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フレンチ・コネクションとラフロイグ

独身時代、四谷のバーに足しげく通っていたときのこと。最初に頼むのはいつもフレンチ・コネクション。そしてラフロイグ。そこからはマスターと相談。新しいバーに行くと必ずフレンチ・コネクションを頼む。それでそのバーのテイストがわかるから。

要町に住んでいたころ。ピーナッツという名前のバーだっただろうか、そこでフレンチ・コネクションを覚えた。池袋から要町にかけて、いくつかのバーがあった。レコードのコレクションが充実したバーや、わいんやという名前のワインバー。カウンターでマスターと話しながら、ひとりバーを飲んでいた。

貝塚のあるこの町のバーで、ネグローニを知った。縄文時代から酒を飲みつづけてきた土地。土壌のアルコール度数そのものが高いのではないかと思うほどの、酔っぱらいの町。品川のおしゃれ感もなく、横浜の異国性もない、ただただ酔っぱらっている町。

リヨンで飲んだキール。一か月にわたる初めてのフランス留学。街そのものが世界遺産のなかで、水が違うのだろうか、あの味は忘れられない。その後に住んだパリでも、あるいは東京でも何杯ものキールを飲んだが、リヨンのキールに勝るものはいない。

パリにいたころによく飲んでいたのはヒューガルデン、そしてLeffe、度数の高いアムステルダム・ビール。マイケル・ジャクソンが死に、オバマが大統領になった年。毎晩のように酒を飲んでいた。

ボードレールやルバイヤート。酩酊の中に消えていく自己を、その消失に身をゆだねるというのも、それはそれで一興。

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