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総選挙得票予想、実績データから推測すると共産党は比例300万票の可能性がある

はじめに~週刊誌で衆議院選挙の議席予想がではじめています

週刊誌で衆議院選挙の議席予想がではじめています。サンデー毎日、文春、ポストなど…

こうした週刊誌の予想に一通り目を通してみました。雑誌なども含むメディア予想の中心は当然ですが小選挙区になります。どの選挙区でどの候補者が勝つか、これは衆院選挙の予想の醍醐味ともいえます。衆議院の定数は計465議席ですが、小選挙区が289議席、比例が176議席であり、小選挙区のボリュームがかなり大きいので当然です。しかも小選挙区は各選挙区1人しか通らないので、小選挙区での勝敗が各党の獲得議席数を大きく左右することになります。

小選挙区の議席予想は非常に困難

この小選挙区の予想は非常に困難です。小選挙区の選挙区ごとのデータを集めることはなかなかできませんし、接戦になればだれが勝つか予想はできません。ちなみに比例の世論調査の支持率をベースに各党の比例得票の予想は、私も尊敬している三春充希(はる)さんのような優れた方の分析をぜひみてください。

そうした人たちの影響を受け、私は共産党と公明党の地方選挙の得票実績から、今回の選挙の集票能力を予想してみたいと思い、前回のNOTEに書きました。

このデータでは、①今年4月以降の地方選挙の結果から共産党が集票能力を大きく減らしていること、②公明党の集票能力にはほぼ変化がないこと、を浮き彫りにしました。今回はそのデータをもとにして共産党の比例得票の予想に踏み込みます。主観も入る記事になりますのでご了承ください。

週刊誌の共産党の議席予想は少し適当ではないか?

これは私の仮説ですが、冒頭で書いたように週刊誌の議席予想は小選挙区の予想がベースであり、かつ大きな政党がどうなるかに軸をおいています。中小政党の比例議席の変化は全体の趨勢には影響がないともいえるからです。したがって現状は各紙の予想は以下のようになっています。共産党の議席は基本現状の維持、場合によっては1議席増の可能性も示唆されています。例えば、Xでみつけたポストをお借りしました。以下のようなデータになります。

共産党の比例票を集票実績の減少から簡単に割り出してみる

ところが、これらの予想の共産党の議席は共産党の集票能力の低下をあまり考慮していない可能性がある、と私は推測しています。前回NOTEで記載した通り、共産党は16年からの比較でみたとき地方市での絶対得票数を減らし続けています。そして20年から24年比でみたときこれまとは違い非常に大きく集票能力を落としている現実があります。このデータには調査範囲内で例外はありませんでした。17市の合計得票数は以下となります。

2024年4月以降行われた市の選挙、共産党得票数の合計

16年比で24年の得票は72.5%。約3割の票が失われています。これは感覚ですが、この8年の間に共産党が3割もの票を減らす外的理由を私にはみつけられません。むしろここ1年では裏金問題での共産党(赤旗)の活躍などはよく報道されており、普通に票が増えてもおかしくないのでは?とすら私は思っています。あるいは、れいわや参政党などの新規政党の登場が既存の共産党の票を奪ったと仮定してみても、これらの政党は全ての地方選挙に候補者をたてていませんので、すべての市でほぼ一律に減票をする理由にはなり得ないのです。ここからは予想になりますが、外的な理由ではなく高齢化や組織の弱体などの内的な理由を通じて共産党の岩盤的支持層が16年比で最大で3割近く消滅したのではないでしょうか?。もしもそうだとすると、今回の選挙の共産党の得票の出発点は2017年の4404081票の3割減、3082856票、約300万票が共産党の得票の出発点の可能性があります。もちろん下の票が示す通り、国政選挙における共産党は状況によっては浮動票を大きく獲得できる可能性をもっています。

96年以降の衆議院選挙での共産党の得票

選挙は多数の有権者が判断するものですし、公明党と違い共産党の国政選挙は無党派の審判に左右されるので、今回の選挙で「無党派」に大きく支持される理由があった場合には当然岩盤的支持票を大きく超える得票を共産党は得ますが、このデータはその部分は全く考慮していません。それは私には予想はできないからです。

小選挙区での候補者大量擁立がどう得票につながるか?

ところで私が出発点とした2017年と今回の選挙、一つの大きな違いとして共産党は、ここ2回の衆議院選挙と比べて小選挙区に大量の候補者を擁立して望む選挙になる、という点があります。

共産党、小選挙区での候補者数

この候補者数が選挙結果にどう影響するのかも、今回の選挙の一つの注目点になります。というのも2014年の衆議院選挙では、共産党はその前の選挙と違い小選挙区候補を大量に擁立して、600万票の得票を得ています。その後2回の選挙では「野党共闘」により候補者を減らし、得票が後退しているのです。ところが過去をみると2012年の選挙では、候補者を減らした2009年の選挙に比べて候補者を大量擁立(全区立候補)しているにもかかわらず、過去20年で最低の得票数となっています。もしも今回の選挙で共産党が前回の得票を大きく減らす結果となった場合、共産党にとって候補者の大量擁立と比例の得票はあまり関係がないと言えることになると思います。

おわりに~

自分で分析した中で、まだ数字を出していないものがあります。それが、共産党と公明党、両党の国政選挙と地方選挙の得票差です。次回はそのデータを示して考えたいと考えております。需要があることを望みます(笑)

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