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「雷と土砂降り」

夜、駅に降りたら、改札あたりでもう空気に細かい雨が混じっていたので、外が非常な土砂降りだとわかった。
改札を出ると駅の透明な天井が切れたところで、傘を出したり時計を見たり電話したりで、雨の強さに帰宅を躊躇している人たちがざわついていた。傘をさせば済むような雨ではなかったから。
雨はドウドウしていて、雷も鳴り出した。
家まで徒歩10分。傘無し。
よしっ。
こういうとき、私の中に緊急特別非常事態宣言が発動して「好きにしちゃっていいのね?しかたないなあ」的なわくわくが起きる。(なぜかは知らぬ)
ワンピース:綿。
鞄:合皮。
靴:樹脂のサンダルに裸足。
濡れて品質の落ちるもの、ナシ。
天井の切れるところまで歩きながら、スマホを鞄に入れ、雨が入らないようにくるくると巻いて脇に挟んで、そのまま雨の中に突進した。楽しかった。
足元は全部薄い水溜りで、坂道は川ができている。
暗いから誰とすれ違っても気にならない。
坂道の川をじゃぼじゃぼと遡っているとき、向こうから足早にやってくる傘無しの4人家族とすれ違った。
水をかぶったようなずぶぬれ方で、大人3人は肩をすぼめていたけど、すれ違うときに小学生くらいの女の子がニーッと歯を見せて笑った。私も同じように笑った。暗い中で歯がよく見えた。私の歯も見えただろう。
わし、わし。
家に着く頃、雨脚が弱まった。
玄関がぽたぽたで水溜りになってしまった。
今お風呂を沸かしているところ。
雨は冷たくなくて、気持ち良かった。なるべくうつむかずに歩いたので、目に雨が沢山入ったけど、家に帰ったら視界がとてもすっきりしていた。
眉毛とまつ毛って、目に汗が入らないための毛だったなー、と昔々剣道部で訳のわからないしごきを受けながら、いつも面の中で目に汗がしみていたのを思い出しました。
いくつになっても、空から何かが降ってくるって、面白い。
沢山振ってくる。
花や木の実や葉っぱが落ちてきても面白いけど、
見えないくらい遠い遠いところからなにかしらが落ちてくるってのは、毎度毎度、新鮮に感じます。(バカなのかも)
じゃお風呂に入ってきましょう。
豪雨に当たった皆様は、風邪をひかぬよう。
雨はとっくに静まって、嘘のように秋の虫が鳴いております。
明日からのサロンの空きは
7(月)17時、19時
8(火)11時、13時
9(水)-13(月)受付終了しております。
http://www.iki-aoyama.com/
からどうぞ。
ではでは、豊かな夜の続きを。

(2020年)

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秋山妙子
言語化能力でなにかしら換金できたらと考えて投稿を公開しています。投げ銭のようにサポートいただけたら嬉しいです。