ゲレンデ内の接触事故について、スノーボーダーを追い越す際の注意点
スノーボードが普及し始めた30年程前、私が滑っていたスキー場にはスノーボーダーはほとんどおらず、今で例えるならたまに見かけるテレマーカーや、スノースクーター位の割合でしかいなかった。
よって、コース上に座っていたとしても、私はさほど気にならなかった。
それから10年、私もスノーボーダーとなり数年が経ち、ゲレンデ内を見渡すとスノーボード人口はすっかり高くなっていた。
そしてスノーボーダーは増えたが、滑走技術はスキーヤーに及ばない人も多く、コースのど真ん中に座って結果的に進路を塞いでいる光景も見られた。
「スノーボーダーはコースの真ん中でも座るから邪魔だ」と、そう言った声が頻繁に聞こえてきた。
更に10年経ち、圧倒的にスノーボード人口の方が勝り、そして滑走技術、滑走スピードもスキーヤーと同レベルになった(ここではゲレンデ内の一般の方の話として)。
しかしビギナーの方は一定数いる訳で、当然コース上に座ってしまう事もある。
過去にスキーヤーに嫌がられた行為は、無くなる事はなく(別にスノーボーダーが皆、邪魔する為に故意に座っている訳では無いが)、今度は別の問題が生じてきた。
それは接触事故。
それまでスキーヤーは、座っているスノーボーダーを邪魔だと思いながらも、距離をおいて避ける事が出来ていた。
しかし今や動けるスノーボーダーが大半を占めるようになり、スキーヤーは(勿論スノーボーダーも)スノーボーダーを避ける技術は勿論、その中でスノーボーダーの動きを予測する事も学ぶ必要があると思う。
スキーヤーはコースの左右を見渡せて、幅広い視界を確保出来るが、スノーボードは上半身がコースの左右どちらかに向く姿勢で滑る為、背中側は必然的に死角となってしまう。
スノーボードで厄介なのが、この死角方向に進む時に、必ずしも進む方向を見なくても、板を立たせてかかとに立つだけで、急に真横に進めてしまう事がある。
実体験も含めて、後ろから来たスキーヤーに限らずスノーボーダーでも、この手の接触事故は多いと感じる。
スノーボーダーは死角については常に意識して滑る必要はある。
基本的には上から滑ってくる人が注意するべきだが、追い越す人は自信満々(自信過剰)に、そこそこの(実力以上の)スピードで滑ってくる場合もある。
スノーボーダーは、自分の背後に人を入り込ませない様な滑走ラインを意識して滑る事が、一つの安全策になると思う。
これは同時に、コース全体を見渡せる事にもつながる。
このラインどりについては、勿論100%効果がある訳ではないし、コース状況に応じる必要性もある。
これらを注意をしていても、何か理由があって背後を滑る人もいる。
しかし事故が起こるメカニズムを少しでも学び、コース上で実践する事(うまく追い抜いこさせたり、そもそも滑走ラインが重ならない様離れる等)が接種事故の減少につながるのかと思う。