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自分が「助かりたい」と思ったら。

職場のTさん(正社員・50歳)は、いつも不満をこぼしています。
その最たる理由は、会社の待遇について、です。

今の時代、私の職場は、景気もそれほど良くないです。
原油は上がる一方、なのに売値は価格競争。

ゆえに、給料が全く上がらない。
なので、がんばって仕事をしよう、という気にならない。

さらに、正社員であるTさんは、拘束時間も長い。
勤務時間の割に、現状の給料額では少なすぎる。

Tさんは、ちょくちょくそんなことを言っています。

Tさんは、とても真面目な人です。
融通がきかない、ともいえます。

そんなTさんは、給料のこと以外にも、不満が多いようで…
お客さんに対する愚痴も、時々聞きます。

そのことを、夫に言ったことがありました。
もちろん、「上司として」ではなく「夫として」です。
世間話、として。
(夫は、同じ職場の上司です)

で、夫が私にどう言ったかというと…


確かに、俺も給料上がってないよ。
でもな、問題はそこじゃないねん。

Tさん見てて、どう思う?
給料が上がる要素があると思うか?

仕事してても、ボケーっと立ってるだけで、自分から何かしようとせぇへんやん。
お客さんに何か言われても「ウチではできません」て言うて、仕事断るやん。

そんな人が、どやって待遇上がるんよ。
で、自分の仕事内容を棚に上げて、文句ばっかり言うてるわけやん?
そんなんで、給料上がるわけないやん。

俺、よく言うやん?
「自分が助かりたかったら、人を助けることや」て。
あの人は、誰も助けてない。

お客さんも助けへん、会社も助けへん。
それで自分だけ助かりたいなんて、甘えもええとこや。

俺はな、お客さんに仕事頼まれたら、仕事以上のことをちょっとだけ、やるねん。
オイル交換、て言われたらついでにタイヤの空気圧も見る、運転席の足元が汚れてたら掃除機かける、いつもやってるやん。

お客さんはな、そんなとこを見てくれてるねん。
だから、自分がミスした時も、お客さんが助けてくれるねん。

※実際ありました。
夫が洗車でお客さんの車を傷つけてしまった時、
「ああ、しゃあないよ。店長かて人間なんやし。会社の保険使えるんか?使えんかったら、俺、自分の車両保険使うで?」
とまで言ってもらったことがありました。

だけどな、Tさんはそうとちゃうやろ。
だからミスした時、お客さんに怒られるねん。

会社に対しても、そうや。
あの人がトイレ掃除してるん、見たことあるか?ないやろ。
店に来てくれるお客さんに感謝して、気持よく使ってもらいたい。
だから俺は、いつもトイレ掃除するねん。

だいたい、「感謝」のない人間はアカンねん。
俺は神仏に感謝して、お客さんに感謝して、こんな俺でも職場で使ってもらってることに感謝して、嫁に感謝してるねん。
だから、回り回って、俺も感謝していただける存在になれるねん。

まず「感謝」をせんと、不満ばっかり言うてる人に、良い事があると思うか?
神仏も、人も、ちゃんと見てるねんで。


夫、珍しく正論言った!!!
…というのが、正直な感想でした。

確かに。
夫はいつも「ありがとう」を欠かしません。
誰に対しても。

「ありがとう 言われたあなたは 観音様」
と、お坊さんの本に書かれていたことを思い出しました。
なるほどなぁ。

普段、超絶天然で…
会話がほとんど噛み合わあない夫ですが。

この時ばかりは、全面的に夫に同意、でした。
ううむ。

自分が助かりたかったら、人を助けること。
自分の胸に、今ふたたび刻んでおこうと思います。

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中岡 はじめ
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