メロン‥つながる‥愛
前回「私はメロンが好き」と書いたのだが、書いているうち蘇ってきた思い出がある。
もう何十年も前の話・・・まだ新入社員で何をみても笑ってしまう純粋なお年頃、突然年上の同僚から紙袋を手渡された。
中に入っていたのは「メロン2玉」。
「田舎から送ってきて食べきれないから食べて」と普段無口なその人は笑いながら手渡してくれた。
戸惑いながらも、まだ純粋な私はお礼を言って家へ持ち帰り、「なぜくれたのかなぁ」とつぶやきながら美味しくいただいた。
その数年後の夏、私は北の地の畑にいた。
そこは朴訥な老夫婦が大切にしている畑。特産のメロン、スイカが大切に育てられていた。
サラリーマン家庭の私にとって、メロンは頻繁にたべるものではなかったし、メロン、スイカの畑をみることも初めてだった。その老夫婦の方言は最初わからなかったが、私を笑顔で迎え入れてくれた。
「お父さんとなぜ結婚したの?」
成人を迎えた子供が笑いながら、興味津々聞いてきた。
「んー、そうだね。メロンをくれたからかな」
私も笑いながら答えた。
そう、あのメロンは離れて暮らす息子を想う今は亡き両親からの愛、そして今の私や子供達へと繋がっていったメロンだったと思っている。
☆あなたにも大切な忘れられない食べ物はありますか(*^_^*)