ポジティブ失敗学〜転び道~ワークショップのプロトタイプ実施レポート
SECILALAという最近母体が社団法人化するという気合の入った、大人が遊び心満載で色々社会実験をさせてもらえるというコミュニティがあります。
そこで、失敗・転びをテーマにしたワークショップのプロトタイプをさせてもらいました。
その場が深すぎたことと、もう一つ、私自身、ここ10年来温めてきた想いに、一歩踏み出せた記念ということもあり、レポート投稿しておきます。
<転びワークショップ体験レポート目次>
■プロトタイプ開発経緯
■ライフチャート作成
■失敗談による自己紹介&褒めフィードバック
■ジャーナリング
■転びの振り返り
■ターニングポイントの解像度を上げていくと起きること
■プロトタイプ体験感想の声
<ウェルビーイング部ネットワーク>
■リクリエーション倶楽部について
■ウェルビーイングネットワークを作ってみたい
■一人目のフォロアーの大切さ
■開発経緯
コミュニティ内で人生ストーリーを語るという会に呼ばれて、転びまくってきた人生を赤裸々に語りました。
そうしたら、ハナクソの話を中心に大笑いしてもらえて盛り上がった勢いで、自己認識探求部(俗称ハナクソ部)という転びについての研究会が立ち上がったことが最初のきっかけでした。
そこでの転び探求の話を社内でしたところ、転びたくないという人が最近多いから、是非ワークショップを是非してほしいと何度か言われたことに便乗してプロトタイプしてみました。
■ライフチャート作成
まず最初に、横軸を年齢の時系列の軸として、縦軸を良し悪しとして軸を取った表に、人生の浮き沈みをプロットして線で繋いでいくということを行います。
私のライフチャートを見本で見せたら、浮き沈みが激しすぎて、しばらく上の方とか、下の方で並行になるとかいう時期があっても良いですかという質問を受けました。もちろん良いです。
また、いろいろな活動をしていく中で、線は全部一本か?という質問も受けましたが、これも人生の中では、複数の取り組みが並行して進んでいくこともあると思うので、それに限りません。
■根っこにある思いは?
会社員として、3グループで出向転籍を含めて8社ほどの勤務と、起業もどき、副業体験など、様々なビジネス絡みの体験と、3rdプレイスとの関わりはフットワークが軽いので数知れずです。小は2人から大は、日本国内で1万5000人強、世界でいうと数十万人規模という組織に所属したことがあります。
その中で強く感じるのは、どういった組織であっても、本人の認識はどうであっても、おそらくはですが、その人がその人の人生のプロセスの中でそうあるべくしてあり、いるべくしているという状態になっているということを強く思います。
会社員としての経験はすべてコンサルティングファームという偏った経歴ではありますが、それだからこそ、お客様という関わりでも多くの組織を見てきている感覚は一定あります。
だとしたら、本人認識として、転びや失敗の最中が大変なのはしょうがないとしても、終わった後に振り替えることが出来るようになった時点では、黒歴史として蓋をしてしまったり、思い出しても吐き気がするみたいな状態はできれば解消して、良い思い出と思えるようになった方が人生ハッピーじゃないかというところがこのワークに取り組みたいと思う一つの要因です。
■失敗談による自己紹介&褒めフィードバック
そのライフチャートでの出来事から、下に落ちた底のところにある経験のどれかを選んで自己紹介をしてもらいます。
ここでのフィードバックで、もうすでに、プロトタイプとして後で行おうとしていた転びの分析がどんどん行われてしまうという素晴らしい状態になっていました。
自己紹介の後に、他の人から一言、褒めるフィードバックをしてくださいという設定にしているのですが、本人理解を超えた素晴らしい客観のフィードバックが出ていて、気づきに溢れた場でした。
.■ジャーナリング
続けて、そのことに対して、ジャーナリングと呼ばれる、心に浮かんだことを、忖度や解釈を加えずにそのまま紙に書き落としていく個人ワークを行いました。
行うことは単純なのですが、実はすごく深いワークで、参加者全員から、これは衝撃の体験だったというフィードバックを頂きました。
■転びの振り返り
最後に転び前、転び中、転び後というフレームワークを提示して、再度テーマに出した転び体験について、振り返っていただきました。
これも、振り返りの深さが半端なかったです。
元々自己探求好き傾向の高い人達が更に深いところに行けたということもあるので、この部分は、ペアワークにしたいと考えています。
本当はどうしたかったのですか?というような問いを投げてもらって応答していく中で、人生に対する想いと願いを探究していくということを行ってもらいます。
相手=自分などの観点も入れつつ、問いで深掘りしていけるように設計します。
■ターニングポイントの解像度を上げていくと起きること
参加者それぞれ、頭の中ではその出来事を何度も反芻して振り返っていたものの、そこにある言葉をそのまま全てアウトプットしていくというような経験は初めてだったようです。
その前後のワークでの取り組みと併せて、現在進行形の課題や他にもやもやしていることとの相似形に気付いたり、周りの人に声がけしている言葉の根底にある思いと繋がっていることに気付いたり、本当に辛かったあの期間がもしなかったら今の私はなかったということに改めて腹落ちできましたなど、ハナクソの話で笑いを取ろうとしていた自分が恥ずかしいと思う位に、深い場がプロトタイプの場に付き合っていただいた皆さんと協奏できたことに感謝です。
■プロトタイプの体験感想
〈’自称’苦手だというIT企業で長年頑張って来た来歴でめちゃくちゃ人育てが出来る企画屋Tさん〉
① ライフチャート
何度やっても新しい気づきがある。その瞬間瞬間 一番根底にあるものがわかる。
② ジャーナリング
シェア不要だったので『そこにある』のは分かっていても、いろんな言い訳をして向き合ってこなかったことを題材にできました。
そして、そこにも今の自分の価値観を作っているモノがある=自分の過去の体験はすべて今の自分のリソースになってるんだなーと実感できたので悪い感情が昇華された気持ちです。
③ 2つのワークをやった後で今回選んだ転びの転び前→転び→転び後を改めて見直すと、今自分に起こっていることも同じ構造だなと気づくことができました。
ちょっと八方ふさがりのような気持ちになっていたのですが、打つ手が見えたようでスッキリしました!
〈スイス各地で盆踊り大会を行ったり、背骨コンディショニングという日本発祥の技術を欧州に伝承している活動家Hさん〉
1,ライフチャートは初めてで、自分の人生を振り返る良い機会となりました。
2,ジャーナリングをやってみて、自分でうすうす気付いてはいたけれど、認めたくなかった事柄を洗い浚い書き留める事で、やっぱりそうだよねと再認識できました。それを踏まえ、物事を良い悪いで判断するのではなく、受け止めて受け入れていく事の大切さを、石井さんから教えていただいた事が大きかったです。
3,過去は書き換えられないけれど、失敗と思える事も沢山経験して今の自分があることに改めて気付く事が出来ました。有難うございましたー!感謝します。
〈とあるコンテストの全国大会常連チームを率いてきた情熱家のYさん〉
オープンにできる転びとまだ人に言えない転びを近いタイミングでアウトプットすることで自己認識が深まりました!
久しぶりに自分と向き合い感情が揺れ動きました。
いま本書くなら「期待しすぎるオレへのアドバイス、上げ落としに強くなる!」
■ウェルビーイング部ネットワークについて一転び目
最後に、ずっと10年近く私が、2nd Placeと3rd Placeをつなぐ活動として、2.5 Placeと言ってきた社内の業務外趣味活動コミュニティの輪を広げたいと思っていたことをお伝えしたら、会社の人に声かけてみようという嬉しすぎる言葉をもらい、ちょっと泣きそうになってました。
■リクリエーション倶楽部について
私自身がそうだったのですが、無闇に3rd Place 活動に邁進していた時に、社外の友人が社内外の人を招いて行っていた活力あふれる集まりに参加して、こんな場所を自分達の会社でもやりたいねということに、そうだねと言ってくれた社内の同僚が一人いたことが最初のきっかけで、そこから10年近く色々活動させてもらっているリクリエーション倶楽部というコミュニティがあります。
リクリエーション倶楽部では、という今回のようなワークショップを、U理論、NVC、コーチング、ティール組織、レゴシリアスプレイ等の『Create Our Futureシリーズ』と総称し、もう一つ、各種のボディーワーク、ヨガ、マインドフルネス、インナーマッスルトレーニングから、呼吸法や、私の転機にお世話になった古武術までを総称して『身体の使い方教室』というシリーズで、他には、バーベキューインストラクターの岩井慶太郎氏によるBBQやクリパなどを行っているという今でいうと、ウェルビーイング促進のための取り組みを諸所行ってきました。
■ウェルビーイング部ネットワークを作ってみたい
2.5 Placeと勝手に命名していたりするのですが、2ndプレイスのクラブ活動のような、社内外の人が集って何か面白いことやってみたいよねという人たちが寄り集まって、ウェルビーイング部の輪みたいなものが出来たら良いと思っています。
自分達のウェルビーイングは自分たちで作るというマインドを持って活動している人たちが集まってお互いの取り組みや思いをシェアしあったら絶対面白いですし、そういった活動を一過性でも良いですが、断続的にでも続けていくときに、刺激をくれる仲間がいると心強いものです。
■一人目のフォロアーの大切さ
リクリエーション倶楽部も一緒にやろうと言ってくれた一人の人がいてくれたおかげで始まり、今回の転びのワークショップを具体的に企画しようと思えたのは、社内でそれやってほしいと何度か言ってくれた同僚が一人いてくれたからでした。
既にウェルビーイングな活動をしている人たちは、こんなことしてきたという話を、これからそういう活動をしていきたいという人は、その刺激を受けて、私自身も救われてきたこの一人目のフォロアーづくりを後押ししていけるようなことが出来たら嬉しいなという妄想です。
つくりたいと思う活動をしているところに、会社の友人に声をかけて一緒に行ってみる。その場を、一緒に楽しむことが出来て、こんなことを自分達の会社でもやりたいよねという言葉を投げかけ、それいいね!と言ってくれたら、ウェルビーイング部プロジェクト始動できます!
というまだ多くが妄想段階なのですが、いったんやりたいことを文章にして上げてみたら何か転びだすかもと思い、書いておきます。何か面白そうかもと思っていただけた方は、是非石井までご連絡ください。
石井 聡 | Facebook
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