見出し画像

ちっせえ字


いつも楽しく拝読しているエリザベス江戸川さんの最新記事より、つい最近思いついていたことを書きます。
エリザベスさん、ありがとうございます♪

私がはじめに、なんだこのちっせえ字は⁈
と老害、じゃなくて憤慨したのは、亡き父が生前所持していた国民健康保険証だった。

当時夫が加入している協会けんぽが発行している保険証は、昔ながらのハガキ大の二つ折りの紙製だった。

実家のある千葉県某市はOA化が進んでいたらしく一足先にプラスチックのカードになっていたのだった。

実家でこれを見かけて、つくづく、使う本人の利便性より手続き処理をする側の利便性優先なんだと思ったものだ。

こんな薄っぺらなちっせえカードじゃ、クレジットカードや、Suicaやポイントカードに混じって財布の中に紛れてしまう。

こういうと、カードケースに収納すればいいじゃん?と、人の出鼻を挫くことに最高の喜びを見出すタイプの人が浅はかに言う。

ノー!と私は異議を唱える。
カードケースに収納したカードは高齢者には取り出しにくい。
蛇腹ケースでもおんなじだ。
不器用でやたら指先が乾いているから、つまんで引っ張り出す動作は苦手なのだ。

そもそもずらっと並んだカードから一枚選び出すのだって、見えにくい目には難儀だ。

一番いいのは、通院用のポーチに診察券やお薬手帳と一緒にしておくことだ。
それだって、あんなちっせえカードより、お薬手帳くらいの大きさがあった方が良い。
まあそれを言ったら、診察券もみんなカード式なんだけどさ。あんなのは失くしてもすぐに再発行されるのだし。

しかも、判読でないちっせえ文字でチマチマとなにかが書いてある。

思うに、あの書いてあるのは読ませる気なんてない文字だ。
そう、現代人は文字なんて読まない。
アナログではピクトグラムや番号で何を表しているのか、何者なのか判別する。
まるで江戸時代だ。

スマートフォンにQRコードを読ませれば必要な情報はインプットされる。
どんな手続きもスマートフォンをサッとかざせば良い。
だから、のっけから字を読ませようなんざ思っちゃいない。
それでごくごくちっせえ字で書いてある。
ちょっと気をつけて見回せば、読ませる気のないちっせえ文字はそこらに溢れてる。

文字を読みつけなければ読む能力は衰えてしまうだろう。
これは何かの策略なんだろうか?
笑い事ではない。
世の中がそういう方に向かうというなら仕方がないが、孫たちにはせいぜい本を贈って字を読ませよう。
老婆心ながら。


いいなと思ったら応援しよう!