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【サブ3.5を目指す】東北・みやぎ復興マラソン2024に出る(当日編)

この記事は…

  • 2024/11/3(日)に出場した東北・みやぎ復興マラソン2024の体験記です

  • PBを12分更新しました!(ネット:3:48'25"→3:35'57")

  • 気持ちに負けた悔しさはあれど…フルマラソン攻略には経験値も大きい


フルマラソン3本目!
2024/11/3(日)に開催された東北・みやぎ復興マラソンに出走しました。

■プラン

これまでに出走した横浜マラソン京都マラソンと比べるとほぼフラット。言い訳やごまかしが効かない、実力が試されるレースのように思います…

https://www.fukko-marathon.jp/runner/course/ より引用(2024/11/5)

▼前提

  • 昨季のタイムが反映されてBブロックスタート(サブ3.5ペーサー付き)

  • 橋やかさあげ道路の合流・離脱で多少の高低差はあるがほぼフラット

  • 東部復興道路は風が強そう

サブ3.5!を強く願いすぎると豆腐メンタルな僕にはネガティブな影響が出そうなので、2024年の京都マラソンで記録したPB(3:48'25")更新を誓いつつ、気持ちよく走ることをテーマにしようと思いました。

▼走行プラン

  • ベースは4'50"/kmで走りたい

  • 高低差の攻略・リラックス時・しんどい時でも5'00"/kmを意識したい

  • 終盤(30km~)は5'20"/kmくらい落ちてもいい

  • 給水はすべて摂る。中盤~終盤はペースを落としてもしっかり飲む

ラン界隈では「30kmを折り返しと思うべし!」とか「30km以降でラップベストが記録できるように管理しよう!」といったアドバイスを聞いたことがありますが、僕の場合はどうペース管理しても終盤は垂れてしまうイメージしか沸かないので序盤からしっかりとペースを作って可能なかぎり維持する、逃げのレースにトライしてみます。

プラン通りにいけば3:31'02"が予想タイム。終盤の垂れを引き締めることができればサブ3.5も夢じゃないし、サブ3.5が達成できなくても次以降のレースにつながりそう。我ながらめちゃくちゃ腹落ちするプランになりました。

■スタート前

前日までのカーボローディングに加え、レース直前までエネルギーの蓄積に努めます。

▼4:30 起床
早寝には成功したのに夜中に目が覚めてしまって二度寝に苦戦…仕方がないので起き上がり、スタート(9:10)3時間前までに摂りたい食事をゆっくり進めます。
・食事:うどん、わらび餅、羊羹、バナナ1本、モルテン320(半分)

▼7:40 弘進ゴムアスリートパーク仙台到着
スタート地点に到着。公園内は広くて場所取りに悩まなくていいのが嬉しい。スタートの30分前にはブロック待機したいので早速準備を進めます。

持ち物
・補給食:アミノサウルス(黒02×3)、モルテンGEL100(白CAF100)
・予備食:塩ジェル×2、アミノサウルス(白01)
・予備薬:コムレケア(1個装4錠)
・COROS Pace3(w/COROS心拍センサー)
・New-HALE ニーダッシュ(膝下・膝上、計4枚)

事前補給(スタート30分前を目安)
・アミノバイタル パーフェクトエネルギー
・アミノバイタル プロ(1本)
・ウィダーインゼリー(エネルギー)
・モルテン320(残り半分)

仙台を走るのにこの方のユニフォームを選ばない理由はない!無尽蔵のスタミナ、セレッソ大阪の奥埜選手にあやかります。

▼8:40 ブロック待機(前から2つ目の「B」ブロック)
直前まで雨予報だったものの当日は晴天。肌にジリっと射すような日差しが気になります。風が吹いてくれると体感は変わるはず。あまりナーバスにならないように言い聞かせます。いずれにしても水分補給はしっかり。

▼9:10 先頭ブロックスタート~スタートラインへ
この位置ならセレモニーもしっかり聞こえる(嬉しい)!
やがてカウントダウンが始まって…号砲!
前方から「A」ブロックランナーが地面を蹴る音が聞こえて、ほどなく「B」ブロックも密集がぬるっとほどけます。あっという間にスタートラインをまたぎました。(グロスとネットのタイム差も1分未満です)

■0~5km 4'54"/km(179spm)

弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市民球場周辺

初めて前方ブロックからのスタート。理想のペースへの到達も早くて混雑も少ない。踏み込みたくなる気持ちを抑えてまずはリラックス。しっかりとピッチを軌道に乗せることを心掛ける。

梅田川にかかる新田東大橋が目前に迫る。この大会の高低の山場は5キロを超えてから(逆にそれ以外は意識しなくてよい)と思っていたので、ノーマークだった序盤の坂の意外にパンチのある勾配に面喰いバタバタと情けないランをする。

  • 心拍数は155bpmを上限、ピッチは180spm近辺の維持を心掛ける。概ねイメージ通りの滑り出し。

■5~10km 4'51"/km(178spm)

仙台市民球場周辺~仙台東部道路×七北田川の交差周辺

無心で距離を刻む。相変わらず給水が下手で困る。ポカリは鼻からも入ってくるし手はベタベタする。勾配No.1の宮城野大橋とNo.2のJR仙石線跨線橋が続けて迫るが、これは覚悟をしていたので難なくクリア。あとはほぼフラット、自分との勝負だ。

中野石橋交差点でこれまで駆けてきた141号線から仙台東部道路の高架に沿う歩道に進入する。幅員がギューっと狭くなり、ランナーがグッと密集する。脚がぶつかりそうだ。ヒヤヒヤする。注意深く進む。

あれ?そういえばサブ3.5ペーサーが付くはずだけど…どこ?

  • 心拍数は155bpmを維持、ピッチが180spmを維持できなくてモヤモヤするが流れに乗ってリラックス優先で走ることを心掛けている。

  • 手元の時計で8km到達を確認。約8.8km地点のエイドで水を流し込めるようにアミノサウルス(黒)を補給しておく。

■10~15km 4'53"/km(177spm)

仙台東部道路×七北田川の交差周辺~高砂橋周辺

県道139号・蒲生福田線を走る。折り返しポイントに向けて「なかの伝承の丘」や「東日本大震災慰霊の塔」を過ぎる。忘れてはならない、あの日を想ってキュッと目を瞑る。

高さを増した太陽の日差しと太平洋からの海風を感じる。七北田川にかかる高砂橋で初めてのスライド。先行ランナーが颯爽と橋を渡っていく。さらに幅員が引き締まる。こわいこわい。

ここでサブ3.5ペーサーとスライド!サブ3.5に向けて貯金を作りながら走っているつもりなんだけど随分先だな…少し混乱する。

  • 心拍数は155bpmを維持、いい感じ。ピッチは相変わらず少ないが自分のペースで走りにくい区間でもあったため悲観せずに進む。

■15~20km 4'46"/km(177spm)

高砂橋周辺~東部復興道路:JRフルーツパーク仙台あらはま周辺

10km以上つづく東部復興道路(かさ上げ道路)を行く。仙台東部を守る機能も有する震災復興のシンボル。太平洋沿岸部まで遠い気がするのだけど、この位置に復興道路がある理由を想像して震災の規模の大きさに胸が詰まる。

東部復興道路は北西からの追い風。ようやくサブ3.5集団に追いついた。まだ押せる。逃げられるうちに逃げておきたくて集団の前に出る。それにしても15キロを過ぎるまでこの集団を捕まえられないなんて。もしかして終盤に向けて貯金を作っているのだろうか。思い切ってペーサーさんにペース管理を聞いてみると「速くない!ちょうどだよ!」と教えてくださった。なるほど、グロスでサブ3.5ってことか…

  • 心拍数は一定。東部復興道路は追い風に乗って自然とペースが上がる。この日の最速ラップは17km区間の4'32"/kmだった(飛ばしすぎ

  • 手元の時計で17km到達を確認。約17.7km地点のエイドで水を流し込めるようにアミノサウルス(黒)を補給しておく。

■20~25km 4'52"/km(177spm)

東部復興道路:JRフルーツパーク仙台あらはま周辺~閖上大橋

プランでは20km以降は数秒ほどペースを落としてもよいことにした。甘えない程度にリラックスする。直線で幅の広い東部復興道路が続き、考える頭も残っている。身体の状態はどうだろうか…

  • 左足つま先に接地の衝撃が強めに伝わっている気がする(フラグ)

  • 右足のハムストリングが若干張ってきている気がする

  • 横浜マラソン京都マラソンで盛大に攣った内側広筋は耐えている

特に右足の違和感が気になる。攣る予兆と捉えてコムレケアを服用。続けて塩ジェルもひとつ摂っておく。きついと思う局面も増えてきたが、体感ほどはペースが落ちない。ここまでは自分がレースをコントロールできている。

  • ペースと合わせて心拍数も153bpmまで落ちる。

  • ハーフ到達はプランより1分早い

■25~30km 4'58"/km(175spm)

閖上大橋~広浦防災公園

閖上大橋を渡って仙台市から名取市に入る。明らかに疲労がたまってきた。ペースが垂れるような感覚に襲われるが、手元の時計の数字は悪くない。

沿道の皆様から「来てくれてありがとう!」と声を掛けていただく。こちらこそありがとうございます…応援の後押しを受けてランを引き締める。30km手前で遥か先を行くランナーとスライド。(この体験記を書きながら、その差がほぼ10kmだったことを知って驚いている…)

  • 心拍数は155bpm程度まで取り戻すも、ビッチが落ち始めた。自覚はあって瞬間的にはピッチを刻むが維持が難しい。

  • 手元の時計で27km到達を確認してモルテン100(白)を補給。今回は割とストイックに事前のカフェイン摂取を断ってきた。効果はいかほど?

■30~35km 5'07"/km(174spm)

広浦防災公園~仙台空港周辺

旅客機が頭上を飛んでいく。仙台空港が近い。いよいよ最終局面だ。クネクネと曲がりが多いレイアウト。強めの風が追い風にもなり、横風にも、向かい風にもなる。ここから先はペースは落ちても仕方がない。気持ちの勝負。

京都マラソンでは32km付近から明らかに失速した。今回はまだ身体は動きそうだ。あと10キロくらい何とかならんか。後ろを振り返る。サブ3.5集団はまだ見えない。前半の貯金をうまく使いながら終盤でペーサーに捕まれば上出来だ。塩ジェルを摂って脚攣りに備えておく。

…と思っていたところ、「千年希望の丘相野釜公園」内を周回中、34kmに到達した辺り。何の前触れもなく、突然、がぶり!とサブ3.5集団に飲み込まれた。あとからデータを見ればここでペーサーに抜かれて間違いなかったのだけど、想定以上に早く追いつかれてしまったことがショックだった。

  • 心拍数は160bpmを打ち始めている。ペーサーに追いつかれた直後の1キロはペースもピッチも露骨に低下したが、35キロまでの1キロで何とか持ち直した。向かい風きつい…

  • 手元の時計で33km到達を確認してアミノサウルス(黒)を補給。27km付近で摂取したカフェインが確かに効いている気がする。キツイ局面だが意識はしっかりとしている。

■35~40km 5'59"/km(165spm)

仙台空港周辺~仙台空港アクセス線・美田園駅周辺

サブ3.5集団に振り落とされまいと必死に食らいつく。ペーサーさんもランナーを鼓舞してくれる。スライドではすれ違うランナーが集団を見てサブ3.5達成を応援してくれる。それに応える余裕のある集団内のランナーもいる。僕は情けないことに声を出すどころか、視線を前に置く気力も失いかけている

振り落とされてなるものか!必死に食らいつく!
が、突然の集団走に戸惑ってしまい、幅員の狭い区間で自分のスペースを見つけるのが難しい。事故っては元も子もないので1人、また1人とランナーにスペースを譲っているうちにペーサーが離れてしまう。そんなことを繰り返していたところ、36kmを越えたあたりで気が付けばサブ3.5集団と100メートル程度離れてしまった。

これは完全に振り落とされた。あああ、サブ3.5が逃げていく~。
そして甘えが出た。ついに歩いてしまった。

ぴえん。

ところが過去の2レースと違うところ…レース終盤に悩まされた内側広筋の脚攣りがない(厳密には軽度で済んでいる)ことに気が付く。つらくて歩いてしまったが、止まらなくても大丈夫そうだ。数百メートル走って数十メートル歩いて…何とか止まらない、歩みをとめない。

■40~42.195km 6'25"/km(170spm)

仙台空港アクセス線・美田園駅周辺~名取市文化会館

あの震災からの復興の様子を目に焼き付けておきたくてこのレースを選び、むしろ「走らせてくれて、応援してくれて、ありがとう」と言わねばならない立場の僕が「来てくれてありがとう」と声援をもらって、ちんたら歩いているわけにはいかない。41kmの到達を確認したあとは意地のサブ3.5ペースを回復、そこからは粘りのランでフィニッシュゲートをくぐった。

時計はグロスで3:36'49、ネットでは3:35'57"だった何とかPB更新。

何の言い訳もない、自分の実力はこうだと分かる気持ちのいいレースでした。ありがとう…ありがとう…とても温かいレースでした。

■振り返り

シーズン初戦、まずは完走とPB更新が達成できてよかったです。サブ3.5集団についていけなかったこと、歩いてしまったことは悔しいですが、初めて止まらずにゴールができたことは自信にしていいなと思いました。

フルマラソンで狙ったレコードを達成するためには戦略も必要だなと思いました。自分のパフォーマンスを理解して、エントリーしたレースの特徴を理解して、うまくいかなかった場合のコンティンジェンシープランを持っておく。出走回数を重ねることで新しい発見があることもまた、マラソンの醍醐味だなと思いました。

KEEP

  • ロング走の導入は一定の効果あり!

    • 2月の京都マラソン以降、30kmと20~25km走を数本づつ定期的に取り組めたことで長時間動く身体はできてきた気がする。

  • コースの下調べ、チャレンジも織り込んだプラン作成が功を奏した

    • 絶対に守りたいライン・トライしたいラインを明確にして、当日の自分のコンディションを踏まえながら幅の中でレースに取り組めた

  • 脚攣り対策はバッチリだった(?)

    • 完全に攣ってしまって停止することがなかった。水分補給、補強テープ、塩ジェル、コムレケアのケアが効果ありだった。

    • 横浜マラソン京都マラソンで悩んだ両脚の内側広筋はほぼ攣らなかった(耐えた)。ガチオさん(https://note.com/gachio_running/)に頂いた筋トレのアドバイスが効いた。

Problem

  • 気持ちで負けた…

    • おそらく余裕のあるレース運びは記録を狙う以上あり得ないので、終盤にいかに気持ちを折らないかが大事…甘えが出た…

  • 爪下血種(足の親指の内出血)を派手にやった

    • 東部復興道路を走るあたりに感じた左足親指へのコツンコツンという感覚は間違っていなかった。パンパンに親指が腫れてしまい、爪は変色している。幸い折れてはいなかったが結果的にこのあと3週間のランオフが余儀なくされてしまった…

  • 前もも・ふくらはぎに激しい筋肉痛が出た

    • フォーム改善に取り組んで臨んだレース。結果的に前もも・ふくらはぎに痛みが出るということは経済的なフォームで走れていない証拠。フォトサービスを確認すると、ヒールストライクで走っている区間があってがっかりだった…

Try

  • 止まりたい・歩きたい、トレーニングから改めてみる

    • 日頃のちょっとしたロング走や閾値走にありがちな「少しくらい止まろう・歩こう」からマインドを変えてみる。ペースは落としてもいいからランを止めないようにしてみよう。

  • 脚の事前ケアにもう少し神経を使う

    • 筋肉系以外のトラブルは本当に悔しい。過去の横浜マラソン京都マラソンでは左足の母指球のあたりに血豆を作ってしまうし、今回は派手な爪下血種をやってしまった。左にトラブルが出やすいという事実を踏まえて、ギアを慎重に締めるなどは当たり前のこと、レース中の脚の状態を想像しながら必要な事前措置を取っていきたい。

  • 引き続き経済的なフォームを意識する

    • 真下着地の徹底、お尻の使い方。できるだけ負荷が少なくて効率のよいフォームを引き続き探究、身に付けるところまで意識したい。

30キロ走では顕在化しない課題が、たった12キロ上積みするだけでたくさん顕在化するので不思議だなあ、と。3度のフルマラソン出場ですが、毎回手ごたえを感じる部分と毎回あらたな課題だと思う部分が出てくる点がおもしろいなと思いました。それも含めてファンラン!引き続きがんばります!

タエン

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