見出し画像

副軸の彼等4

全然違う人


忙しい日々は続くけど
遠くの男より近場で会える人はどうだろう
距離ってやっぱり大事じゃない?
そう思って近くに住むの人を探してた
46歳バツ1
サッカーのコーチしてますよ
って人から連絡あり
ちょっと興味ある
普段は営業マンで忙しくしていると
話していた
やり取りする中で面識がない事を
確認した上でいつか会いたいね
ってなった
顔写真を公開してなかったので
私が写真が見たいって言ったら
サッカーチームの集合写真が送られてきた
何年か前の物だって言うけど
スラッとして集団の中では一番よく見えた
電話しましょうってなって
電話もした声も低くてかっこいい気がした
会うまでは好きな音楽の話とかして
いい感じだなぁって思ってた

私に隙間時間ができたので
日曜の夕方会うことになった
オススメの焼肉屋さんがあると言ってたので
そこの近くで待ち合わせをした
待合わせ直前になって
場所を変更して欲しいと言われた
焼肉屋さんより場所が離れていた
もう少しで着くっと思った頃
今度はバイクで来たから私の車に
乗せて欲しいと連絡があった…
なんか…モヤモヤした感じ
なんで車で来てないの…
待合わせ場所に車を停めて
窓をノックされた
やっと待合わせに現れた人

ただの小さいオジサン…
えっ写真と全然違う…!

有無をも言わせず車のドアを
空けて普通に話しかけてきた
バイクを安全な場所に置きたいからと
「俺の家の近くまで来て」
と言われた
彼のバイクの先導で指定された場所に行く
この時私はなぜ帰らなかったのか…
撒いて帰れば良かったと何度も思った
きっと 色々混乱していたのだろう

バイクを置いて彼が車に乗り込んできた
ズケズケと乗り込んできた
瞬間に私の不快指数100%に達した
車を走らせながら
横目で何度も顔を凝視した
「えっなに?思ってた感じと違った?」
オジサンはヘラヘラと言う
私もオバサンだけど とても同じくらいには
思えない年齢詐称してない?
「あの 嘘ついてますよね?」
我慢できなかった
「えっ何を?」 
「その歳とか写真も全然別人じゃないですか?!」
追求せずにはいられない
「そんな事ないよ あれ俺だよ
 少し古い写真だけど」
いやいや 昔の写真載せるのはあるあるだけど
全然違う人じゃん!
嘘つけ!オッサン!
「ホントの事言って欲しいなぁ
 今日会ってる間にホントの事
 言ってくれるの待ってます」
私の全力の優しさ
聞いてないフリされた…
そんな事話してたら焼肉屋に到着
すでに待ちの人でいっぱい 
「やばいなぁめっちゃ人いっぱいだね」
「えっ予約してないんですか?」
「うん でもさ待つのも楽しいじゃん」
はぁ?何いってんの?
デートの約束しといて
自分で店進めてきといて
予約してないだと!!

そう言えば
本軸の彼はいつも予約してくれてる

帰りたい…
じっとその場で待つのも嫌だったので
その辺りをドライブする事にした
30分間彼の理想の結婚を聞かされた
46歳にして再婚して一緒のお墓に入る人を
探しているらしい
だから私は対抗して
本軸の彼の話をして本気の付き合いは
誰ともしたくないと話した

焼肉屋に戻ったけど
まだいっぱいだったので
他の店を探す事にした
それから1時間彼のナビで
ぐるぐる探し回って
やっと居酒屋に入る事ができた
こんなに段取りの悪い人間に出会った事ない 
営業してる?ホントに仕事できてる?
ご飯食べに行くとこ決まるまでに
トータル2時間かかった
お腹空いてるの次元を超えていた
居酒屋に入って
「好きな物頼んでいいよ」
と言われたので私が2〜3品選ぶと
自分も食べたいものあると言われ
1品減らされた
そしてあんまりいっぱい頼まないでね
と言われた… 
散々連れ回されてナニ?
「絶対に写真別人ですよね」
私は念押しで聞いたけど
オッサンは笑ってるだけだった 
もう イラつきMAXになって 
私はケータイ見まくる作戦に出た
目の前で友達にこの現状を
リアルタイムで知らせた
友達から電話かかってきて  
急いでトイレに行って話した
もうその人がどう言う感じで待っていても
どうでもよかった 
ほぼ会話も覚えてない
私は確実に感じ悪い女だったけど
それで良かった
だけど彼は意外と満足そうでもあった
彼の家の近くに降ろして
さよならした

めちゃくちゃ疲れる人だった
開放されてすぐに私は友達に電話した
「めっちゃ最悪な人だった」
と友達と話しながら笑っていると
停車中の車の窓をノックする音がした
振り向くと
バイクに乗ったオッサンだった!
私は慌てて電話を切って車を発進させた
なに?私なんか忘れ物したっけ?
手触りでカバンの中を確認した
財布 ケータイ ある!
それだけあれば他に忘れ物してても
大丈夫!
バックミラーを見ると後ろから
バイクが追いかけて来てる
段々追いつかれて並走になる
オッサンが手を振ってきた!
「きもいー!」
私は車の中で一人で叫んだ
こんなに嫌なのに
伝わってなくて
しかも並走されてるマジでない!
こんなに運転に集中した事があっただろうか
私は速度を上げながら色々な道を曲りまくった

なんとか撒けた…
めちゃくちゃ怖かった
恐怖の報告を友達に電話で告げた
少ししてからそのオッサンから
「俺なにかした?」
ってメッセージ来たけど何も返さなかった

教訓としては
・写真は疑え
・集合写真は絶対ダメ 

そして しばらく並走する
バイクが怖くなったのでした…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?