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死について

自分以外の誰かが死ぬ

それをうけてそれぞれの人々が自分がどう感じたか惜しいことだとかもっとこうしたかったとか自分勝手なことを述べる
そしてお悔やみ申しあげる

死せども誰かの身をかりて
声を発することを当たり前に見てきた子供は
身を滅ぼしても魂があるのが当然で
幼馴染が死んだときも涙がでなかった
むしろ“よかったじゃないか本人にとっては”
と安堵に似た気持ちを持った

この世に残された者たちが
娑婆での修行を強いられる

死ねば器から解き放たれ
光となる

目を閉じれば側にいる

どこかで生きているだろうけど
二度と会うことはない
かつての職場の同僚

もう二度と会うことはない
あの頃の恋人は
医師になるための試験勉強で1年弱疎遠となった そんなタイミングでぼくが誰かと籍を入れてしまったために
もう二度と会うことができなくなった

生きているのかどうかも確認できない

これはこれからの未来に存在しないことと同じではないのか
つまりぼくの人生の中では既に故人となっていることと同じことではないか

最期の姿をみることができたということは
本当に貴重で大切な瞬間に立ち会うことができたということ
有り難いこと

生存確認もできないこの世にちらばる沢山のぼくの愛する人

かなしいけれど終着点に安堵できることはとてもうれしい

そしてぼくも必ず死ぬ

明日でもいいが
残された人たちが大変な思いをするから
明日じゃなくていいが 特にいつでもいい

有難う 然様なら


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