お土産は気持ち
東京駅で、丸の内線からJRに乗り換えるのに通路を歩いていたら、人形焼の店が出店していたのでお土産に買った。
この通路は駅構内の他の場所と比較して人通りが少なく歩きやすい。
発車時刻まで間があったが方々歩き回るのも面倒になり新幹線のホームに直行するつもりだったので、この辺でなにか夫にお土産を買ってしまおうと思った。
4月に二人で上京したばかりだし、夫はつい先日も仕事の関係で都内に宿泊した。
欲しければネットで何でも買えるのだから、お土産なんて買わなくていいようなものだけれど、そんな気になる。
そして気は心なのだと思う。
通りがかりに、ABCマートの小さなショップがあった。
ABCマートなら、私の住む町にもお店がある。
お客は、私より少し年上くらいの女性とその娘さんと思しき二人連れだ。
女性は試し履きのスニーカーをとても気に入ったらしく、履いて帰ると言っている。
はじめ、こんなところでわざわざスニーカーを買うものか?と思った。
履いて来た靴が荷物になるじゃないの…
少し考えて、あることを思い出した。
そして、意外に需要があるのかも知れないと気づいた。
以前家族で山口県の秋吉台に出かけた時のこと。私はバレエシューズのようなペタンコ靴を履いていた。
この旅行のために購入したのだ。
ほとんどヒールの高さがなく履きやすそうに思えた。
ところがシートに座って約4時間も脚を下げていたため浮腫んでしまい、新しい靴が窮屈になってしまった。
いざ現地に到着しても痛くて歩けない。
しかし秋吉台は観光地だから、靴なんて売られていない。
仕方がないので土産物店で下駄を買って履き替えた。
ストッキングを脱ぎ足の指を開いてホッとしたことと言ったら!
着ているワンピースと合わないなんてことはもうどうでも良かった。
下駄履きで歩け秋芳洞!
この話は今でも笑い種になっている。
ここまで間抜けなエピソードを持つのは私ぐらいなものだろうが、旅先で足が痛くなってしまうことは意外にあるのかも知れない。
ABCマートでとり扱っている靴は(主にスニーカー)手頃な価格で、デザインも特異でない。
旅先の衝動買いにうってつけではないか!
東京駅の通路にあるのは小さい店で、迷うほど種類がないのもよい。
立ち止まったついでに思いついて、夫への土産に白いスニーカーを買うことにした。
この間二人で出かけるときに、私がClarksの白いスニーカーを履くと、
おまえだけ白か、俺は黒いのに。
と呟いた。
夫の普段用に、靴べらがなくてもスポッと履けるスケッチャーズの黒いスニーカーを買ってあった。
それで、白いのが欲しいのだな、と思った。
購入したのはClarksではない、adidasのスタンスミスモデルである。
サイズが展示品しかないとのことで、工場から自宅に送料無料で送ってくださるという。
荷物にならず渡りに船だ。
スニーカーが到着した翌日、市内のショッピングモールから特招会のDMが届いた。
ABCマート全品30%オフ(一部除外品あり)
…
ヘッダー画像は人形焼、販売元は北千住だが製造工場は千葉県野田市。
気は心気は心。
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