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接客論_04

「購入確率を上げるために実践してきた」もう1つのことは「すべてのお客さんに同じ接客をする」ことです。

よく言われますが、「この人はこれは好きじゃなさそう」「この人はお金を持っていなさそう、買えなさそう」というのを先に自分で判断してしまって、自ら購入確率を下げてしまっている販売員がいます。

購入確率は母数を上げれば必ず上がります。要は、10人に勧めて1人買うのであれば、100人に進めれば10人になって購入人数が上がります。自分の先入観で勧める・勧めないを決めてしまうと自分で母数を下げていることになります。

店長の頃、「コートを試着してくれたお客さんには必ずマフラーも巻いて鏡で見てもらう」ことを心がけてました。他の販売員にもやってもらってました。お客さんにはマフラーを勧めるのではなく、「マフラーを巻くとこのコートはこのような感じに見えますよ」というのを見てもらうためです。最初からマフラーを勧めるわけではありません。
ただ、マフラーを巻いてもらうと10人に1人程度は「このマフラーもいいね」と言っていただけるお客さんがいて、購入してくれることがあります。

お客さんにマフラーを巻こうとして、「自分はマフラーは着けないんだよ」などと言われることもありましたが、その時は着けなければいいだけです。お客さんにこのようなことを言われない限りは必ず巻いてもらうようにしていました。そのようにして母数をコツコツと上げていけば必ず販売実績は上がります。

この母数を上げることは、コンビニやファーストフードでもよく見かけます。レジで「新しい商品の〇〇が入ったのですが、いかがですか?」と言われたことはないでしょうか。これも「100人声をかければ1人は買ってもらえるかもしれない」ということで行っていることです。また、コンビニやパン屋などで大きな声で「〇〇が出来上がりました!」と店内のお客さん全員に向かって言っているのも聞くことがあると思いますが、これも同じことを狙っています。

イヤホンなどしていなければ声は必ず相手に届いています。これはアパレルのセールなどでも大変有効です。誰かに向かって言うのではなく、空に向かって大きな声で「全品半額になってまーす!」などとお客さんが「ん!?」と思うことを言えば必ず周りにいる人に届き、その内の何人かは店に入ってくれます。

「母数を上げる」ために「全てのお客さんに同じ接客をする」ことが重要ですが、これは「基本的に」であって「絶対に」ではありません。やはり色々なお客さんがいますので、あくまでも「臨機応変に」も忘れないでください。



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