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ホームインスペクターのつぶやき4

「1、基礎」 
A、ひび割れ-その2
③重度のひび割れ
基礎に中程度(幅0.5mm以上又は深さ20mm以上)のひび割れが複数ある場合や、外周側から内周側に貫通している場合は重度のひび割れとして更にしっかりとした対策が必要です。
中程度のひび割れの補修方法と同様に、ひび割れ部分をV字カット又はU字カットで幅と深さを広めにカットした上で、エポキシ樹脂を充填します。更にその上からアラミド繊維(炭素繊維)を貼り付けていきます。
アラミド繊維は軽量で、施工しやすく、耐震性も増すので、基礎補修・補強には適しています。

アラミド繊維工法

又、基礎本体に鉄筋が入っていない無筋基礎で重度のひび割れの場合には、基礎の内側(又は外側)に新しい鉄筋の基礎を作り既存の基礎と抱き合わせる方法で補強します。更に基礎の状態が悪い場合は既存の無筋基礎に鉄筋のベタ基礎(底盤部分まで鉄筋コンクリートの基礎にしたもの)を抱き合わせて補強します。費用はアラミド繊維<鉄筋基礎抱き合わせ<ベタ基礎抱き合わせとなります。

④新築の基礎のひび割れ
前回のブログから発信している基礎のひび割れは基本的に既存住宅で見られるものですが、新築住宅でも基礎のひび割れが見られる事があります。
新築の竣工検査で既にひび割れを発見するケースも少なくありません。
その中でも得に悪質と思われるケースもあります。
外周部の化粧モルタルがはじめから浮いている場合があります。これは化粧モルタルを塗る際に基礎本体の泥や汚れを落とさずに施工してしまうと発生する現象です。化粧モルタルが浮いているとすぐにひび割れが発生します。

新築の基礎の化粧モルタルがはじめから浮いていて、ひび割れが発生しているケース


又、床下に潜り、基礎の内周部を点検すると基礎に横方向に0.5mm以上のひび割れが長く続いている事があります。
これは基礎のコンクリートを打設してから固める時間を十分に取らずに上棟してしまった為、コンクリートが固まる前に上に大きな荷重がかかり発生したひび割れだと思われます。この状態では基礎の耐力が得られず欠陥と言えます。

養生期間(コンクリートが固まるための時間)が不十分だったと思われる基礎のひび割れ


又、ベタ基礎の人通口(基礎内部を通り抜けできるようにした切り込み部分)の底盤部分にはじめから幅1.5mmのひび割れが発生しており、それをコーキングといわれる簡易補修材で埋めていた事もありました。更にこの物件では被り厚(鉄筋にコンクリートが被さっている厚さ)が最低60mm必要なところ、30mmしかありませんでした。被り厚が基準の半分で、更にひび割れしていて補修方法もひどく重大な欠陥のケースです。

基礎底盤部分がひび割れ(人通口の底盤の被り厚不足、ひび割れ発生、コーキングで補修)している新築住宅

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