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軽率組合
ある日馴染みの喫茶店で、マスターに突然誘われた。
"軽率組合に入らないかい"
なんだかわけのわからんちんな話。なにより、ほかにも客は幾人もいるのになぜ僕なのだろう。
"君には軽率の素質があると思うんだよね"
軽率の素質があっただなんて目からウロコだ。
とは言えショックである。
軽率なことなど言うはずがない、だって常に思考思索を巡らしてその場に最適の発言を心掛けていると思っていたから。
マスターは続けて言ってくる。
"君は、凄く考えて、よくよく考えて発言する言葉が軽率だよ"
自分という人間に不信をいだきました。
デキル男を目指していたのに。
気がついたら、
「デキル男WAYを歩いていると勘違いしてるMAN」
だったなんて。
取り敢えず組合員にはなりました。
組合の活動は秘密裏に行うらしい。
秘密裏にやっても軽率だから全て白昼にさらされるのだろうなぁなんて思ったのでした。
会合でなにか起きたら(事件が)、備忘録に書いておかないと。
〜今日の教訓〜
軽率の素質は別に磨きたくない。