「鳥と恋の饗宴」審査員賞3句、主催よりごあいさつ
おかげさまをもちまして、大盛況のうちに「鳥と恋の饗宴」は全日程を終了いたしました。
それもこれも、ふとした思いつき企画にノッてくださった相方・橘鶫さん…
そしてご参加、ご投票くださったみなさまのおかげです。
ここに深くお礼申しあげます。
さて、まどろっこしいのは苦手ですので、ここに「中岡はじめ 審査員賞」を発表させていただききます。
もう本当に、どの句も素晴らしかった。
選ぶのに苦労しました。
まずは。
アポロさん
「淡雪」を、「秘めた恋心」と私は解釈しました。
それを死ぬまで抱く…
いったい、どれほどの恋心なのか。
淡雪のような、淡い想いなのか。
いやいや死ぬまで抱くところを見ると、深い想いなのか。
推して知るべし。
また、「淡雪」「夜鳥」の風景も美しいと思いました。
句そのままの風景を想像するなら…
冷たい冬の夜、ふわふわと降る白い淡雪。
そして、夜鳥。
「淡雪」をそのままの景色として解釈しても、「秘めた想い」と想像しても、意味は通じます。
実際アポロさんも、この句の記事コメント欄で「一句で二度美味しいやつ(笑)」と書かれています。
素晴らしい投句、ありがとうございました!
晴田そわかさん
淑気(しゅくき)
迦陵頻伽(かりょうびんが)
これは…
まがりなりにも、仏教界の超絶すみっこに籍を置いている私は…
唸りました。
迦陵頻伽とは…
なるほど、この「鳥」は思いつきませんでした。
あらためて、
淑気満つ寺塔へ迦陵嚬伽かな
淑気満つ、は季語です。
新年を迎えた寺塔に、迦陵頻伽の歌声が響く。
なんという荘厳。
そして美。
圧巻でございました。
ラベンダーさん
閨(ねや)
「閨」ですよアナタ!!
かっちーさんに「色句職人」と称していただいた私も、よく使う言葉です。
閨、つまりは寝室。
布団などの寝具そのものを指すこともあります。
ちょっと色っぽい言葉ですよね。
時告げる鳥啼く前に閨を出る
時を告げる鳥が啼く前に、閨を出る…
つまりは、夜も明けきらぬ早朝に、起きだすわけです。
そして、人目につかぬうちに、部屋を後にする。
果たして、どんな関係なのでしょうか。
背徳の香りが漂います。
また私は、古典の世界が大好きです。
こちらの句全体を見ますと、平安時代の香りもほのかに漂ってきます。
香をくゆらせた閨、一夜を過ごした男女。
音もなく局から立ち去る男性。
まさに、色と美、そして鳥を詠みこんだ…
私にとっては名句です!!
さて、「鳥と恋の饗宴」のあとは…
すでに開催中の「沙々杯」も盛り上がっております!!
こちらもぜひ、ご参加ください!
沙々杯は、「冬っぽい句」であればOKです。
鳥と恋の「縛り」はありませんよー!!
【スペシャルサンクス】
橘鶫さん
少し的を外れた鳥好き。
鳥の絵を描かせたら、すごいとしか言いようがありません。
橘鶫さんがいたから、今回の企画を成功させることができました。
実は橘鶫さんとは、それほど長いお付き合いではありません。
親しくさせていただくようになったのは、沙々杯でシステム担当としてコンビを組むようになってからです。
で、鶫さんが私の記事にコメントして下さったりしてるうちに、
「あ、なんか近い」
という感覚がありました。
また、今回の企画は「沙々杯」に向けたシステムの予行も兼ねていたのですが、もうバッチリ。
投句の回収からリスト化、さらに一次選考まで…
お互いの意思疎通もバッチリ。
最強の相方です。
これからもよろしくお願いします!
ラベンダーさん
今日が一番若い日をモットーと生息中、私と同じく阪神タイガースを愛するお方です。
ラベンダーさんは、企画後半で、投句回収をお手伝いいただきました。
私はずっと仕事だったので、もう本当に助かりました。
私がなかなか動けない間、いただいた投句にコメントをしてくださり、また期間中は多忙だった私のことを気遣ってくれたり。
時には関西らしい「笑い」で、癒していただきました。
ラベンダーさんも、沙々杯の運営メンバーとしてご活躍されています。
またご本人は、年内に「俳句200句」を目指して、がんばっておられます。
感謝!!!