ近くの方がいいので$${{A_2}}$$を略奪する。
そうすると$${{B_2}}$$もやさぐれて性転換する。
三人目の由美はどうするか。近くに$${{A_3}}$$という男がいるが、ちょっと遠いけど二人と逆ハーレム状態の方が良い。
ということで由美はB側に移動する。

ということで、A側の方に電子が多く、B側の方には少ないという不均等な状態になる。

この考え方で注意すべき点

・金属板2と4の間に挿入するとき、金属板2と4がそれぞれ回路につながっていれば、この2つだけで解消できる。回路につながっているということは自由に電子が飛び回れるので、退学したり性転換したりが簡単にできるが、つながってなければ電子の移動ができなくなるのでその限りではない。

・つまるところ、金属板2と4の間にやってきた不均衡をどう解消するかというお話である。2と4が回路で繋がっていればそれは自然に解消することができる。



第2問のⅠについて


この理屈で考えればそのまま解けるはずである。
例えば(1)で金属板3にたまった電荷は$${{-\frac{3}{2}CV_0}}$$である。
一旦その金属板3を外して$${{S_B}}$$を閉じると、単純に金属板1には$${{CV_0}}$$,金属板4には$${{frac{1}{2}CV_0}}$$が貯まり、金属板2には$${{-\frac{3}{2}CV_0}}$$が貯まる。
そこに一旦外していた$${{-\frac{3}{2}CV_0}}$$の電荷を持った電極板3を元の位置に戻してあげればそれを4と2で均等に奪い合うことになる。

この時、4と2はいずれも回路につながっており、電荷の量は自由に帰られるため、1の方の影響は考える必要はない。2と4だけで解消できるので、1はただ2とコンデンサを作っているままで良いわけだ。

このように考えると(5)までは簡単な計算だけで解ける。


Ⅱについて

(1)はただ1の方にたくさん流れて4の方はその半分しか流れないので$${{1/2}}$$でOK。
(2)はその瞬間その瞬間の回路全体の電位を考えれば良い。
電流が一定になるようにしているわけだから、抵抗の部分は$${{RI_0}}$$。コンデンサ部分はどっちを取ってもいいが、とりあえず金属板1と2の電位差を考えると、時刻tまでに流れ込んだ電荷の量は単純に時間×電流なので
$${{\frac{2I_0t}{3}}}$$これをCで割ったものが電位差なので、
$${{\frac{2I_0t}{3C}}}$$となるから、抵抗の部分の電位差と合わせて
$${{RI_0 + \frac{2I_0t}{3C}}}$$

(3)は電流が流れないので、コンデンサの電位差はそのまま。
しかし抵抗には流れないので、抵抗での電位差は生じない。
なので答えは(2)から抵抗部分の電位差を取り除いた
$${{\frac{2I_0t}{3C}}}$$

(4)は0からTの間に電源がした仕事はジュール熱=VItから
$${{RI_0^2T}}$$
である。これは電流が一定であるからやりやすい。
あとはコンデンサのエネルギー{{\frac{1}{2}CV}}のVのところに電極板1と2、2と4のエネルギーを入れれば答えになる。

(5)流れる電流の量は(4)までの時と同じなので、抵抗にする仕事の量は変わらない。
また、同じ電流の量を同じ時間逆に流すということは、(4)まででコンデンサに溜め込んだ電荷を0の状態にするわけだから、(4)のコンデンサのエネルギーとして計算した項の符号が逆になる。
それで不等式を解けばOK.






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