過去を振り返りながら自己紹介(逃げた野良豚)
こんにちは!
多田ビニ本と申します
ビニ本作ってる人ではありませんがビニ本的なコンテンツを愛してます
noteデビューしたばっかりなんで自分の過去の記憶を振り返りながら自己紹介しようと思います
『野良豚との出会いと別れ』
家の近くには養豚場があって、近くを通ると臭いしボロボロの柵をぶっ壊して中から豚が飛び出して来る気がして少し怖かった
夜になると、出荷なのか、と殺なのか田舎の静かな夜に豚達の断末魔がこだまする
怖くて可哀想で、小学生時代肉が食べられなくなった(中学生で久しぶりに食べたらめちゃくちゃ美味くて給食の時、俺から肉を取っていった奴等を恨んだりした)
ある日隣のしんちゃんと養豚場近くの林に秘密基地を作ることになり、自分で握ったシーチキンお握りを巾着に入れて林の中に木と葉っぱで作った基地をつくった
しんちゃん曰く『敵が来たらヤバイ』ということで、基地に身を隠した。
当然敵なんて来ないので暇になったしんちゃんは、『様子を見てくる』と出ていった
しばらくしてしんちゃんは顔を歪めて『ヤバイ!HPがない!』と言って帰ってきた
誰に何を喰らわされたのか解らなかったが、巾着からお握りを渡して回復させた
当時はシーチキンお握りなんてハイカラで、初めて食べたしんちゃんは感動していた
しんちゃんは『豚小屋から逃げた豚を見た!』と言った
泥だらけで茶色い豚だったらしいが、自分の力をわきまえない小学生男子は即決で『倒しに行こう』となり、その辺に落ちている棒切れで装備を整え、野良豚狩に出掛けた
武闘家志望だったしんちゃんは素手で戦う気らしい
#流れ星銀牙
のように傷だらけで片目が潰れた赤兜のような豚と遭遇するイメージで、めちゃくちゃドキドキしていたことを覚えている
日が暮れるまで林を探索したが、野良豚に出会うことはなかった
しんちゃんを信じたかったけど、嘘なのかもしれないと思った・・・
・・・また別の日
家の近くには大きな用水路が流れていて、ウグイやアブラハヤが游いでいた
余談だがウグイのことをクキ、アブラハヤをドロッペと呼んでいた
当時は強めの農薬が用水路にも流出していたのか、『く』の字に曲がったヤバイ魚もいたが、気にせずハラワタ取って焼いて食べたりしていた
湧き水もその辺のゴクゴク飲んでいた
まあ今でも元気で生きてるから大丈夫だったんだろう
用水路も僕たちの遊び場で、釣りではなく水にはいって魚捕りも俺たちの楽しい遊びの1つだった
しんちゃんは網なんか使わず、用水路の端に生えている草の下に手を突っ込み、見事に魚を捕っていく
川上は少し高くなっていて段差で滝になっていて、上から滝壺に飛び込んで遊んでいたりしたが
ある日川上から何か流れてくる
誰かが気付いて川上を見るとでかい魚肉ソーセージのようなピンクの塊だ
滝から転げ落ちたピンクの塊を指差して誰かが叫んだ
『豚の水死体だぁ!』
みんなが気持ち悪がったり、盛り上がるなか、僕は心のなかで『あの時の豚だ』
と妙に落ち着いて流れていく豚を眺めていた
しんちゃんごめんね・・・
しんちゃんは嘘つきじゃなかった
あの豚がどこまで流されたのか知るよしもないが、川で泥が洗われてビックリするぐらいピンク色の豚が流されていく光景をなぜかよく覚えている
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