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ツユクサと私④
実際に現実面でも、息子に対して色々と思う出来事がありました。
夢の中でもですが、私は以前から、息子がコソコソと何か悪いことをするんじゃないか?そんな風に思っていました。(実際にそのような事もあったのですが…)
そんな時に、ふと、ツユクサの植物観察の講座を受けた時のことを思い出しました。
〝本当にそうなのかな?〟
私は自分の中で勝手に、息子はこんな子だ、と決めつけて見ているんじゃないのかな?と思いました。
息子の本当の姿を知りたいのなら、私は自分の世界を出て、本当はどうなのか、こちらから見にいかないと見えないんじゃないかな、と思いました。
ツユクサだって、丁寧に見る姿勢でいたから、あの青い花の繊細な世界を見ることができた。
息子の本当の姿は見ようとしないくせに、心配する自分の気持ちばかりをいつの間にか押し付け、私の気持ちを分かってほしい、そんな風に思っていた自分に気が付きました。
危うく、私の想いで息子を飲み込んでしまうところだった…と、ハッとしました。
そして、あの日夢で見た踏切を渡っていく息子の姿は、現実でも少しずつ親離れをしていっている息子とリンクしている様に感じました。
真夜中の踏切。
きっと渡ってしばらくすれば、朝日が昇ってくるはず。夜明け前が一番暗いだけ。
息子なりの〝やるべきこと〟があるのだろう。
きっと大丈夫。
私は夢の中で、一緒に踏切を渡ることはできなかったけれど、いつの日か、息子がまた踏切を渡って帰ってきたら、「おかえりなさい。」と笑顔で迎えてあげたい。
何があったのか、ゆっくり話を聞いてみたい。
少しずつ、息子に対しての心配な気持ちを信頼に変え〝今を生きる息子の本当の姿〟をきちんと見ていこう、と思いました。
私の世界を抜け出して、「お邪魔します。」と、丁寧に。
土足でヅカヅカと踏み荒らすことのない様に。
適当に見て、分かった気にならない様に。
ツユクサが、包む苞を開き、美しい青の世界を見せてくれた様に、息子が、その繊細な心の世界をそっと開いてくれた時には、
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ゆっくりと、私もその世界を見てみよう。
そんな風に思いました。