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空間の作用

#挑戦してよかった

↓↓↓の記事の続きです。


東京までキルト塾に通って何か成果(資格が取れるなど)あるの?

異口同音に言われる。

いや、資格はもう取ったんですよ、スキルアップのためです。

スキルアップしてそれからどうするの?

・・・特にどうにもなりません・・・

壮大な(大袈裟!)無駄遣い、のように見えるらしい。

キルト塾の受講料はワンクール半年間で月に一回、4時間半くらいの授業で、六万円プラス消費税。
一回一万円プラス消費税、それを高いと見るか適切と見るか…

このクラス二十名の塾生の大多数は都内や神奈川、埼玉、千葉の関東近郊にお住まいの方で、富山や山梨の方もちらほらいらっしゃる。
私は最も遠方からの参加だった。
他のクラスには、北海道や鹿児島から通われる方もあるそう。

ワンクール半年だけの塾通いの私を除いて他は全員継続、ほとんどの方が何年も続けていらして中には十年選手も。

塾生の大半は数十年パッチワークのキャリアがあり、お教室を運営したりカルチャーセンターなどの講師を勤めていらっしゃる。
国内外のキルトコンクールに出品し入賞している方がたも。
当たり前のように、ヒューストンの時の、あのキルト良かったよね、なんて会話が飛び交っている。

もちろん、そんな方ばかりではない。
長い間お勤めして趣味でキルトを作っていたが、退職後にミシンを新調して(なにせ塾で常用しているのはスイス製のミシンで三年ものの軽自動車が買えるくらいするのだ!私のはJUKI製だけど)ようやく悠々自適の身になったので自分へのご褒美に塾に通っている、なんて方が三分の一くらいだろうか…
一人一人に聞いてみたことがないのであくまで感触だが。

なぜ塾に?と問われたらこう言う空気に触れてみたかった、が答えになるだろうか。

ミシンキルト作品を地元で目にする機会はほぼない。
広島や岡山など近県の展示会に出向けば見られるが、作品は裏返して見ることすらできない。

目を見張るような素敵な作品がいったいどんなふうに作られるのか。
具体的な作り方のみならず、着想を形にしていく観念的な"どんなふうに"を知りたいと思った。
それには"現場"に居合わせないと!
キルト塾は絶好の機会なのである。

半年間通ってとても満足している。
これで全てを理解したわけでもなく、現実的な話、やり方がわかったからってできるものではない。
絶え間ぬ努力と試行錯誤は絶対必要だし、そもそも私は不器用なのである(がっくり)

塾生の方々は謙遜で、私のようなひよっこからでも、どんなことでも学ぼうとする。
そんなこと知ってる、なんて顔はしない。
なおかつ惜しみなくアイデア、テクニックを公開して教え合う。
教えれば誰にでもすぐにできるものじゃないし、センスは持って生まれたもので、そればかりは模倣できないことを知っているからだろう。

コンクールに出品して賞を取りにいくことを臆さず堂々と語り合う。
ほんと、かっこいいです。

だから私も…
とはとうてい思えないし、思わない自分がダメだとも思わない。


即物的な成果を期待するより、そう言う空気に触れる、環境に身を置くことにすごく魅力を感じるのだ。

十月からまた半年、別の講習会に通うことにしている。
今度はどんなテクニック、アイデア、素晴らしい人々に出会えるかワクワクしているのである。

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