見出し画像

【オーディブル】『終わった人』内館牧子 著

東京公演チケットは完売していますが、リーディング劇が開催されるキャンペーンのようで、オーディブルのオススメに上がってきたので聴きました。

私の大好きな雲霧親分のリーディングなのでお近くならば行きたいところですが…

オーディブルの朗読の声は、主人公の男性が63歳でほぼ同い年にしてはおっさんぽいなあ!と感じました。
特に、60歳前の奥様の声色というか話し方からは、もう少し妙齢のご婦人を想起してしまった…
おそらく、世間的にアラカンというのはこんな感じ?なのでしょう。
はいはい、自覚なき高齢者にございます😝

2014年〜2015年に連載された新聞小説とのことで、2018年には映画化されているそうです。
リアルタイムじゃないせいか、定年後の生き方云々よりも、震災後の地方をどう再生して行くか、地方で生きる、地方で暮らすとは?の方に良いヒントがありました。

主人公夫婦は私より上の団塊世代で、10年後その時を迎えた私たちとは状況がまるで違います。
終わった人となった主人公ですが、現代では定年年齢が伸びていて、年金も退職金も60歳で仕事を辞めるには不安、還暦からは悠々自適などというのは少数派です。
そういう意味では当時は着地点を見誤った主人公の七転八倒は、未来への布石であったのだと思いました。

都市部にいたり大企業に勤めていると、退職後にやることがないもののようでしたが、夫の会社のような零細企業では60歳でリタイヤする人はいません。
雀の涙のような退職金では生涯現役でおらざるを得ない事情もあります。

リタイヤしても、田舎は親類や近隣との関わりがあり、畑や庭木の手入れの手伝いや、公民館活動や神社の祭りの役まわりなど、わりと元気に活動しているように見えます。
孫を背負って子守をしたり、庭仕事や家仕事を楽しむ高齢男性は普通にいます。
とまあ、田舎自慢をしておりますが、あくまで私の観測範囲内での所見ですので、悪しからず。
どこにいても愉しむ人は愉しむし、愉しまない人は愉しまない、それだけのことに思います。

レビューでは悲しいとか切ないとか、奥さんが可哀想とありましたが、私はこの主人公は少々、いやかなり見栄っ張りで、すぐに目新しいことに飛びついて早とちりなところなど憎めなく、魅力的に感じましたね。
まあ我が夫だったら…
気持ちだけはそうあってもらいたいかな。




いいなと思ったら応援しよう!