20代。ちょっとのめりこんだ不倫の話 その2
2003年の、夏。
バーベキューをした夜、カズキくんに告白された私は…
前夫に隠れて、メールのやり取りをするようになりました。
カズキくんは、ゴリゴリに口説くタイプの男性でした。
「好き♡会いたい♡」
おおむね、こんな内容のメールでした。
私はドキドキしながら、返事を打っていたのです。
船舶免許を持っていたカズキくんは、マリンジェット(ジェットスキー)も持っていました。
私と前夫、そしてカズキくん夫妻、タクヤくんの5人で、よく海に行ったものです。
カズキくんのマリンジェットは2人乗りで、私もよく乗せてもらいました。
私を前に乗せ、カズキくんは後ろに乗っての運転。
ちょうど、後ろから抱きかかえられるような感じです。
私がマリンジェットに乗せてもらっても、前夫は特に気にしていない様子でした。
前夫もまた、マリンジェットに乗せてもらっていたからです。
カズキくんとマリンジェットに乗り、陸から遠く離れた洋上に出ると…
彼はエンジンを止め、私にキスをしました。
それも、濃厚なやつを。
お互いに、楽しんでいたのは「スリル」そして「背徳感」でした。
それぞれのパートナーの目をかいくぐって、二人で会うことも増えました。
といっても、ホテルに行ったりするわけではなく…
車の中で少しだけ話をする、そんなわずかな逢瀬でした。
それでもお互い、満足でした。
カズキくんは、会うたびに「好き。愛してる」とささやいてきました。
私は最初から、完全に「遊び」のつもりでした。
しかし、だんだん深みへとはまっていきました。
カズキくんの屈託のない笑顔…
ちらりと覗く八重歯…
そして、会うたびに私を抱きしめる、力強い腕。
ついに、私はカズキくんに「恋」をしてしまったのです。
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