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羊と鋼の森


内容(「BOOK」データベースより)
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

本屋大賞で見て購入、読了。
「羊と鋼の森」が示すものがピアノであり、そしてピアノが奏でる音楽であるとわかると"なんて素敵なタイトルかしらん"なんて思ったり。
モーツァルトの時代の標準音(ラ音)より、今の標準音は半音も高くなってるらしい。
もはや聴き手の受ける印象は大分違うものなんだろうなぁと思うのです。印象に残った部分だけ、備忘録的に。
主人公の先輩が目指す音的なものを
原民喜という人の言葉で示したもの。

"明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、厳しくものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体"

嫌な人の描き方があまり乗れなかった気分。
嫌な人の嫌だと思っている間の存在感は、もっと描かれるべきだったのではなんて偉そうに思ってしまったのです。
だって、凄く嫌だからこそ懐柔した時の嬉しさはとてつもないわけだもの。

けれど、読んで楽しくほっこりできました。



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