【中学受験】中学受験で全バツだったご家庭の特徴

長い間プロ家庭教師として活動していると、「中学受験でどこも受からなかった」というご家庭は存在します。ただこういう「全バツ」だったご家庭が連絡をくださることは稀で、なかなかわかりません。ここでは、全バツが判明した家庭に共通する特徴をあげてみます。

・わからないところを保護者が解説している

→最近は、保護者がわからないところを全て解説したお子さんは、保護者の知識や解法力の1.2倍しか伸びないという調査・研究もあります。保護者の方が教えた場合、小学生の段階から大きく逸脱する解き方だったり、場当たり的で体系性の解き方だったりすることが多いです。

・滑り止めがない

→お子さんの意向を無視して、親の意向やメンツ丸出しの受験戦略が立てられることが多いです。通常は、第一志望の受験前に受かりやすい学校を受けて自信をつけたり受験本番の雰囲気を経験しておくことが勧められます。

・外部の力の利用が場当たり的である

→全バツだったご家庭の特徴として、定期的に頼んでいた家庭教師の回数を急に減らしたり、スポット的に利用するようになるケースが多いです。中学受験という高度な学力を競うレースにおいて大切なのは、定期的、継続的な指導であり、ゴールデンウィークや夏休みや冬休みに集中的にやれば驚異的に伸びるとは言い切れません。時々個別指導や家庭教師を利用してわからない問題を解説してもらう、というのは学習がとてもうまく行ってる家庭にのみ勧められる利用法です。伸び悩んでいるご家庭では、短期・中期・長期の戦略を立てて、常にその戦略の妥当性を検討し修正する姿勢が求められます。何より場当たり的な親の姿勢は子どもにも伝染するのです。

・親が受験の主役になっていて、不安定な情報源が戦略の素になっている

→ママ友コミュニティや市販のマニュアル本や親子の合格体験記が、受験の戦略の素になっていて、塾の先生や家庭教師が生でお子さんを見た上でのフィードバックが看過されているご家庭が散見されます。中学受験の主役は完全に保護者になってしまっています。

中学受験で全バツだったとしても、高校受験でリベンジすればよいですし、現に中学受験で全て落ちたけど、大学に入って勉強して医者になった、弁護士になった、公認会計士になった、研究者になった、起業して多くの従業員に恵まれている、などという人はごまんといます。

それなのに全バツだったからと言って、お子さんに侮蔑的な言葉を投げつけるハラスメントパパやママは後を絶ちません。このこと自体が大きな問題なのかもしれません。

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