シリーズ2:短編小説
こんにちは! たえちゃん、ひいひい人生のシリーズ2に入ります。
実は、昨日 創作大賞2023に今までの腰椎すべり症とヘルニアの1から10までをまとめて、一つの作品として応募しました。
昨日の応募作品に関して、 スキ!フォロー!してくれたらめちゃめちゃ嬉しいです!
どうぞ宜しくお願いします。
そこで、今日から、短編小説にチャレンジしてみることにしました!
毎日少しずつ小説の続きを書いていって、最後には、又 創作大賞2023に応募しようと思っています。
みなさんの応援、宜しくお願いします!
それでは、短編小説のはじまり~はじまり~!
5月のさわやかなある日、佳奈は、パリにいた。
いつものように、ルーブル美術館で絵画の鑑賞をしてから、近くの公園のベンチに腰かけていた。
「パリの街って、どうしてこんなに美しいのだろうか?
何もかも絵になる、とは聞いていたけれど、本当にそうだな、と思う。
街角も建物も美しいけれど、そこを通りすぎる人たちもまた、美しいのだ。
そして、お互いに優しい。これは、どういうことなんだろうか。
必ず後ろの人のために、前の人はドアを開けて待っていてくれるし、
重そうなかばんを持っている女性を見れば、若い男の子がさ~と、どこからともなくとんで来て荷物を持ってくれる。
何もかもが洒落ている」
だけど、今の佳奈は、少し滅入っていた。
「あ~、私の人生、これからどうなるんだろう?」
佳奈は、一度離婚している。でもまだ33歳だ。
まだ、というのは、パリにきてから、語学学校で仲良くなったクラスメートに、「若く見える~ 信じられない」!
と言われていたから、そう思うだけのことで、
日本にいたら、おばさん扱いだ。
別れた主人との間に子供はできなかった。離婚したから、子供の将来を考えるとできなくてよかったのかもしれないけれど、
それに、子供がいないからこそ、こんな風に自由に気ままにパリに来れたのかもしれないけれど、やはりさみしい。
一人を痛感するのだ。
本当に、一人がさみしいのだ。
佳奈は、しょせん、甘ったれの末っ子だった。
語学学校で知り合った人たちは、佳奈から見たら、若い、まだ子どもだ。
だから未来に希望を抱いていた。佳奈には、まぶしく映った。
佳奈は、これから、どうしようかと、自分の将来を考えあぐねていた。
実は、ハワイの法律事務所で雇ってもらえることになったから、
会社を退職したのに、
それなのに、急に「今は雇えない、半年待ってくれ」と言われたのだ。
だけど、待ったところで確約なんてないだろう、思ったので、
考えた挙句、断った。
そこで、働いてもいない自分にゆっくり旅行できるこんなチャンスは二度とこないだろう、と思い、
気分転換のつもりで、のんびりとパリにやってきたというわけだ。
アメリカとかイギリスには、なぜか行く気がしなかった。
佳奈は、パリのロマンに憧れていた。
9月生まれのロマンティストなのだ。
でもフランス語は片手間にしか勉強したことがなかったので、
語学学校に通った。
語学学校も終わりに近づき、好きだったフランス人の先生に、
「メールとか出してもいいですか、お友達になってくれませんか」
と、お願いしたつもりだったのに、
先生から、「僕にはガールフレンドがいるから」と、
気まずそうに断られた!
佳奈の頭の中が クエッションマークでいっぱいになった。
「あれ?なんか誤解しているんじゃない?
先生と恋人になりたいなんて思っていないよ、私だって」
と思ったけれど、もちろんそんな風に、思っていることがスラスラ、フランス語で言えるわけがないから、なんか、情けなくなった。
そして絶望に陥ったのだ。
「友達作りもうまくいかない。
日本に帰ってまた、就職するのかなぁ?
でも就職もだんだん難しくなってくるよね、この年じゃ。
これと言って何か特技があるわけじゃないし」
そんなこんなで悶々としていた。
で、思ったことを手帳につづっていた時のことだ。
「ボンジュール、マドモワゼル!」と声をかけられた!
顔を上げると、何というハンサムな若い男性! まあ、若いといっても30代半ばだろうけれど、
ということは、「私と同い年?」 佳奈はとっさに思った。
とにかく映画スターのように、ハンサムなのだ。
背も高いし、スタイルもいい。
びっくりして、思わず、
「ボンジュール!サバ?」 と 満面の笑顔で 挨拶を返していた。
佳奈は、自分のことを棚に上げて、面食いだ。
俳優も、若くてハンサムな人ばかり好んだ。
ブラッドピット、オーランド・ブルーム、ジュード・ロウとか。
この人は、彼らに匹敵するくらいハンサムだ!
佳奈の心は、バクバクしていた。