夫のお片付け
夫を片付けたのではない(物騒な!)
4月から次男が同居することになり、とりあえず荷物を持ち込んだ。
二間続きの和室は一人用ソファやら季節外のスーツやら押し入れに入りきらない寝具やら梱包材やらがとっ散らかり、倉庫のようになった。
今まで頑張ってきたがいい加減力尽きた。
物を処分するのは、労力だけでなく頭脳もいるのだ。
どちらかというとそっちが嫌になった。
もう考えるのもごめんという気分。
客間、使ってないんだから物置でいいよね!
高らかに宣言して放置した。
すると、夫がやり始めた。
捨てるのが嫌いだからどこかにしまい込む。
自分のガレージや勝手口の外の物置に、パズルのように嵌め込んでいく。
けっこう楽しそうだ。
片付けることが目的化している。
BSチャンネルで見かける、笑えるコマーシャルがある。
何枚組かの布団圧縮袋の通販。
田舎の押し入れをバックに、口八丁手八丁(おまけにハンサム、ではないか)な男性が大量の(!)布団やらぬいぐるみやらをビニール袋に詰め込んで、掃除機で中の空気を吸い取っている。
吸い取りやすさがどうもセールスポイントらしい。
ブツはみるみるぺちゃんこになる。
これで押し入れを圧迫しないというわけだ。
男性は意気揚々と、これならまだまだ入れられるという。
一体何人で暮らしている家族を想定しているのだろう…
そして、何人の客がいつ何日間泊まりにやってくるのだろう。
そのときは押入れから袋を取り出して、解凍(?)して膨らませて、使った後は干して畳んでまた袋に入れて圧縮して押し入れにしまうのか。
想像するだけで肩と腰に鉛をぶら下げたような気分になる。
そういうのは"家"に、姑の指図をはいはいと聞いてテキパキとよく働く若い嫁さんがいればこそなるものなのだ。
二十五年くらいのスパンで姑から嫁にバトンタッチする。
六十や七十を過ぎた老体がやることじゃありませんわよ。
意地悪く夫に問いかける。
仕舞い込んだのを、いつか使う予定なの?
Sちゃん(次男の名前)が使うわや。
負の遺産、
絶望的な未来である。
夫は背が高いので、押入れの天袋にも何か押し込んだみたいだ。
私はもう見ないことにする。
先は短いんだもの。
とりあえず客間がスッキリしてきたのでよしとする。
片付いたら手製のキルトを掛けてみようかしら。
はあと❤️
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